2020年7月時点で、改正電気事業法に基づくレベニューキャップ制度の詳細設計を検討する段階である。制度の狙いは、再エネ導入拡大や設備の老朽化に対応するネットワーク投資を確保しつつ、送配電費用を抑制することにある。一般送配電事業者は、国の指針に沿って規制期間ごとの事業計画と収入上限を作成し、経済産業大臣の承認を受ける。承認された上限内で料金を柔軟に設定し、実績費用が上限を下回った場合は効率化分を事業者の利益とする設計が示されている。
国の指針には、安定供給、広域連系、再エネ導入、利用者サービスなどの成果・行動目標を定め、エネルギー基本計画やマスタープラン等との整合を図る案である。事業者の計画には、需要・発電見通し、設備拡充・保全、効率化の各計画と目標を含める構想である。収入上限は、目標達成に必要な設備投資費(CAPEX)、運営費(OPEX)、外生的費用などを基に算定するが、具体的な算定方法は次回以降の検討事項である。
審査では、日本全体の電力システムに生じる便益と必要費用を踏まえた投資評価、事業者間の単位コスト比較、生産性向上見込み率による効率化促進が論点となる。規制期間の長期化は中長期投資・効率化の促進と審査負担の軽減、短期化は計画・収入見通しの精度向上と外生要因の機動的反映につながると整理されているが、期間は未決定である。
| 論点 | 資料で示された案・未決事項 |
|---|---|
| 外生費用・予見困難な変化 | 災害復旧、再エネ接続増、制度変更、調整力、需要の大幅な変動などを、条件に応じて期中または翌期の上限に反映する仕組みを検討する。 |
| 目標達成の評価 | 事業計画や成果目標の達成状況を評価し、必要に応じて収入上限へ反映する。未達時の扱いやボーナス・ペナルティは未決定である。 |
| 収入・費用の差 | 実績収入が上限を上回れば利用者へ還元し、下回れば回収する案が示されている。実績費用との差は事業者の利益・損失とする考え方も提示され、翌期への反映やプロフィット/ロスシェアの方法は未決定である。 |
| 料金算定 | 上限を超えない範囲で料金を柔軟に設定する。発電・小売間、電圧別の費用配賦や基本料金率に国がどこまでルールを示すかは検討課題である。 |
現行制度では、原価と適正利潤を基礎とする料金審査に加え、超過利潤のストック管理と想定・実績原価の乖離を確認するフロー管理を実施している。資料の参考データでは、2018年度の実績収入は北陸を除く9社で想定原価を下回り、実績費用は5社で想定原価を上回った。これらは制度設計の背景資料であり、新制度の決定内容ではない。
制度の基本設計や投資確保に係る事項は資源エネルギー庁の審議会で扱い、レベニューキャップ・託送料金の運用、審査、投資確保の詳細は電力・ガス取引監視等委員会で検討する整理である。資料時点の予定では、2020年7月から主要論点、同年11月頃から詳細論点を議論し、2021年3月頃に中間整理、同年9月頃に省令改正等、2022年4月頃から申請準備・料金審査を経て、2023年4月に新料金へ移行する計画である。専門的な詳細設計のため、料金制度ワーキンググループ設置も検討対象である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「託送料金制度(レベニュキャップ制度)の詳細設計について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_electricity.html)をもとに当社作成
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