資料の目的・背景
本資料は、経過措置解除基準の考え方について、2018年6月22日に電力広域的運営推進機関が作成したものである。特に、再生可能エネルギーの導入を進める中で、電力供給力や調整力を低コストで確保・活用する仕組みの必要性について検討が行われている。
広域機関の取組と検討内容
供給力の確保に向けた課題
広域機関は以下の新たな課題に優先的に取り組んでいる:
現状と懸念される課題
- 省エネの推進により電力需要が減少または横這い
- 再生可能エネルギーの大量導入に伴い、電源接続ニーズが偏在・増大
- 広域メリットオーダーの実施によって、調整電源(火力発電等)の稼働率が低下
- 送配電設備のコスト上昇
- 調整力の減少(設備の高経年化、新増設の減少)
経過措置解除基準の考え方
解除基準の要素
検討中の解除基準としては以下が挙げられている:
- 十分な供給余力の存在
- 地域における供給予備力の水準が重要であるが、安定供給確保の観点からは最低限必要とされる8%の実現が難しい。
スイッチングに関連する要素
- 消費者の電気スイッチングに対する関心(認識可能な事業者数、満足度)
- 市場支配的事業者の存在と競争圧力の状況
- 競争の持続的確保と環境
- スイッチングを促進する競争基盤の構築状況(スマートメーターの普及度、手続きの容易性)
容量市場の概要
背景
小売全面自由化以降、卸電力市場の取引拡大およびFIT制度による再エネの導入が進められているが、その結果、電源投資の予見性が低下し、供給力・調整力の確保が困難になっている。
容量市場の目的
- 電気のピーク時に確実に供給できる能力(kW)を確保
- 発電事業者に一定の費用を支払い、投資回収の予見性を高める
スケジュールイメージ
| 年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|
| 取引開始 | ★ | - | - | - | - | - | - |
| 容量契約発効 | - | - | ★ | - | - | - | - |
今後の課題
- 容量市場導入前に需給ひっ迫が生じる危険性がある。
- 自由化後の供給予備力の水準が年々低下する可能性があるため、より高い水準が必要とされる。
まとめ
再生可能エネルギーの拡大に伴う供給力の確保や経過措置解除基準の策定において、十分な供給余力の存在を維持しつつ、消費者のスイッチング環境の整備や容量市場の設計が重要となっている。今後、さらなる検討が必要である。