ガス事業における競争環境の整理
資料の目的
本資料は、ガス事業における競争環境を電気事業と比較し、今後の競争促進に向けた論点を整理したものである。
ガス事業の競争環境
特徴
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供給方法:
- ガス事業は主に導管を利用して供給される。
- 旧簡易ガスやLPガス供給が経済的に合理的な場合もあり、導管網がエリア内で完結しているため、域外供給は難しい。
- 電気は全国的な送配電網を持ち、域外供給が容易である。
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市場の状況:
- ガス事業には卸市場が存在せず、電気事業は常時バックアップや余剰電源の取引所への全量投入が行われている。
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保安規制:
- ガス事業者には内管や消費機器に関する保安義務が課されているが、小売電気事業者にはその義務がない。
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既存事業者の構成:
- ガス事業には中小企業が多数存在し、私営都市ガス事業者177社中164社が中小企業である。
これまでの取り組み
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LNG基地の第三者開放:
- 基地の**「余力」**へのアクセスが進められている。
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スイッチング環境の整備:
今後の競争促進に向けた論点
違約金の影響
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競争制限効果:
- 大口顧客を対象とした長期契約(10年超)による高額な違約金が、新規小売事業者のスイッチングを妨げる要因となっている。
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長期契約の利点とリスク:
- 設備投資の促進や取引コストの低減が期待されるが、市場閉鎖の可能性があり新規参入を阻害する懸念もある。
卸市場の重要性
- 現在、ガスの卸市場が存在しないため、新規参入者は事業開始時に価格指標がない中で、旧一般ガス事業者やその他企業との相対交渉に依存している。
- 新生事業者への卸供給事例も報告されている。
ガス取引における課題
- 新規参入者がガスを調達するニーズがあるが、供給量を直ちに開拓することは容易ではない。
- ガス小売事業者との卸取引を拒否することは、独占禁止法上の問題を引き起こす可能性がある。
競争法適用指針
- 新規参入者に対するガス卸供給は、公正な競争の確保に寄与し、制限される行為は法律上問題となる可能性がある。
結論
ガス事業における競争促進には、以下の点が重要である。
- 卸市場の設立
- 長期契約の見直し
- 違約金の競争制限的な影響の考慮
これらの取り組みにより新規参入者の健全な競争環境を整備することが求められている。