託送料金制度改革に関する審議会資料
資料の概要
本資料は、経済産業省が提出した「料金制度WG」の第1回審議会における事務局資料であり、託送料金制度改革の狙いや一般送配電事業者を取り巻く環境の変化、収入上限の算定方法などについて詳細に述べられている。
託送料金制度改革の狙い
目的
- 一般送配電事業者における必要な投資の確保とコスト効率化を両立
- 再生可能エネルギーの主力電源化やレジリエンス強化の推進
改革内容
- 欧州型インセンティブ規制に基づく託送料制度改革の導入
- 災害復旧に関する費用回収の迅速化と確実性の向上を検討
一般送配電事業者を取り巻く環境変化
1. 電力需要の予測
- 2030年時点の電力需要は、人口減少や省エネルギーの進展により、2013年度とほぼ同レベルになると予測されている。
2. 再生可能エネルギーの導入拡大
- 送配電網の増強が必要となり、新たなコスト増要因となる。
最大電力需要の推移
| 年度 | 最大電力需要 (万kW) |
|---|
| 2016年度 | 15,576 |
| 2018年度の想定 | 約18,270 |
収入上限の算定方法
収入上限算定に関するプロセス
- 事業計画の策定:
- 一定期間に達成すべき目標に基づく事業計画を策定し、国に提出する。
- 査定プロセス:
- 国が見積もった費用の適正性を査定し、収入上限を設定する。
| プロセス | 内容 |
|---|
| プロセス① | 見積費用の査定 |
| プロセス② | 前規制期間の実績を踏まえた各種調整 |
費用区分
- OPEX(運営費用): 人件費、委託費等
- CAPEX(設備投資関連費用): 設備の確実な増強と更新が必要
- 制御不能費用: 外生的な要因による変動
料金制度WGの位置づけと今後の検討内容
WGの目的
検討論点
- 目標の設定
- 事業計画の策定
- 収入上限の算定方法
- 実績評価の基準
収入上限の算定プロセス
概要
- 計画開始時、期間中、終了時の各段階で詳細な手続きが必要。
| 段階 | 内容 |
|---|
| 期初 | 収入上限の設定と事業計画の策定 |
| 期中 | 実績の評価と反映 |
| 事後 | 収支評価や収入上限の最終決定 |
各国のレベニュキャップ制度の比較
制度の特徴
- 各国で異なるアプローチを持つレベニュキャップ制度について具体的に比較。
| 国 | インセンティブ型 | ベンチマーク型 |
|---|
| 英国 | 詳細な査定に基づき設定 | 過去実績に基づき設定 |
| ドイツ | 制御可能コストと制御不能コストに分類 | 制御不能コストは政治的議論により分類 |
ノルウェーの収入上限算定の全体像
収入上限(AR)の決定方法
- 送配電料金として回収が認められる額の上限(AR)は、年次で決定される。
- 主な算定原則は5年毎に見直され、現在は第4次規制期間(2007年1月から適用)が続いている。
収益上限(RC)の算定
- AR設定の基礎となるRCは、2年前の費用実績に基づき毎年設定される。
- 規制対象年の実績費用との差額は、2年後の収入上限で調整される。
特徴的なインセンティブ
- 事業費用効率化のため、DEA分析に基づく収益上限の設定が行われている。
OPEXおよびCAPEX査定の基本的な考え方
OPEX査定の基本的な考え方
- OPEX査定は、必要な費用を確保しつつコスト効率化を促進するものである。
今後の論点
- OPEX査定は、各社の実情を踏まえつつコスト効率化を促すものであるため、実績値を用いた統計的な算定と効率化を促す係数を組み合わせる方法が提案されている。
CAPEX査定の基本的な考え方
- 必要な投資を効率的な単価で実施することが重要である。
投資のタイプ
| 投資タイプ | 概要 | 確認方法 |
|---|
| 設備拡充投資 | マスタープランに基づく新設・拡充工事 | 需要想定に基づく投資量確認 |
| 設備更新投資 | アセットマネジメントガイドラインに基づく更新工事 | リスク量を基にした投資量確認 |
| その他投資費用 | システム関連や通信設備投資など | 別途査定方法を検討 |
修繕費と賃借料の留意点
- 修繕費や賃借料については、特性を考慮して適切に分類し、OPEX及びCAPEXに区分する必要がある。
結論
本資料は、託送料金制度改革や一般送配電事業者の環境変化、収入上限の算定方法などに関する包括的な情報を提供しており、今後の電力・ガス取引における制度設計に重要な影響を与えうる内容である。