資料の目的・背景
本資料は、第113回調整力及び需給バランス評価等に関する委員会の議論を基に、2025年度夏季の広域予備率の状況および今後のシグナルの在り方について整理したものである。特に、広域予備率の低下が生じた理由や追加供給力対策の状況が重点的に報告されている。
主要な検討内容・論点
需給運用における課題
- 2024年度当初の需給運用では、広域予備率の低下や追加供給力対策の頻発などの問題が生じていた。
- 今回の会議では、2025年度夏季の需給運用状況を報告し、広域予備率やそのシグナルとしての方向性を提案するために議論を行う。
市場取引の状況
- 需給調整市場は、2026年度以降は前日市場に移行予定である。
- 各種市場(スポット市場や時間前市場)における需給調整や供給力提供の通知手順に関する情報が示されている。
予備率の算出方法
- 予備率は、一般送配電事業者が想定する需給に対する予備力の割合であり、エリア間の供給力の状況を広域的に表現するものである。
- 低下の要因は、想定需要と実需供給の乖離や供給力調達の不足に起因する。
供給力提供通知の効果
- 各エリアでの供給力の増減を対象とした供給力提供通知の効果が確認された。
- 通知が発信された結果としての供給量の変化は、エリアごとに異なる傾向があることが分かっている(例:東京56%、関西8%の増加)。
重要な数値・データ
各エリアの供給力提供準備通知の状況
| エリア | 提供通知日数(2024) | 提供通知日数(2025) | コマ数(2024) | コマ数(2025) |
|---|
| 北海道 | 7 | 9 | 12 | 36 |
| 東北 | 12 | 12 | 41 | 44 |
| 東京 | 12 | 12 | 50 | 45 |
| 中部 | 11 | 9 | 37 | 42 |
| 関西 | 2 | 7 | 5 | 41 |
追加供給力対策の実発動頻度
| 項目 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 揚水発電機の運用切り替え | 23 | 0 | 10 | 36 | 34 | 34 | 33 | 0 | 33 |
| 安定電源への電気供給指示 | 6 | 5 | 12 | 9 | 8 | 8 | 3 | 1 | 3 |
| 発動指令電源の発動 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
課題・リスク
- 広域予備率の信頼性向上に向けた課題
- 広域予備率の低下要因として、調整力の不足や需給インバランスの発生が挙げられており、対策がなされているが根本的な解決には至っていない。
- 各事業者の行動に依存するシグナルの不明瞭さが指摘されている。
今後の予定・方向性
過不足率の導入検討
- 新たなシグナルとして、供給力の調達状況を示す過不足率の導入が検討されている。
- これにより、小売事業者の需給状況がより明確に表現されることが期待されている。
インバランス料金制度の見直し
- 過不足率に応じたインバランス料金の調整など、需給バランス改善に向けた施策が進められる予定である。
まとめ
本資料では、2025年度夏季の広域予備率の状況と今後のシグナルの在り方について概観した。広域予備率の信頼性向上に向けた取り組みや新たなシグナル導入の検討が行われる中、各事業者の需給調整行動が期待される。今後の会議でのさらなる議論と決定が必要である。