中国九州間連系線の運用容量拡大に関する報告書
目的・背景
本資料は、第9回将来の運用容量等の在り方に関する作業会において、緊急時の運用容量拡大に関する報告を行うものである。目的は、国の電力供給の信頼性を確保することであり、特に容量市場の約定処理や供給信頼度(EUE)評価への影響を考慮した検討が行われている。
現状の課題
- 中国九州間連系線の潮流は基本的に中国向きであり、九州向きでの電力市場が分断されることは稀である。
- 将来的に九州エリアで供給信頼度(EUE)評価が未達になる可能性があり、これにより電源の追加処理が必要となる見込みである。
- EUE評価において、九州エリアの計画外停止時に連系線が混雑していると、中国エリアからの支援融通が難しくなり、停電量が増加するリスクがある。
運用容量拡大に関する検討
拡大案の提案
第4回運用容量等作業会で、九州電力送配電から以下の4つの運用容量拡大案が提示された。
| ステップ | 内容 | 運用開始時期 |
|---|
| ステップ1-1 | 運用容量算出細分化による拡大 | 2024年6月より実運用中 |
| ステップ2-1 | 負荷制御を織り込んだ運用容量拡大 | 2026年度より運用開始予定 |
| ステップ1-2 | PV不要解列量の見直し | 「緊急時の運用容量拡大」に組み込む |
| ステップ2-2 | 負荷制御量の積み増しによる運用容量拡大 | 「緊急時の運用容量拡大」に組み込む |
運用容量拡大の目的
- 緊急時の運用容量拡大を行うことで、広範囲な停電のリスクを回避し、電力需給の安定を図る。
- 承認手続きに基づく緊急時の運用容量拡大は、2025年10月20日からの実運用開始が予定されている。
EUE評価への織り込み
- ステップ1-1およびステップ2-1は年間計画段階で算定されるため、EUE評価に織り込むことが可能である。
- 対照的に、ステップ1-2およびステップ2-2は平常時運用容量への織り込みが困難なため、EUE評価には含めず「緊急時の運用容量拡大」として扱うこととした。
まとめ
- 九州電力送配電より提案された運用容量拡大案のうち、ステップ1-1は既に実運用されているが、ステップ2-1は来年度からの運用が予定されている。
- ステップ1-2およびステップ2-2については、緊急時の運用容量拡大として整理され、2025年10月20日から実運用に適用される予定である。
参考事例
- 2012年2月に九州エリアで発生した供給ひっ迫に伴い、運用容量を超過して電力融通が実施された事例があり、この際にはN-2故障時の供給支障リスクを許容して運用が行われた。
このように、中国九州間連系線(九州向き)における運用容量の拡大は、供給信頼度を維持しつつ、安全な電力供給を実現するための重要な施策である。