第94回広域系統整備委員会資料の説明
資料の目的・背景
本資料は、第94回広域系統整備委員会における「広域系統整備に関する長期展望のレビュー」の議題を整理したものである。具体的には、需要と電源の設定に関する事項が中心であり、2025年10月31日に議論される予定である。
主要な検討内容・論点
本日は、以下の内容について議論が求められている。
- 長期展望レビューの前提条件としての需要と電源の設定
- 需要の設定(年間総電力量およびロードカーブ)
- 電源の設定(電源ごとの設備量)
次回以降の長期展望レビューでは、以下の点について考え方が検討される。
長期展望の目的
長期展望レビューの目的は、以下の3点である。
- 現行の長期展望に対する状況変化の影響を評価し、見直しの必要性を確認する。
- 第3次広域系統長期方針の策定に向けた課題を抽出し、検討する。
- 需要や電源等の前提条件を状況変化に応じて見直す。
重要な数値・データ
現行の長期展望における年間総電力量
- 年間総電力量: 12,484億kWh(使用端換算)
現行の想定方法
需要の想定には以下の3つの要素が含まれる。
- 電力部門の需要
- 従来型の非電力部門消費エネルギーの電化
- 脱炭素およびエネルギー転換技術による需要増加
現行の長期展望に基づく試算
- 状況変化を反映した年間総電力量: 12,447億kWh(送電端)
- 建設的な反映要素:
- 電力部門の需要: 9,886億kWh
- 非電力部門の電化: 1,929億kWh
- 脱炭素技術による需要増: 532億kWh
- エネルギー転換技術による需要増: 100億kWh
現行の長期展望における設備量
以下の表は、現行の長期展望における各電源の設備量設定内容を示している。
| 電源 | 設定内容 | 設備量 |
|---|
| 再エネ | 太陽光: 260GW | 260GW |
| 陸上風力: 41GW | 41GW |
| 洋上風力: 45GW | 45GW |
| 水力・バイオマス・地熱: 33GW | 33GW |
| 揚水: 27GW | 27GW |
| 火力 | 水素・アンモニアにリプレースの仮定(既設火力の一部が廃止後リプレースされる) | 145GW |
| 原子力 | 既存・建設中設備が全て60年運転する仮定 | 26GW |
| 蓄電池 | 系統用蓄電池として導入量をEV・PHEVのバッテリ容量を基に設定 | 9GW |
課題・リスク
現行の長期展望における複数シナリオの設定が、未来の需要と電源の立地等のアンバランスをどう是正するかが今後の大きな課題となる。
今後の展望
第7次エネ基やGX2040ビジョンの反映
- 再エネ:
- 主力電源化を徹底
- 地域との共生と国民負担の抑制を考慮しながら最大限の導入を促進する方針を堅持
- 原子力:
- 国民からの信頼確保と安全性を重視し、必要な規模を持続的に活用
- 火力:
- 2025年度供給計画の内容を考慮し、経年リプレース仮定を維持
- 蓄電池:
- 現行の長期展望からの見直しが必要。導入実績や市場動向を踏まえた将来の供給シナリオが求められている。
新たな設備量案
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、以下の表は長期展望レビューにおける電源ごとの設備量案を示している。
| 電源 | 設定内容 | 設備量(案) |
|---|
| 太陽光 | 第43回基本政策分科会における参考値(同様) | 260GW |
| 陸上風力 | 官民協議会導入目標(同様) | 41GW |
| 洋上風力 | 官民協議会導入目標(同様) | 45GW |
| 水力・バイオマス・地熱等 | 2030年度エネルギーミックス水準(同様) | 34GW |
| 揚水 | 供給計画最終年度の年度末設備量(同様) | 27GW |
| 火力 | 供給計画最終年度の年度末設備量および水素・アンモニアにリプレース(同様) | 139GW |
| 原子力 | 全て60年運転を仮定した際の2030年時の設備量(現行から追加) | 37GW |
| 蓄電池 | 導入実績と市場トレンドに基づく(現行から変更) | 24GW |
スケジュール・今後の予定
今後2025年内を目途に、長期展望の基本的な考え方やシナリオ設定の変更について整理を行い、2026年以降に具体的な影響レビューを実施する予定である。これらの議題を通じて、エネルギー政策における長期的な信頼性と持続可能性の確保が目指されている。
本資料は、電力・エネルギー分野における現行の政策及び設備量についての概要を提供しており、今後のシナリオ検討の基礎資料となる。