第95回広域系統整備委員会資料概要
資料の目的
この資料は、系統用蓄電池の新規連系における課題と対応策について議論するために作成されたものである。
目次
- 背景
- 現状の課題
- 検討項目
- 系統用蓄電池の接続検討状況
- 順潮流対策の制御手法
- リアルタイム制御の概要
- 計画値制御の概要
- 課題と今後の予定
- スケジュール案
- まとめと今後の課題
背景
- 系統用蓄電池の導入促進を目指し、早期連系のための暫定措置や混雑回避手法が検討されてきた。
- 第4回次世代電力系統WGでは、「計画値制御」や「リアルタイム制御」などの混雑制御手法が位置付けられ、関連する課題が指摘された。
現状の課題
- 接続検討申込数が急増しているため、対応を迅速に整理する必要がある。
- 担当機関(電力広域的運営推進機関)にタスクアウトし、技術面での評価や概略検討を行わなければならない。
検討項目
次の研究項目が洗い出され、特に以下について議論が求められている。
- 順潮流側混雑制御手法の選択肢
- リアルタイム制御の今後の課題
- 計画値制御の簡易化
系統用蓄電池の接続検討状況
- 接続検討総計: 約14,300万kW(2024年6月末比約2.4倍)
- 契約申込み総計: 約1,800万kW(2024年6月末比約4.0倍)
エリア別接続検討状況(2025年6月末時点)
| エリア | 接続検討 (万kW) | 契約申込み (万kW) |
|---|
| 北海道 | 169 (+67) | - |
| 東北 | 865 (+235) | - |
| 東京 | 400 (+325) | - |
| 中部 | 5,660 (+3,682) | - |
| 北陸 | 353 (+254) | - |
| 関西 | 1,652 (+713) | - |
| 中国 | 1,162 (+650) | - |
| 四国 | 238 (+186) | - |
| 九州 | 688 (+425) | - |
| 沖縄 | 96 (+66) | - |
順潮流対策の制御手法
次世代電力系統WGで言及されている制御手法には以下がある。
- 発電側ノンファーム型接続の出力制御方法を参考にする。
- リアルタイム制御の仕組み。
検討の方向性
- 系統の混雑緩和に向けた接続ルールの開発が求められている。
- 新しい仕組みは導入までに長期間が掛かる可能性があるため、早期対応策が重要である。
リアルタイム制御の概要
リアルタイム制御は、実際の潮流を監視して制御を行う方法であり、計画値制御とは異なる特性を有する。
| 特徴 | 計画値制御 | リアルタイム制御 |
|---|
| 制御判断方法 | 計画値に基づく | 実潮流に基づく |
| 制御対象 | 規定された対象蓄電池 | 同上 |
| 費用負担者 | 蓄電事業者 | 蓄電事業者または他の調整源 |
計画値制御の概要
計画値制御は、発電計画に基づく潮流計算を行い、運用容量を超えた際に蓄電池の充電出力を抑制する手法である。
- 制御方法:
- 予測誤差を含めた想定潮流を計算し、容量を超える場合に制御指令を送る。
課題と今後の予定
- リアルタイム制御を全国に展開した場合、インバランスの拡大や複雑化が懸念される。
- 今後、計画値制御の簡易化やタスクの進捗状況に基づいてスケジュールを見直していく必要がある。
スケジュール案
今後のタスクアウトに関するスケジュール案を以下に示す。
| 番号 | 項目名 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 |
|---|
| 1 | 蓄電池順潮流制御案検討 | | | | |
| 2 | リアルタイム制御の課題抽出 | | | | |
| 3 | リアルタイム制御の工費納期検討 | | | | |
| 4 | 計画値制御の課題抽出 | | | | |
| 5 | 計画値制御の簡易化検討 | | | | |
| 6 | 計画値制御の工費納期検討 | | | | |
| 7 | 広域系統整備委員会 次世代電力系統WG | | | | |
重要な日程
- 11/28: 広域系統整備委員会
- 12/24: 次世代電力系統WG
- 1/26: 広域系統整備委員会
これらの検討は、順潮流側の混雑制御手法の選定及び判断には必要であり、選定後には導入に向けた詳細検討が求められる。
まとめと今後の課題
- 系統用蓄電池の導入を促進し、迅速に接続させる手法についての検討が行われた。
- 順潮流対策の選択肢及びリアルタイム制御に関する課題が整理され、今後の制御手法の得失評価に向けた基盤が整った。
- 計画値制御の簡易化案については、開発工数削減が見込めないため、さらなるロジックの根本的な変更を進める必要がある。
- 今後、計画値制御の課題、簡易案の深掘り、工費・納期等についての検討を行い、次回の広域系統整備委員会で議論を進める。
本件は他の制度への影響を及ぼす可能性があるため、制御方法の検討と並行してその影響も考慮する必要がある。