電力及びガス市場における取引の適正化に関する資料
1. 資料の目的・背景
本資料は、電力及びガスの小売市場における取引の適正化を図るための検討を目的としている。独占禁止法や消費者関係法制に基づく既存の規制に加え、電力事業法やガス事業法に基づく措置も模索されている。
主要論点
- 適正な取引を確保する手段としての個別事業法に基づく規制の必要性。
- **「適正取引ガイドライン」**による相場操縦やインサイダー取引の禁止。
- 電力・ガス取引監視等委員会による事業者及び経済産業大臣への勧告の可能性。
2. 検討すべき問題点
事務局は新規参入した30社以上の事業者に対して取引慣行の調査を実施した。その結果、市場支配的事業者による以下の行為が競争を促進する上での課題として懸念されている。
具体的な課題の例
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差別対価・不当廉売
- 特に新規参入者に対し特別に安価な料金を提示する行為。
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違約金の賦課
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部分供給
- 旧一般電気事業者が新電力の顧客に対し、全量供給の際のみ値下げを行う行為。
3. 検討の視点
以下の視点が重要である。
4. 各問題点に関する整理検討
1. 差別対価・不当廉売
- 現行の適正取引ガイドラインに不当廉売に関する指針が存在するが、具体的な費用基準が明示されていない。
- 調査結果では、新電力に対して低価格で営業する事例が見られ、競争環境の悪化が懸念されている。
2. 違約金
- 高額な違約金が競争を阻害する可能性が示されている。
- 調査では、大規模な違約金が顧客のスイッチングを妨げる恐れがある。
3. 部分供給
- 旧一般電気事業者による不当な部分供給料金設定が問題とされている。
5. 重要な数値・データ
| 課題 | 具体的な事例 | 懸念される影響 |
|---|
| 差別対価 | 特定顧客に対し安価な料金を提示 | 新規参入者の事業継続困難 |
| 不当廉売 | 固定費をほとんど計上しない営業活動 | 競争者を排除する恐れ |
| 違約金 | 非常に高額な違約金の設定 | 他事業者へのスイッチング難航 |
| 部分供給 | 全量供給のみで値下げ | 新規事業者への障害 |
6. 今後の予定
今後の規制見直しが求められる。特に市場支配的事業者の行為が競争を阻害するか否かの慎重な検討が必要であり、新たな市場枠組みの整備に合わせた制度改正やガイドラインの見直しが期待される。
7. 既存事業者に関する指摘と検討の方向性
1. 既存事業者等の指摘
- 顧客に対して正当な理由なく高い料金を設定したり、不利な料金体系を提供していないとの主張がある。
2. 検討の方向性(案)
- 市場支配的事業者が部分供給を廃止する場合の割引提供が競争を阻害する可能性があるとされている。
3. 関連サービスの取り扱い
- 新規参入者の契約切り替え時に関連サービスの料金を不当に引き上げる行為が考えられ、顧客の行動を阻害する。
4. セット割引に関する考え方
- 割引総額帰属テストの提案がなされており、これにより不当な競争制限行為の判断基準が設けられる。
5. 包括営業に関する検討
- 違約金があることで契約が長期化し、スイッチングが困難になる状況が生じる可能性がある。
本資料は、電力及びガス市場における競争を促進するための課題と対策を示したものであり、今後の規制整備において重要な基礎資料となる。