ガス市場の競争促進に関する資料概要
本資料は、ガス市場の競争促進に向けた論点を整理したものであり、ガス事業の特徴や過去の取り組み、今後の競争促進に関する課題が述べられている。
1. ガス事業における競争環境の特徴
供給方法
- ガスは導管を利用した供給が基本である。
- 旧筒易ガスやLPガスが経済合理的な場合もあり、導管網がエリア内に完結しているため、域外供給は難しい。
- 電気は全国的な送配電網が整備されており、域外供給が容易である。
卸市場の状況
- ガス市場には卸市場が存在しない。電気には常時バックアップや余剰電源の取引所への全量投入が可能である。
保安規制
- ガス事業者には内管や消費機器に関する保安義務があるが、小売電気事業者にはない。
中小企業の定義
- 中小企業は資本金3億円以下または従業員300人以下 (中小企業基本法) と定義される。
2. これまでの主な取り組み
- LNG基地の第三者開放: 基地「余力」へのアクセスが進んでいる。
- スイッチング環境の整備: スイッチングがしやすい環境の構築が図られた。
3. 今後の競争促進に向けた論点
(1) 違約金の競争制限効果
- 大口顧客に対する長期契約および高額の違約金がスイッチングを防ぐ要因となっている。
- 長期契約は設備投資を促進するが、短期的には需要者の利益を損なう可能性がある。
(2) 卸市場の重要性
- 現状において、ガスの卸市場が存在しないため、LNGの調達は相対交渉に依存している。
- 価格指標がないことが事業の採算性を判断する上で課題である。
卸市場に関連するポイント
| ポイント | 内容 |
|---|
| 新規事業者の卸供給依存 | 旧一般ガス事業者や旧一般電気事業者からの相対交渉に依存。 |
| 価格指標の不在 | 合理的な価格判断が難しい。 |
(3) エネルギー間競争におけるイコール・フッティング
- 同一地域内で、旧一般電気事業者は旧一般ガス事業者の2倍以上のLNGを輸入している。
- 電気とガスの競争環境の構造が異なり、セット供給の際の価格差別が市場支配力に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 新規参入者への影響
- 新規参入者が市場に直ちに参加することが困難であり、特定の卸供給者に依存することで競争の機会が奪われる懸念がある。
4. 課題・リスク
- 競争制限的な取引慣行が業界に存在する可能性があり、エネルギー市場における競争基盤を整えることが重要な課題である。
5. その他の考慮事項
- 公正な競争を確保するための施策が求められており、同様の取引条件の下で旧一般ガス事業者にも卸供給の仕組みを整える必要がある。
本資料は、ガス市場の競争促進について幅広く考察しており、今後の政策検討において重要な示唆を提供している。