ガス小売市場における競争状況の分析
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が電力・ガス取引監視等委員会向けに作成したもので、ガス小売市場における競争状況を分析し、競争の促進を目的としている。特に、ガスの自由化の経緯や市場構造、新規参入者の状況に焦点を当てている。
日本のガス供給の仕組み
日本のガス供給には以下の3種類が存在する。
-
都市ガス
- LNG基地から導管で供給され、家庭等に供給される。
- 自由化が2017年4月に開始された。
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簡易ガス
- 団地などに設置した簡易なガス発生設備から供給される。
- こちらも自由化が2017年4月に開始された。
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LPガス
- 戸建て住宅などに設置したガスボンベから供給される。
- 元々自由化されている。
ガスの種別需要家規模(平成27年度)
| ガスの種類 | 需要家件数 | ガス販売量 |
|---|
| 都市ガス | 約2,635万件 | 363億m³/年 |
| 簡易ガス | 約117万件 | 1.5億m³/年 |
| LPガス | 約2,450万件 | 68億m³/年 |
ガスの小売自由化の経緯
- 平成7年: 大口需要家向けの自由化開始
- 平成29年4月: 家庭を含む全ての都市ガス利用者が供給元を選択可能になる
自由化と規制部門のシェア
以下の表は、自由化部門と規制部門のガス販売量の割合を示している。
| 年間使用量 | 自由化部門の販売量 | 規制部門の販売量 |
|---|
| 200万m³ | 49% | 51% |
| 100万m³ | 53% | 47% |
| 50万m³ | 57% | 43% |
| 10万m³ | 64% | 36% |
自由化後の市場状況
- 都市ガス市場規模は約2.2兆円(需要家数:約2,600万件)で、競争が期待される。
- 合計約5兆円の市場において、コスト低廉化と消費者利便性の向上が見込まれる。
新規参入者の状況
- 登録状況: 経済産業省では2016年8月から小売の事前登録を受け付け、56社が登録済み。そのうち19社は家庭へ供給予定(2018年5月時点)。
新規参入者の販売量・契約件数(2018年1月時点)
- 新規参入者の契約件数は約58万件。
- 販売量も堅調に推移している。
新規参入者のシェア推移
- 2018年1月時点の新規参入者の全販売量における割合は10.5%。
- 家庭用に関しては**2.3%**であり、商業用や工業用でも増加傾向を示している。
スイッチング状況
- 2018年1月時点で累積スイッチング件数は約134万件、累積スイッチング割合は9.7%。
- スイッチングの73%はインターナルスイッチング(規制料金から自由料金への切り替え)である。
課題・リスク
- スイッチング業務フロー等の標準化が不十分で、業務コストの増加を招いている。
- 各導管事業者により業務フローやフォーマットが異なるため、新規参入者の負担が大きい。
今後の方針
- スイッチング環境等の整備を進める目的で、ガス導管事業者の標準化に向けた取り組みが必要である。
- 各導管事業者のスイッチング業務フローについての標準化が求められている。