託送料金制度(レベニューキャップ制度)に関する審議会資料
本資料は、経済産業省が提出した「託送料金制度(レベニューキャップ制度)」の詳細設計に関する審議内容を整理したものである。目的は、電気事業法の改正に伴い、必要なネットワーク投資を確保しつつ、国民負担を抑制する新しい制度を導入することである。
主要な検討内容・論点
託送料金制度の導入
- 託送料金制度の導入により、一般送配電事業者は定期的に収入上限を算定し、その上限に基づいて料金を設定する制度が確立される。
- 電力・ガス取引監視等委員会と資源エネルギー庁が連携し、詳細設計を進めることが決定された。
レベニューキャップ制度の狙い
- 一般送配電事業者が必要な投資を確保し、コスト効率化を進めることを狙いとする。
- 制度目標には以下が含まれる:
- 必要なネットワーク投資の確保
- 国民負担の抑制
- 災害復旧の迅速化に向けた措置
一般送配電事業者を取り巻く環境変化
-
2030年の電力需要予測
- 人口減少や省エネルギーの進展により、電力需要が2013年度とほぼ同レベルと予測されている。
-
再生可能エネルギーの導入拡大
- 送配電網の増強が必要となり、新たなコスト要因になると見込まれている。
| 種別 | 設備容量 (万kW) | 現状 | 現状からの増加率 |
|---|
| 地熱 | 約140 | 52 | 170% |
| 水力 | 約4,847 | 4,650 | 46% |
| バイオマス | 約602 | 252 | 140% |
| 風力 (陸上) | 約918 | 約270 | 240% |
| 風力 (洋上) | 約82 | - | - |
| 太陽光 (住宅) | 約900 | 約760 | 20% |
| 太陽光 (非住宅) | 約5,500 | 約1,340 | 310% |
| 再エネ合計 | 約12,989 | 7,324 | 78% |
審査方法や成果の利用者還元方法
-
業務フローの基本的考え方
- 申請、承認、認可等の透明性を高めるため、消費者庁の関与が重要である。
-
成果の利用者還元方法
- 前期の成果を次期のレベニューキャップに反映する仕組みが求められている。
今後の進め方・スケジュール
- 詳細検討が行われ、その進捗は定期的に構築小委にも報告される予定である。
- 今後のスケジュールは以下の通りである:
| 期日 | 活動内容 |
|---|
| 2020年7月30日 | 主要論点の議論 |
| 2021年3月頃 | 中間整理 |
| 2021年9月頃 | 取りまとめ、省令改正等 |
| 2022年4月〜 | 料金審査 |
| 2023年4月 | 新託送料金の開始 |
- 課題: 利用者への還元策や調整の仕組みについて議論が必要であり、収入上限の変更や料金設定における需給状況への対応が焦点となる。
利益(損失)の取扱い及び料金算定ルール
利益(損失)の取扱い
- 一般送配電事業者は効率化インセンティブを重要視し、実績費用が収入上限を下回った場合、その差額を利益として認める方針である。逆の場合は損失として扱い、翌期の収入上限に反映される。
料金算定に係るルール
- 新たな託送料金制度では、一般送配電事業者は収入上限を超えない範囲で料金を柔軟に設定可能とする。料金設定の考慮事項には、発電・小売間の配賦方法、電圧別の配賦方法などが含まれる。
審議会における委員のコメント
委員からは以下の意見が示された:
- 効率的インセンティブの設定が重要である。
- 日本特有の状況を考慮する必要がある。
- 長期的な観点での制度設計が必要である。
- 事業者の創意工夫を最大限引き出すことが重要である。
まとめ
託送料金制度(レベニューキャップ制度)の導入により、一般送配電事業者の投資確保やコスト効率化が図られ、持続可能な電力システムへの移行が期待されている。今後は詳細設計や関係者の協力のもとで、具体的な制度設計が進むことが求められる。