経済産業省「GX需要創出に向けた研究会」中間とりまとめ資料の概要
2026年7月に公開されたこの資料では、GX(グリーントランスフォーメーション)に関連する重要な政策の見直しが示されている。以下に、主要な検討内容および決定事項をまとめる。
1. GX率先実行宣言の見直し
基本的考え方
- 成長志向型カーボンブライシング構想に基づき、GX投資の進展とGX製品・サービスの供給拡大を図る。
- 初期需要の創出には企業の積極的なGX製品調達が不可欠であり、取り組みの結果を見える化・評価する必要がある。
見直しの趣旨
- 初期需要の創出に貢献する企業に対し、プラチナグレードという新たな評価システムを導入。
- 従来の目標を上回る調達目標を掲げた場合に付与される。
- 製品ごとの評価基準を導入し、無目標製品も調達割合で評価。
2. エネルギー安全保障に関する議論
- GXは、「エネルギー安定供給・経済成長・脱炭素」の三つの目標を同時に追求。
- エネルギー危機が顕在化する中で、GX分野への「危機管理投資」加速のための取り組み強化が必要。
3. GX率先実行宣言のアップデート内容
次の6つのポイントについてのアップデートが実施される。
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宣言対象
- 調達側視点でGX製品・サービスを明確化しリスト化。
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初期需要創出策の明確化
- 投資によるGX製品供給拡大と関連のある製品への対象拡大。
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宣言グレードの見直し
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ポジティブリストの関連付け
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取得グレードの公表方法改良
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フォローアップ実施
4. 現在のGX率先実行宣言の対象製品
現在のGX率先実行宣言の対象製品は以下のとおりである。
| 分類 | 対象製品・サービス |
|---|
| GX財源 | 電気自動車、グリーンスチール、グリーンケミカル、SAF、水素、アンモニア |
| GI基金支援対象技術 | 洋上風力発電の低コスト化、次世代型太陽電池の開発、大規模水素サプライチェーンの構築 |
宣言の実施状況
現在、64社が宣言を実施しており、主な宣言内容は以下の通りである。
| GX製品 | 宣言内容内訳 |
|---|
| 電気自動車 | 22% |
| 次世代型太陽電池 | 15% |
| 水素 | 13% |
| グリーンスチール | 10% |
| その他 | 40% |
5. 削減実績量に関するガイドライン
2026年3月に策定されたGHG削減実績量手法に関するガイドラインでは、多排出産業におけるGX投資効果を評価する基準が示されている。
6. 製品リストと活用基準
製品・サービスの活用基準は、以下のA、B、Cの基準を用いて分類される。
対象製品リスト
| 用途 | GX製品サービス | 該当制度事業 |
|---|
| 水素 | 水素社会推進法 GI基金 | A |
| アンモニア¹ | 水素社会推進法 | A |
| 合成燃料(バイオ燃料を含む)¹ | 水素社会推進法 | A³ |
| 合成メタン | 水素社会推進法 GI基金 | A |
| グリーンLPガス | GI基金 | B or C |
¹ 水素社会推進法第2条第1項に適合するもの
³ 海運適用以外は別途検討
業種別ポジティブリスト
| 業種 | GX製品サービス |
|---|
| 農林業 | 水素、アンモニア、合成燃料(バイオ燃料を含む)、グリーンLPガス |
| 紙パルプ | 水素、アンモニア、合成燃料(バイオ燃料を含む) |
| 鉄鋼 | 水素、アンモニア、ペロブスカイト型太陽電池を用いた発電電力 |
7. 宣言製品単位での公表
公表方法の見直し
プラチナグレードを取得した企業は、宣言した製品とその関連内容をGX推進機構のHPに公表し、自社HP等でその取り組み状況を開示することが求められる。
目標年度の設定
- 目標年度:2030年
- 取り組む内容:
- 水素による5%以上の調達
- 排出削減目標は**30%**と設定。
8. フォローアップと検証
定期的な進捗状況のフォローアップ
- 年に1回、プラチナグレード取得企業からの取り組み状況をGX推進機構HPで開示し、ヒアリングを実施する。
- 未回答や未実行の場合、プラチナグレードの取り下げや取消しを検討。
9. 今後のスケジュール
- 秋頃:見直し後のGX率先実行宣言の募集・認定を開始予定。
- 説明会が実施され、企業の状況に応じた柔軟な対応が求められる。
以上が、経済産業省の「GX需要創出に向けた研究会」に関する中間とりまとめの概要である。