ガス小売市場に関する分析資料
資料の目的・背景
経済産業省の資料は、ガス小売市場における競争状況についての分析を目的としている。具体的には、ガス小売の自由化の経緯、競争状況、新規参入者に関するデータを提示することで、消費者にとっての選択肢の増加や市場全体の競争促進を図る。
日本のガス供給の仕組み
日本のガス供給は以下の3種類に分類される。
- 都市ガス
- 簡易ガス
- 団地などの簡易設備から導管で供給される(自由化:昨年4月)
- LPガス
ガス供給のイメージ図
- 都市ガスの供給: LNG基地 → 導管 → 消費者
- 簡易ガスの供給: ガス発生設備 → 導管 → 消費者
- LPガスの供給: LPG基地 → タンクローリー → ガスボンベ → 導管
ガスの小売自由化の経緯
ガスの自由化は以下の段階で進展した。
- 平成7年: 大口対象の部分自由化開始
- 昨年4月: 家庭を含む全ての都市ガス利用者が供給元を選択可能に
年間使用量と自由化部門の割合
| 区分 | 大口 | 小口 |
|---|
| 平成7年〜 | 49% | 50% |
| 平成29年〜 | 0% | 64% (小規模工場等) |
自由化による市場の影響
自由化により都市ガス会社の独占市場が約2.2兆円開放されることが見込まれている。これにより、合計約5兆円のガス市場において以下のことが期待される。
小売事業者の登録状況
- 経済産業省は2016年8月から小売の事前登録を受け付け、56社が登録された。
- 新規事業者の中から一般家庭への供給が予定されているのは19社である。
主要な登録事業者一覧
- 電気事業者:6社
- 旧大口ガス事業者:20社
- LPガス事業者:9社
新規参入者の販売量・契約件数
- 2018年1月末時点で、契約件数は約58万件である。
- 新規参入者の販売量は堅調に推移している。
契約件数・販売量の推移グラフ
スイッチング業務の現状
スイッチングスキームの標準化が求められているが、各導管事業者で手続きのフローやフォーマットが異なり、新規参入者にとっては業務コスト増加の要因となっている。
課題
- スイッチング手続きに関するフォーマットの多様性
- 情報共有手段の不備
- 要求情報の過剰
課題解決に向けた今後の方針
- スイッチング業務のフローやフォーマットの標準化を進め、効率的な業務運営を促進する。
LNG基地の第三者利用制度
ガス事業法に基づき、LNG基地の第三者利用の原則が定められている。
基本要件
- 同一条件同一料金: 利用条件が同一であれば、同等の料金を適用する。
利用を拒否できる正当な理由
以下の3つの理由に該当する場合、第三者利用の拒否が認められる。
- 基地の使用に支障をきたす場合
- LNGの品質が著しく異なる場合
- 災害等による保安上の理由がある場合
経過措置料金規制の解除について
競争状況の確認に基づき、特定の事業者に対して料金規制の解除が行われている。
指定解除基準
- ガス利用率が50%以下などの条件を満たす必要がある。
| 所管 | 事業者 | 指定解除基準 |
|---|
| 東北 | 仙南ガス | 満たす |
| 関東 | 京葉ガス | 満たさない |
| 近畿 | 河内長野ガス | 満たす |
結論
ガス市場の自由化により、新たな競争が生まれ、消費者にとって利便性が向上する可能性がある。しかし、スイッチング業務の整備や新規参加者の参入を妨げる課題も存在しており、これらの改善が求められる。