本資料は2026年2月27日に開催された第13回トランジション・ファイナンス環境整備検討会において、経済産業省が提供した事務局資料である。経済産業省のGXグループ環境金融室が作成している。
資料は以下の内容で構成され、トランジション・ファイナンスに焦点を当てている。
| 年度 | 調達額 (億円) |
|---|---|
| 2014 | 10,000 |
| 2015 | 20,000 |
| 2016 | 30,000 |
| 2017 | 40,000 |
| 2018 | 50,000 |
| 2019 | 60,000 |
| 2020 | 70,000 |
| 2021 | 60,000 |
| 2022 | 50,000 |
| 2023 | 40,000 |
| 2024 | 20,000 |
| 2025 | 30,000 |
| 発行体 | 金額 | 発行時期 | 種別 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 関西電力 | 450億円 | 2025/08 | ボンド | 原発等安全対策 |
| 中国電力 | 1,095億円 | 2025/09 | リンクローン | 脱炭素電源等の資金 |
| JFE HD | 170億円 | 2025/10 | ボンド | 省エネ高効率化 |
| NSユナイテッド海運 | 非公表 | 2025/10 | ローン | メタノール船への資金調達 |
| 入札日 | 年限 | 金額 |
|---|---|---|
| R7/7/15済 | 5年 | 2,998億円 |
| R7/10/21済 | 10年 | 2,998億円 |
| R8/1/26済 | 5年 | 2,999億円 |
| R8/3/13予定 | 10年 | 3,000億円 |
以下の表は、更新された主な内容を分野ごとにまとめたものである。
| 項目 | 更新内容 |
|---|---|
| 業界概要 | データリンク等を最新版に更新し、GHG排出状況や国際市場動向など、分野別投資戦略に関する資料リンクを追加した。ただし、水素関連政策やCCS・CCUSの資料は該当分野のみ追加された。 |
| 技術リスト | 各種参照先の更新を行い、業界別のCN行動計画等に基づきCCS・CCUSの実装年を2030年代に統一した。合成燃料の商用化に向けたロードマップ等に基づいて合成燃料の実装時期を前倒しした。 |
| 削減イメージ | 2023年の実績値を反映し、2040年度におけるエネルギー需給の見通しを加えた。経路に大きな影響を与える主な要素を追加した。 |
分野ごとの更新内容は以下の通りである。
| 分野 | 更新内容 |
|---|---|
| 鉄鋼 | 2025年1月のグリーン鉄研究会に関する情報を追加した。GI基金に基づき、加熱におけるアンモニア水素の利用や高級鋼製造可能な大型電炉革新炉等を追加した。 |
| 化学 | ナフサ分解炉の生産量の仮定を下方修正し、一部技術の実装年を更新した。バイオマスによる原料転換とCO2回収の実装年を2020年代から2030年代に変更した。 |
| 電力 | 第7次エネルギー基本計画を踏まえ、業界概要資料を更新した。次世代型太陽電池や浮体式洋上風力発電等の技術リストを追加した。 |
| ガス | 日本ガス協会の「ガスビジョン2050」やグリーンLPガス官民協議会の資料を追加した。GI基金に基づき、バイオメタネーションを技術リストに追加した。 |
| 石油 | SAF官民協議会によるSAF導入促進に向けた基本方針を追加した。CN行動計画に基づいてバリューチェーンの低炭素化を技術リストに加えた。 |
| 紙パルプ | バイオリファイナリーを脱炭素化に向けた方向性の一つとして位置づけ、セルロース由来のバイオリファイナリーを技術リストに追加した。 |
| セメント | セメント業界のCN行動計画に関する資料を追記し、アンモニア混焼や天然ガス混焼等の技術開発の進展を記載した。 |
| 自動車 | 燃料電池商用車を集中的に導入するための重点地域や、合成燃料の商用化に向けたロードマップ等の最新の取組について資料を追加した。 |
電力分野における技術の道筋は以下のように示されている。
以下の2つの議論点について意見を求める。
国内外動向
ロードマップ改訂
GTL(グリーントランジションローン)に関連する資金使途非特定型ローンの位置づけについて以下の内容が記載されている。
| ローンの種類 | GTL TLPにおける位置づけ | 具体的な要件定義等 |
|---|---|---|
| I. 資金使途非特定型 | transition-themed SLLとして位置づけられ、透明性のある報告や厳格なKPI選定が求められる | 借り手の移行戦略に一致し、慎重に選定されたKPIに基づく。KPIはScope1,2および必要に応じてScope3をカバーし、定量化可能であるべき |
| II. 資金使途特定型 | Transition loansとして定義され、要件がExposure DraftTLPで示されている | 特定の資産・プロジェクトに資金を提供するもので、排出削減に向けた信頼できる経路に沿う必要がある。高排出資産の早期廃止や代替に関する支出を支援する |
出典元: LMA(2025/10/16) Guide to Transition Loans より作成
CTBG(Climate Transition Bonds Guidelines)とTLPの比較は以下のように整理されている。
| # | ICMA CTBG一部抜粋 | LMA TLPとの比較結果 |
|---|---|---|
| 2-1. 資金使途 | CTBの中核は適格なCTプロジェクトへの使途で、発行体はプロジェクトの健全性を説明すべき | 文書化や使途の適格性について共通点があるが、LMAは複数指標の代替を認める点で異なる |
| 2-2. 評価選定プロセス | 適格性の明確な開示を求める | 概ね同様の要件が存在 |
| 2-3. 使途の管理 | 明確に追跡可能であるべき | 概ね同様の要件が存在 |
| 2-4. レポーティング | 資金の割り当てに関する情報を適時に開示すべき | 概ね同様の要件が存在 |
| 2-5. 主要な推奨事項 | 外部レビューを推奨 | 概ね同様の要件が存在 |
出典元: ICMA(2025/11/06) Climate Transition Bonds Guidelines、LMA(2025/10/16) Guide to Transition Loans より作成
ICMAのCTBGとLMAのTLPは、資金使途特定型に対するトランジション・ファイナンスのためのラベルとして位置づけられている。
| 種別 | ラベル | ICMA(CTBG) | LMA(GTL/TLP) | 日本(基本指針) |
|---|---|---|---|---|
| 資金使途特定型 トランジション・ボンド | CTB | CTBG + CTFH(ベストエフォート) | ||
| 資金使途特定型 トランジション・ローン | TLP | |||
| 資金使途非特定型 トランジション・リンク・ボンド | SLBP(+CTFH) | 基本指針 | ||
| 資金使途非特定型 トランジション・リンク・ローン | SLLP(+GTL) |
出典元: ICMA(2025/11/06)、LMA(2025/10/16)、金融庁・経済産業省・環境省(2025/03)より作成
基本指針とCTBG/TLPの比較は以下のとおりである。
| 基本指針の4要素 | 主な共通点 | 主な相違点 CTBG | 主な相違点 GTL/TLP |
|---|---|---|---|
| トランジション戦略 | トランジション戦略を評価要素に含む | CTFH整合はベストエフォートベース | GTLで信頼できる移行戦略の定義があり、複数の指標による説明を認める |
| マテリアリティ | ー | 特に説明を求めていない | 特に説明を求めていない |
| 科学的根拠 | 経路や戦略のパリ協定整合性を求める | 資金使途単位でのパリ協定整合性を厳密には求めていない | 現時点でパリ協定整合性でないものも含む |
| 実施の透明性 | 定性的な報告を認める | 大きな差異はない | 大きな差異はない |
出典元: ICMA(2025/11/06)、LMA(2025/10/16)、金融庁・経済産業省・環境省(2025/03)より作成
本資料では、以下の点について議論を求めている。
基本指針のあり方
改訂スケジュール
以上が、審議会資料からの重要な内容である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「第13回トランジション・ファイナンス環境整備検討会:事務局資料」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/transition_finance/index.html)をもとに当社作成
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