日本における独占禁止法のガイドラインに関する資料
本資料は、日本における独占禁止法のガイドラインにおける「単独の取引拒絶」や「差別的取扱い」の考え方についての主要なポイントを整理している。
1. 概要
- 本資料は、独占禁止法に基づく取引拒絶と差別的取扱いに関する基本的な考え方を述べている。
2. 単独の取引拒絶に関する考え方
- 事業者は取引先選択の自由があり、価格や品質を考慮して特定の事業者との取引を拒絶することに法的問題はない。
- ただし、次のような不当な目的のもとで行われる取引拒絶は違法となる。
- 独占行為の実効を確保する手段
- 競争者の市場排除を目的とする行為
注4: 市場での競争が実質的に制限され、私的独占とされる場合の考え方については、「排除型私的独占ガイドライン」に示される。
3. 独占禁止法上問題となる行為
違法な目的に基づく取引拒絶の具体例は以下の通りである。
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メーカーによる流通業者への圧力
- 自社の競争者と取引しないよう圧力をかけ、競争機会を減少させる。
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原材料供給の停止
- 自ら製造することを阻止するために、主要な原材料の供給を停止する。
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競争者排除のための供給停止
- 競争者を市場から排除する目的で、従来供給していた原材料を供給しない。
注5: 「市場における有力な事業者」とは、当該市場のシェアが20%を超える事業者を指す。
4. 供給拒絶・差別的取扱いの判断要素
供給拒絶や差別的取扱いが排除行為に該当するかどうかを判断するための要素は以下の通りである。
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市場状況
- 市場集中度、商品特性、流通経路、参入の困難性など。
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行為者の市場における地位
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供給先事業者の地位
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行為の期間
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行為の態様
5. 具体例
以下は、供給拒絶や差別的取扱いの適用例である。
例1: ぱちんこ機メーカーの行為
- X社が多くの特許権を所有していたことから、他の事業者に対してぱちんこ機の製造に必要な実施許諾を拒絶し、参入を阻止した。
例2: 光ファイバ通信サービス
- X社が東日本地区で大きなシェアを持っていたために、新規事業者が競争するためには高額な料金を設定せざるを得ず、事実上の参入が困難になった。
これらの例は、独占禁止法の「供給拒絶・差別的取扱い」が実際にどのように機能するかを示している。