電力小売市場における「取戻し営業」等への対応に関する論点について(案)
資料の概要
- 旧一般電気事業者が非常に安価な小売供給を行い、特に新電力に対する「取戻し営業」が指摘されている。
- 競争の激しい地域とそうでない地域で固定費負担に差があり、新電力の競争環境が厳しい状況である。
- スイッチング情報の利用が「取戻し営業」の契機となる懸念があり、適切な規制の必要性が検討されている。
- 旧一般電気事業者の安価な供給が需給バランスに与える影響について、引き続き注視が求められている。
電力小売市場における「取戻し営業」等への対応に関する論点
1. はじめに
- 制度設計専門会合において、「取戻し営業」に関連する議論が行われている。
- 新電力による対抗が困難な価格で旧一般電気事業者が小売供給を行っている事例について考察が求められている。
- 旧一般電気事業者の小売部門と発電部門が垂直統合され、会計分離が行われていないため、多くの事例の検証が困難である。
2. 問題の所在
- 一部地域では、旧一般電気事業者が非常に安価な小売供給を提案し、需要家との契約を締結する事例が多数発生している。
- 特に、新電力の営業活動に対してスイッチングの意思表示を行った顧客に対する「取戻し営業」が指摘されている。
- 具体的な価格例:
- 小売価格が5~7円/kWh
- 割引率が**20~30%**以上
- 新電力が高圧でシェアを伸ばしている事実も、規制の要否検討で考慮すべき点である。
3. 小売市場の新規参入者(新電力)からの指摘
- 旧一般電気事業者は、原子力や水力などの安価な電源に依存しているが、新電力はそれらにアクセスできず、自ら建設することも難しい状況にある。
- 競争の激しい地域とそうでない地域での固定費負担の差異が問題視されている。
4. 競争政策の観点
(1) 取戻し営業等の際の価格差別
- 競争状況や需要者の交渉力に応じて小売価格に違いが生じることは、営利事業として問題ないと考えられている。
- 電源アクセスの不均衡が影響し、特定顧客に対する安価な供給が新電力の獲得を困難にしている。
- 過剰な安価供給が不当廉売と評価されるべきかに関する議論も存在する。
(2) 取戻し等のための価格差別の契機
- スイッチング情報が現小売に伝達されるシステムが、「取戻し営業」の契機となるとの指摘があり、情報の目的外利用についての懸念が表明されている。
- スイッチングによる違約金の説明を許容することが妥当かどうかも検討が必要である。
5. まとめ
- 旧一般電気事業者の安価な小売供給が需給バランスや競争環境に与える影響について、引き続き注視が求められる。
- 需要者の短期的利益追求と中長期的な競争環境の確保のバランスを考慮することが重要である。
6. 今後の方針
- 規制の要否や新ルール設計の際には、問題事例の広がりを適切に考慮しなければならない。