本資料は、需給調整市場の全商品前日取引化を踏まえ、ΔkW価格の算定ルールを明確にする提案である。記載事項はいずれも会合での検討案であり、決定事項とは示されていない。価格規律を守る事業者には業務改善命令等の対象とならないセーフハーバーを設ける一方、逸脱しただけで直ちに処分対象となるわけではなく、市場相場に重大な影響をもたらす取引かを踏まえて判断する。
| 論点 | 2026年度以降の提案 | 主な条件・留意点 |
|---|---|---|
| 一定額の分母 | 固定費回収上限額を想定応札量で除す | 当面は想定約定率を掛けない。市場状況に応じて将来検討 |
| 容量市場収入 | 原則、他市場収益として控除 | 容量市場に応札できなかった新設電源等、または応札したが約定しなかった電源等は控除しない案。応札機会があったのに見送った老朽電源等は、応札の有無にかかわらず収入を得る前提で控除する案 |
| 起動費等 | 複合市場と三次②市場に1回分を按分計上 | 不落により取り漏れた費用は、システム上の不落ブロック計上額を基本に事後精算。入札価格に計上していない費用は精算対象外 |
| 逸失利益 | 全商品で時間前市場価格の想定価格を用いる | 2026年度から全商品が前日取引となるため |
| 振替損 | 持ち替え(下げ)機のΔkW価格に振替損を考慮 | 下げ機価格の上限は「振替損+一定額」であり、振替損は上げ機と下げ機の限界費用差を超えない整理案 |
固定費回収のための合理的な額は、セーフハーバーとなる基準として明確化する方針である。当年度固定費には、需給調整市場への参入・応札に必要なアグリゲーターの人件費やシステム費用を特定して計上することが望ましい。一方、法人税は利益に課される税であり、直接的な費用ではないため固定費に含めず、容量拠出金も需給調整市場への応札に要する費用ではないため計上しない案である。
容量市場収入は、基本的に電源の固定費回収に充てられるとの整理を踏まえ、他市場収益として控除する。ただし、新設後で容量市場に応札する時間がなかった電源等や、応札したものの約定しなかった電源等は控除しない案である。これに対し、応札機会があったが老朽化や事業継続の見通しから応札を見送った電源等は、当面、容量市場収入を得られる前提で控除する案である。実際に容量市場等で約定収入がある電源等は、エリア約定価格×期待容量による算定式を用いない。
想定約定量を分母にすると、事業者が約定量の見積りを通じて一定額を恣意的に調整できる懸念がある。想定約定率はエリア・商品差があり、全商品前日化後に共通の率を定めることも難しいため、当面は想定応札量を用いる案である。これは逸失利益が応札量を基に算定されていることとの整合も図る。想定応札量は停止期間や充放電制約などを考慮し、事業者が運転パターンや過去実績等を踏まえて算定する。
複合市場と三次②市場の双方でメリットオーダーを確保するため、起動費等を両市場の入札価格に配分する案である。各市場にそれぞれ1回分を計上する案では、約定結果によって起動費を過回収し、事後返還や精算が必要となるほか、精算業務の負担や応札量減少への懸念が示された。このため、両市場に1回分を合理的な方法で按分する。なお、応札ブロック間で停止が確実となり、1日に複数回起動するケースとして、下げ代不足時と系統作業等による出力抑制時に限り、複数回分の起動費等を認める案も示された。
2026年度以降はスポット市場後に全商品が取引され、安価な電源が先に使われることで、起動済み電源の余力による供出が減る可能性がある。応札量を増やす方法として、起動済み電源の余力内で電源を持ち替え、高速商品向けにΔkWを薄く広く供出する方法を整理する。これに伴い発生する振替損を、持ち替え(下げ)機の価格に反映する案である。
2026年度以降、B種電源協議は廃止する方針である。ただし事前的措置の対象事業者には、次年度取引前に電源ごとの入札価格の考え方を聴取し、固定費回収状況の報告を四半期ごとに求める。事後監視を強化し、需給調整市場ガイドラインには、不合理な価格・入札量の設定による不当な収益獲得や、不適切なシステム設定で複数事業者に影響を与える行為を処分対象行為として追加する方針が示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2026年度以降の需給調整市場の監視及び価格規律のあり方について:第15回 制度設計・監視専門会合 事務局提出資料」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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需給調整市場は2026年3月14日受渡分から全商品が前日取引・30分単位に移行し、二次調整力②を含む一次〜三次①は「複合市場」として一括で約定される仕組みに変わった(開始済み)[DOC:3e77bc52-8b6a-4fd8-95e4-cc566342a559][DOC:21690b2a-d72a-4827-91b3-b012b62f0db9]。商品単体の要件だけを見て応札可否を判断すると、実際の約定量・約定単価の決まり方を読み違える構造になっている。
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