目的・背景
本資料は、2025年度に実施される「長期脱炭素電源オークション」の募集要綱案についての意見募集を目的としている。このオークションは、脱炭素に向けた重要な取り組みとして位置づけられ、政府の審議会にて検討が進行中である。今後の意見募集では、募集要綱案や容量確保契約約款の内容が扱われる予定である。
目次
- はじめに
- 本オークション募集要綱案および約款案の主なポイント
- 今後のスケジュール
はじめに
- 本資料は、2025年度の長期脱炭素電源オークションに向けた基本的な制度案について説明している。
- 意見募集は、国の審議会の検討を反映した上で行われる。
- 本日は、オークション募集要綱案と容量確保契約約款案の主なポイントについて報告する。
本オークション募集要綱案および約款案の主なポイント
主な変更点
概要
| 主な反映事項 | 募集要綱(上段)・約款(下段)の反映箇所 |
|---|
| CCS付火力 | 既設火力(LNG・石炭)のCCS化を対象に追加。年間CO2貯蔵率を新たに設定し、貯蔵率を下回る場合はペナルティ。 |
| LDES | 揚水・蓄電池同様の機能を持つ新設・リプレース案件を追加。 |
| 上限価格水素・アンモニア・CCS以外 | 上限価格を「10万円/kW/年」から「20万円/kW/年」に引き上げ。 |
| 水素・アンモニア・CCS | 上限価格の閾値を撤廃し、導入可能な水準に引き上げる。 |
調整機能および事業規律の強化
| 主な反映事項 | 募集要綱(上段)・約款(下段)の反映箇所 |
|---|
| 具備すべき調整機能の変更 | 揚水のグリッドコードを参照し改訂。蓄電池も同様に。 |
| 蓄電池の事業規律の強化 | サイバーセキュリティの確保として、JC-STARラベリング制度の取得を要件化。 |
落札価格および費用増加への対応
| 主な反映事項 | 募集要綱(上段)・約款(下段)の反映箇所 |
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| 落札価格の補正 | インフレ、金利等への対応として、自動補正の選択制を設定。 |
| 事後的な費用増加への対応 | 運営中に法令基準等により発生する追加費用について、監査の後に反映可能。 |
脱炭素電源の募集量と上限
| 主な反映事項 | 募集要綱(上段)・約款(下段)の反映箇所 |
|---|
| 脱炭素電源の募集量 | 第2回オークションに匹敵する500万kWとする。 |
| 募集の上限 | 水素・アンモニア・CCSの上限を50万kWに、蓄電池・揚水・LDESの上限を80万kWに減少。 |
今後のスケジュール
- 今後は、意見募集に基づいて制度の具体化を進める予定である。
- 特に、オークションの詳細な運用内容や新たな制度改革については随時発表される見込みである。
募集上限について
第3回入札の募集上限
- 第2回入札では、落札容量が315万kWとなり、募集上限の200万kWを大きく上回った経緯がある。
- このため、第3回入札の募集上限を150万kWに減少させる提案がある。
第3回入札の脱炭素電源の募集量
| 発電種別 | 募集上限 |
|---|
| 脱炭素火力 | 50万kW |
| 蓄電・揚水・LDES | 80万kW* |
| 既設原発の安全対策投資 | 150万kW |
| 合計 | 500万kW |
*揚水(リフレス)・リチウムイオン蓄電池の募集上限は40万kW。
募集要綱の変更点
参加登録した事業者の電源等要件
| 容量を提供する電源等の区分 | 電源等要件 |
|---|
| 脱炭素電源 | 安定電源 - 既設の火力電源をアンモニア混焼または水素混焼するための改修。 |
| 容量を提供する電源等の区分 | 電源等要件 |
|---|
| 脱炭素電源 | 安定電源 - 既設の火力電源をCCS付き火力に改修し、CO2の回収率が特定の条件を達成することが求められる。 |
CO2貯蔵率の達成について
| 条件 | 年間最低CO2貯蔵率 |
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| 年間設備利用率が40%以下の場合 | 70% |
| 年間設備利用率が40%を超える場合 | ((2,800 / (年間設備利用率 \times 100)))% |
プロセスおよび今後のスケジュール
募集要綱および約款に係るスケジュール
| 日付 | スケジュール |
|---|
| 本日 | 募集要綱案および約款案の提示 |
| 7月予定 | 意見募集の実施 |
| 8月 | 意見募集結果を踏まえた対応 |
| 9月予定 | 募集要綱および約款の策定公表 |
2025年度のオークションのスケジュール概要
- 参加登録: 2025年10月頃開始予定。
- 応札時期: 2026年1月予定。
各日程
| 月 | 内容 |
|---|
| 10月 | 参加登録 |
| 1月 | 応札 |
| 2月以降 | 約定処理監視期間の実施 |
出発点としてのスケジュールは確定前の目安であり、今後の状況に応じて変更がある。
本資料は、長期的な脱炭素社会の実現を目指したオークションの実施に向けた重要な検討を示すものであり、国民からの意見も反映されることにより、より良い制度作りが進められることが期待される。