電力・ガス取引監視等委員会に関する事務局提出資料(2021年3月31日)
資料の概要
この資料は、2021年3月31日に開催された第3回料金制度WGの事務局提出資料であり、電力・ガス取引監視等委員会に関する議論の内容をまとめたものである。
第2料金制度WGの議論の振り返り
停電対応に関する主な意見
- 停電の根本的な原因を解決するため、設備不備や作業者過失を減少させる必要があり、データ採録方法の明確化が求められている。
- 川合委員: 設備不備や作業者過失の減少が必要である。データ蓄積方法についての議論が重要である。
- 園尾座長: 特高・高圧の面での難しさを認識しつつ、まずは低圧からスタートすることを提案している。
- 北本委員: 情報採録方法を全社共通とし、内生・外生の定義を明確にする必要がある。
OPEX査定に関する主な意見
- 統計的分析を用いた過去実績に基づくOPEX査定が理にかなっている一方で、将来的な制度変更への配慮も必要とされている。
- 松村委員: 実際の効率化を企業が織り込む場合、査定がないと理解される。
- 白銀オブザーバー: 経費のモデル化や妥当性チェックが重要である。
目標設定とインセンティブ
停電対応に関する目標
停電における目標として、停電量の管理が提案されている。
| 分野 | 項目 | 目標 | インセンティブ |
|---|
| 安定供給 | 停電対応 | 実際の停電量が一定水準を超えない | 収入上限の引き上げ/引き下げ |
| 安定供給 | 設備拡充 | 計画に基づく工事全てを実施 | レピュテーション インセンティブ |
| 安定供給 | 設備保全 | 設備状況に基づく更新計画策定 | レピュテーション インセンティブ |
新規再エネ電源に関する目標
新規再エネ電源の接続に関しても、以下の目標が設定されている。
- 目標①: 接続検討の回答期限超過件数をゼロ。
- 目標②: 契約申込の回答期限超過件数をゼロ。
- 目標③: 再エネ電源との合意した受電予定日からの遅延件数をゼロ。
停電データの採録に関する現状
停電量の把握方法
停電量は停電時間の実績から推計する方法が考えられており、外生的要因と内生的要因の区別が必要とされている。
| 需要家の接続電圧 | 停電時間(停電回数) | 停電量 |
|---|
| 特別高圧 | 一部事業者のみ採録可能 | - |
| 高圧 | 一部事業者のみ採録可能 | - |
| 低圧 | 採録可能 | 年間停電量推計 |
今後の対応
- 第1規制期間(2023年度~2027年度)において、停電対応の目標設定に向けたデータ蓄積が開始される予定である。
- 特別高圧および高圧需要家水準の停電目標評価は第2規制期間から検討されることが提案されている。
契約申込みの回答予定日超過理由
目的
契約申込の回答予定日超過の理由を整理し、改善の方向性を模索することを目的とする。
超過理由の分類
契約申込の回答予定日超過に関する理由は以下の8つに分類される。
- A.申込者都合(申込書不備): 申込者の書類不備・不足に起因。
- B.申込者都合(申込内容変更): 申込者による内容変更に起因。
- C.受付者都合(申込集中): 申込が集中し検討に時間を要した。
- D.受付者都合(特殊検討、検討量大): 特殊な検討が必要となり時間を要した。
- E.受付者都合(受付・検討不備): 一般送配電事業者の受付や検討に不備があった。
- F.申込者並びに受付者都合: 両者に起因する場合。
- G.電源募集Pによる保留: 電源募集による保留。
- H.計画案Pによる保留: 計画案による保留。
- I.その他(複数要因含む): 上記以外の理由。
提案される目標設定
一般送配電事業者が注力すべき理由として、以下の2区分について目標設定が提案されている。
- C.受付者都合(申込集中)
- E.受付者都合(受付・検討不備)
需要家の接続とサービスレベルの向上
目標設定
需要家接続に関する目標は以下の通りである。
- 接続検討、契約申込回答期限超過件数をゼロにすること。
- 需要家と合意した供給予定日からの遅延件数をゼロにすること。
評価方法
- 目標達成状況を各社毎に評価する。
- 申込者都合や特殊検討による合意の上での遅延は個別説明を検討する。
インセンティブ付与
- 目標達成による社会的便益を見込み、達成状況に応じて収入上限を調整する。
ソリューションの展望
今後、ステークホルダーとの協議を基に具体的な目標設定が行われることが期待される。
ステークホルダー協議
- ステークホルダーの範囲: 発電事業者、小売事業者、需要家、地方自治体など。
- 協議方法: 一般送配電事業者が必要な意見を収集し、目標案を設定する。
制御不能費用の調整について
基本的な考え方
- 収入上限の設定: 収入上限は期初に設定され、原則として変更しない。制御不能費用は実績費用を収入上限に反映させることが提案されている。
- 費用変動の管理: 期初に見積もった費用と実績費用の乖離があった場合、次期に反映することが原則である。
調整の具体的なケース
- 累積変動額が一定水準を超えた場合や外生性の強い公租公課の変動等、特定の要因に応じて期中調整が検討される。
制御不能費用の対象費目
制御不能費用に含まれる可能性がある費目は以下の通りである。
賃借料関連
- 制御不能費用の対象として以下が含まれる可能性がある。
- 占用関係借地料
- 道路占用料
- 電柱敷地料
- 河敷料
- 線路使用料
- 線下補償料
受益者負担金
- 公共工事に伴い発生する費用であり、単価は法令に基づき決定され、効率化は困難である。
Conclusion
制御不能費用に関する議論は制度変更や新たな規制の適用に向けて重要であり、現行のガイドラインに基づく効率化や新たな政策を考慮する必要がある。
投資区分における投資金額の割合(2019年度)
概要
2019年度の投資区分における投資金額の割合は以下のとおりである。
| 投資区分 | 割合 | 内訳 |
|---|
| 拡充投資 | 36% | - 連系線・基幹系統: 6% 約200件<br>- ローカル系統: 9% 約2,000件<br>- 配電系統: 21% - |
| 更新投資 | 54% | - リスク量算定対象設備 高経年化対策: 17% -<br>- 高経年化対策以外: 27% -<br>- リスク量算定対象外設備 高経年化対策: 10% -<br>- 高経年化対策以外: - |
| その他 | 10% | 10% - |
備考: 2019年度における10社合計値の割合であり、各社の採掘定義の違いにより記載数値はあくまでイメージである。
論点の整理
拡充投資
- 論点として拡充投資について、系統区分ごとに投資計画が特定され、投資量の確認区分を設定することが提案されている。
| 系統の区分 | 投資計画の策定 | 投資量の確認区分 |
|---|
| 連系線基幹系統 | マスタープラン広域系統整備計画の策定 | 工事件名ごとに投資量を確認 |
| ローカル系統 | 23年間工事件名ごとに投資計画を策定 | 工事件名ごとに投資量を確認 |
| 配電系統 | 過去実績を踏まえ概算値にて策定 | 工事目的ごとに投資量を確認 |
更新投資
- 更新投資は、リスク量算定対象設備と対象外設備に分類され、それぞれに投資計画が策定される。
| 系統の区分 | 投資計画の策定 | 投資量の確認単位 |
|---|
| リスク量算定対象設備 | リスク量の現状維持を目標とし、設備ごとの投資計画を策定 | 設備別に投資量を確認 |
| リスク量算定対象外設備 | 過去実績等を踏まえ、各設備ごとに概算値にて投資計画を策定 | 各設備ごとに分類し、投資量を確認 |
その他の投資
- その他投資に関しては、投資量と単価の切り分けが難しい為、費用を確認する方法が提案される必要がある。
英国における投資量の確認方法
背景
本資料は、2020年度委託調査報告書「RIIO-2」に基づき、英国の電力事業における非運用資本支出(Non-Op CAPEX)の査定方法に関する情報を提供するものである。
Non-Op CAPEXの査定プロセス
Non-Op CAPEXは費目に応じて異なる方法で査定される。主要な費目ごとの査定方法は以下の通りである。
1. 不動産・小型機械等
- 査定基準
- RIIO-1期間における現時点換算の資産価値(MEAV)におけるコスト割合
2. 車両・輸送機械
- 査定基準
- 電気自動車および従来型自動車に分類し、それぞれの費用を査定。
3. IT・通信
- 査定基準
- 設備投資の正当性・信頼性など、外部コンサルタントによる査定を依頼する。
出所情報
出所はOfgemによる「RIIO-2 Draft Determinations for Transmission, Gas Distribution and Electricity System Operator」(2020年7月9日発行)である。