この回で示されたこと
- 小売事業者に想定需要のkWhを確保させる案として、実需給3年前(N-3)に5割、1年前(N-1)に7割を求める基本案が示された。過去3年平均の販売電力量が5億kWh未満の事業者には、運用開始後の一定期間、N-3で2.5割、N-1で5割とする軽減案がある。2030年度供給計画(2029年度提出)から履行状況を確認することを目標に検討中である。資料1
- 広域機関の需給シナリオでは、2050年需要を9,500億〜12,500億kWhと設定し、需要最大かつ原子力・火力のリプレースが進まない場合、厳しい需給断面で8,900万kW不足する可能性が示された。LNG長期契約比率は2018年度81%、2022年度61%、2023年度67%であり、国は事業者へのヒアリングを始めている。資料1
- 電源・系統投資の資金調達では、民間資金の活用を基本に、公的な信用補完や政府の信用力を用いた融資で民間金融を量的に補完する方策を検討する方向が示された。大規模系統整備では、工事着工段階からの託送料金回収や建設仮勘定の事業報酬上の扱いを検討する一方、対象・割合や費用上振れ時の扱いは未確定である。資料1
- スポット市場と需給調整市場で電力(kWh)と調整力(ΔkW)を同時に約定する「同時市場」は、導入決定ではなく検討中である。2025年秋に第二次中間取りまとめ案を作成し、導入提案の骨子案として小委員会・WGに報告する予定が示された。資料1
- 欧州の電源投資支援例として、収入安定化のCfD・PPAと、建設期の国家融資・政府系ファンド等を組み合わせる施策が紹介された。フランスのEPR2では建設費の少なくとも半分を国家融資で支援する方針、英国のSizewell Cでは建設中の料金回収を認めるRABが示された。資料2
- 電力産業の人材・サプライチェーンについて、送電の高所作業員は2010年度6,021人から2024年度5,569人に減少し、地中ケーブル接続や配電施工管理には長期の育成が必要と報告された。ケーブルの品薄、変圧器・遮断器の納期長期化、物流力低下も課題である。電気事業者側からは、国が原子力・火力・水力の開発・建設目標量を示すことや、DX等による合理化を反映する規制緩和が提案されたが、決定事項ではない。資料3資料4資料5
前回からの変化
- 前回示された大規模投資の資金調達・系統費用回収の検討に、民間資金を基本としつつ公的信用補完等で民間金融を補完する方向と、金融機関ヒアリングの結果が加わった。着工段階での回収については、対象・割合や費用上振れ時の扱いが設計課題として示された。資料1
- 前回は小売事業者の供給責任が主要論点として示されたが、今回はkWh確保についてN-3で5割、N-1で7割とする基本案と、小規模事業者向けの軽減案が提示された。資料1
- 前回から検討中の同時市場について、2025年秋に第二次中間取りまとめ案を作成し、小委員会・WGに導入提案の骨子案を報告する予定が示された。導入自体は未決定である。資料1
- 前回は人材・技術・サプライチェーンの強化が方向性として示された。今回は送電工事の作業員数の推移や機器の納期長期化、育成に要する期間など、工種別の課題が具体的に示された。資料3資料5
今後の予定・残った論点
- 小売事業者のkWh確保義務について、適用の詳細、公平性、容量拠出金との調整、遵守方法を引き続き検討し、2030年度供給計画から履行状況を確認することを目指す。資料1
- 同時市場の費用対効果、既存市場で可能な改善、事業者の運用裁量、システム準備期間を検討し、2025年秋に第二次中間取りまとめ案を作成する予定である。資料1
- 需給シナリオではエリア別の検討、データセンター需要の把握、他計画との関係整理を進める。LNGについては事業者ヒアリングで調達量の見通し等を確認し、必要な政策措置の要否を検討する。資料1
- 本小委では、事業連携・多角化を妨げる制度上の障壁や、発電・送電・配電の人材・サプライチェーン確保に向けた協調・競争の範囲、施策の優先順位を議論する。資料3
この回の資料の要約から AI が作成したダイジェストです(作成)。「資料N」は根拠にした資料で、押すと下の一覧の N 番目の資料へ移動します。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
この回の資料と要約
- 1
電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WGの進捗について
- 制度設計WGは、安定供給を前提に脱炭素化・需要増へ対応するため、電源・系統投資、燃料、小売供給力、市場制度を一体で検討中である。 - 電源・系統投資では、政府信用を活用した融資等による民間金融の補完や、系統整備費用の前倒し回収を検討するが、負担や制度の詳細は未確定である。 - 小売のkWh確保は、N-3で想定需要の5割、N-1で7割を求める案が軸で、小規模事業者には一定期間の軽減案がある。中長期取引市場も価格指標形成と安定調達に向け、設計を継続する。 - kWhと調整力を同時に約定する同時市場は検討中で、2025年秋に骨子案をまとめる予定である。導入の可否や詳細は今後の議論に委ねられている。
- 2
欧州における電力政策概観及び電源投資促進施策の状況について
- 欧州の脱炭素電源投資は、価格変動・採算性低下と建設費増による資金繰り悪化に直面し、各国等はCfD・PPA・RABと国家融資や政府系ファンドを組み合わせて対応している。 - EUは脱炭素目標を維持しつつ経済性・安全保障の比重を高め、双方向CfDの活用方針やPPAの契約・保証環境整備を進めている。 - フランスはPPE改定案で再エネ拡大と原子力活用を並行し、EPR2への国家融資を方針化、CfD条件は調整中である。 - 英国は2030年クリーン電力100%を目標にNWF・GBE、CfD・RAB等で投資を促し、ノルウェー・スウェーデン・チェコも大型電源に融資等と双方向CfDを組み合わせている。
- 3
次世代の電力産業の在り方と政策の方向性について
- 電力システム改革の成果である選択・競争を生かしつつ、安定供給・脱炭素化・安定的な価格を実現するため、制度課題と電力産業の役割を並行して検討する段階である。具体策は未決定である。 - 産業界の主な課題認識は電力価格上昇、脱炭素化不足、安定供給量不足であり、電力・ガス上場企業ではROE・PBRが低い企業群が多いと資料は示す。 - 垂直・水平連携や多角化は、投資予見性、調達力、人材確保、収益力向上につながる事業展開例として提示され、制度上の障壁や企業価値との連動が議論対象である。 - 人材・サプライチェーンでは施工力、採用・定着、物流、国内製造基盤などが課題として挙がり、発電・送電・配電を中心に協調領域、DX、他業種連携、優先順位を今後検討する。
- 4
電気事業における人材・技術・サプライチェーン
- 電気事業連合会は、労働人口減少、原子力の長期停止、火力の将来不透明化などにより、人材・技術・サプライチェーンの維持が課題になっていると報告する。 - 原子力停止の影響として「技術力の維持・継承」を挙げる回答は2024年度65件で、2020年度の59件から増加した。 - 事業者は教育・研究支援、AI等による業務効率化、製造中止品の管理に取り組んでいる。 - 国に対し、電源の開発・建設目標の明示、投資環境整備、DXによる合理化を反映できる規制・制度の見直しを提案している。
- 5
送配電事業における人材・サプライチェーンの現状と課題
- 送配電設備の更新やデータセンター接続で工事量が増える見通しに対し、少子高齢化で作業員が減少・高齢化し、施工力確保と技術継承が課題である。 - 架空・地中送電、変電、配電はいずれも専門技能を要し、地中接続や配電施工管理などでは育成に長期間を要する。 - ケーブルの品薄、変圧器・遮断器の納期長期化、物流力低下が調達・復旧上の懸念として示されている。 - 採用PR、外国籍人材育成、DX、省力化、予報発注、予備品確保などを実施中であり、資料はさらなる取組の必要性を示すが、新たな制度・目標の決定は記載していない。
要約は AI が作成したものです。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会
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