ガス市場における競争促進に関する考察
本資料は、ガス市場における競争促進に関する論点を検討したものであり、平成30年5月15日に作成された。ガス事業と電気事業の対比を通じて、競争環境の現状と今後の課題が示された。
1. ガス事業における競争環境の特徴
供給形態
- 導管による供給: 導管を利用した供給が一般的である。
- 旧簡易ガスやLPガス: 経済合理性がある場合に供給方法として利用可能。
- 域外供給の困難性: 導管網がエリア内で完結しているため、域外への供給は難しい。
市場構造
- 卸市場の不在: ガスの卸市場が存在せず、需給の調整が課題。
- 保安義務: ガス事業者に保安義務が課されているが、小売電気事業者には適用されない。
2. これまでの主な取り組み
- LNG基地の第三者開放: 基地の利用余力へのアクセスを促進した。
- スイッチング環境の整備: 顧客が他の事業者にスイッチしやすくする取り組みを進めた。
3. 今後の競争促進に向けた論点
(1) 違約金の競争制限効果
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長期契約の影響:
- 大口顧客に高額の違約金を課すことで、スイッチングが抑制されている。
- 需要者の厚生に寄与する側面がある一方で、中長期的には市場競争を阻害する可能性がある。
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指摘事項:
- 新規参入者の離脱が需要に与える影響や、スイッチング制限の独占禁止法上の懸念が指摘されている。
(2) 卸市場の重要性
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現状:
- ガスの卸市場が存在しないため、新規参入者は既存事業者との交渉に依存せざるを得ない。
- 価格指標が欠如しており、採算性の判断が困難である。
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卸供給に関する指摘:
4. エネルギー間競争におけるイコール・フッティング
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競争の現状:
- 電気事業者がガス事業を展開する総合エネルギー企業化が進行中。
- 特定顧客に対する柔軟な価格設定が競争排除につながる懸念がある。
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提案事項:
- エネルギー市場全体での市場支配力の観点から、競争制限的な取引慣行の見直しが求められる。
5. 結論
ガス市場は競争が制限される要素が多く、新規参入者が直面する多くの課題が存在する。今後は競争環境を改善するために、卸市場の創設や違約金に関する規制の見直しといった具体的な対策が必要である。