長期脱炭素電源オークションにおける他市場収益の監視に関する検討会資料
資料の目的と背景
本資料は、経済産業省が作成した「長期脱炭素電源オークションにおける他市場収益の監視に関する検討会」に向けたものである。2025年5月30日に開催される第1回検討会において、他市場収益の監視の在り方について検討することを目的としている。
検討会の主要な目的
検討会には以下のような目的が設定されている。
- 他市場収益の監視: 脱炭素電源オークションにおける他市場収益を適切に監視すること。
- 透明性と合理性の確保: 監視プロセスの透明性および合理性を確保すること。
他市場収益の監視の概要
- 長期脱炭素電源オークションでは、落札事業者は他市場収益の約9割を電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」)へ還付する義務がある。
- 監視等委員会(以下「監視等委」)は、他市場収益を不当に低く算出したり、可変費を高く設定したりすることによる還付回避を監視する必要がある。
「ガイドラインでは、他市場収益を他市場収入と可変費の差分として定義している。」
具体的な監視作業
- 他市場収入には市場での販売だけでなく、相対契約に基づく収入も考慮しなければならない。
- 相対契約は、その契約内容が「無差別規律」または「市場価格規律」を満たす必要がある。
主要論点
(1) 市場価格規律の監視に関する例外
- 市場価格規律は、相対契約の価格が市場価格より不当に低くないことを求める。ただし、例外的に低価格を認める必要があるかの検討が求められる。
(2) 無差別規律の監視方針
- 落札事業者の小売部門の存在に応じて無差別性を評価する必要がある。
- 社外・グループ外の取引条件についての無差別性評価も重要である。
(3) 可変費の監視
- 可変費は発電量に応じて変動する費用であり、特に以下の費目が挙げられる。
| 項目 | 具体例 |
|---|
| 燃料費 | 燃料及び廃棄物処理費 |
| 購入電力料 | 事業税収入割 |
| 消耗品費 | 需給調整市場ペナルティ等 |
- 他の落札事業者の案件と比較し、高額であるかを確認することが求められる。
(4) 監視結果のフロー
-
監視プロセス
- 監視後、監視等委が広域機関に報告
- 報告内容に基づいて広域機関が還付金を支払う
-
異議申立てのプロセス
- 監視結果を落札事業者に通知し、異議を申し立てるプロセスを設けることで透明性を確保する。
(5) 相対契約の監視フロー
- 相対契約時に契約内容が規律を満たしているかを監視し、その結果を落札事業者に通知する。
結論と今後の予定
この検討会では、他市場収益の監視に関する具体的な方向性を確定し、落札事業者が遵守すべきフローや規律を明確化することが求められる。
自由記載: 可変費に該当する費目と判断基準
可変費に該当する費目一覧
以下の表に示すように、各費目が可変費に該当するかどうかの判断基準が記載されている。
| # | 費目 | 可変費に該当するか | 判断例 | 理由 |
|---|
| 1 | 容量拡出金を含む電気料金従量料金部分 | 該当する | kWhを生み出すため又は生み出したことによって発生する費用に該当 | kWhを生み出すため又は生み出したことによって発生する費用に該当 |
| 2 | 託送料金従量料金部分 | 該当する | kWhを生み出すため又は生み出したことによって発生する費用に該当 | kWhを生み出すため又は生み出したことによって発生する費用に該当 |
| 3 | 機器消耗消耗品費等 | 該当する | 消耗品費可変費部分については kWhを生み出すためまたは生み出したことによって発生する費用に該当 | 消耗品費可変費部分については kWhを生み出すため又は生み出したことによって発生する費用に該当 |
| ... | ... | ... | ... | ... |
注意: 実際の監視においては、発電量に応じて可変的に発生する費用であるかを確認する必要がある。
可変費に該当しない費目一覧
次に、可変費に該当しない費目についても記載されている。
| # | 費目 | 可変費に該当するか | 理由 |
|---|
| 24 | 機器消耗修繕費 | 該当しない | 修繕費は応札価格に織り込む固定費であるため可変費として認められない |
| 25 | 発電側課金kW課金 | 該当しない | 応札価格に含めることとし差分を可変費に織り込むことは認められない |
| 26 | 廃棄物の処理処分費 | 該当しない | 固定費として応札価格に算入しているため可変費としては認められない |
| ... | ... | ... | ... |
| 32 | 排出量取引制度GX-ETSにおける発電負担金 | 今後検討 | 当該制度自体が未確定のため確定後検討する必要 |
上記の内容もあくまで例示であり、確認が必要である。