電気のスイッチングに関する調査資料
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が提示したものであり、電気の需要家がスイッチング(電力会社の切替え)を行う際の「取戻し営業」について検討するものである。第32回制度設計専門会合に関連する内容であり、スイッチングに影響を与える要素について議論を行うことを目的としている。
主要な検討内容・論点
取戻し営業について
- 需要家が新しい小売電気事業者(新事業者)との契約申し込みを行う際、現行の小売電気事業者(現事業者)が営業を行うことが指摘されている。特に、現事業者が大幅に安い料金プランを提示し、需要家がスイッチングを撤回する事例が多い。
論点の整理
以下の表は、主要な論点を示す。
| 論点 | 詳細 | 今回の議論該当部 |
|---|
| 論点1 | 現事業者の廃止取次情報の利用方法 | スイッチングプロセスの概要 |
| 論点2 | 取戻し営業の禁止の是非 | スイッチングプロセスの長期化 |
| 論点3 | 取戻し営業時の安値提示の是非 | 廉売行為に関する対応 |
| 論点4 | 規制の対象事業者 | - |
現行のスイッチングプロセスの概要
スイッチングプロセス
- スイッチングプロセスは、低圧及び高圧500kW未満の需要家を対象に行われる。電力広域的運営推進機関が運営するスイッチング支援システム(SWシステム)を用いて、スイッチング申込時に新事業者が現事業者に対して廃止取次を行う。このプロセスには最大で2か月の期間がかかることがある。
需要家とSWシステムの関係
| 需要家 | SWシステム |
|---|
| 低圧 | 対象 |
| 高圧500kW未満 | 対象 |
| 高圧500kW以上 | 対象外 |
| 特別高圧 | 対象外 |
スイッチングプロセスの長期化
- スイッチングプロセスの長期化は、需要家が新たなサービスを早期に受けることを妨げ、不当な取戻し営業の機会も増加させる要因となる。新電力事業者からは、以下のような改善提案がある。
- 託送契約手続及び通信端末工事期間の短縮
- スイッチング申込期限の統一
スイッチング情報の目的外利用について
- 現行ルールではスイッチング情報を営業活動に利用することについての規制が設けられていない。この点に関して問題提起が行われている。
資源エネルギー庁の取り組み
BL供出価格について
- 旧一般電気事業者がBL市場に供出する際の供出価格は、新電力と旧一般電気事業者の小売部門とのイコールフッティングを図り、供出価格が不当に高くならないように設定される。供出価格の上限は、発電平均コストを基に算定される。
発電平均コストの算定方法
発電平均コストは以下の要素を考慮して算定される:
[
\text{発電平均コスト(円/kWh)} = \frac{① + ② + ③(円)}{\text{受渡期間の発電量(kWh)}}
]
今後の対応の方向性
-
旧一般電気事業者やその出資先が新電力に対して合理的な価格で卸供給を行わない場合、以下の理由から問題となる。
- 新電力の事業を困難にさせる恐れがある。
- 電気事業の健全な発達や需要家の利益を阻害する恐れがある。
-
電気事業法に基づく問題行為として調査が進められる。具体的な論点として、調達価格の算定方法や取戻し営業の定義、規制対象者および実施方法が挙げられている。
参考資料
- 公正取引委員会及び経済産業省による適正な電力取引についての指針が参照されており、不当な価格設定や解約制限が問題とされている。需要家の利益を保護する観点から、業務改善命令や業務改善勧告が発動される可能性がある。
まとめ
本資料では、電気のスイッチングに関連する現行のプロセスや取戻し営業の影響について詳述されている。特に、需要家の利便性向上や不当な取戻し営業の防止に向けた提案が強調されており、今後の制度設計において重要な論点となると考えられる。