電力の小売営業に関する指針改定の審議資料
資料の目的・背景
この資料は、経済産業省が行う「電力の小売営業に関する指針」の改定に関する審議をまとめたものである。改定は、間接オークションの導入や非化石価値取引市場の創設に伴い必要とされている。
主要な検討内容・論点
1. 指針改定の背景
- 間接オークション導入や非化石価値取引市場の創設により、指針の改定が求められている。
- 第29回から第32回の制度設計専門会合で議論が行われ、改定案が了承された。
2. 従前の議論および改定案の概要
改定案に関しては、以下の論点が検討された。
| 論点 | 概要 |
|---|
| 論点① | 現行ガイドラインの誤認防止の考え方を踏襲するべき |
| 論点② | 電気に付随する価値の整理とその取扱について |
| 論点③ | 電気と価値の取引関係について |
| 論点④ | 非化石価値を有しない電気の表示の在り方 |
| 論点⑤ | 特定の電源・産地の価値維持の条件 |
3. 論点ごとの詳細内容
論点①:基本的な考え方の整理
- 現行ガイドラインに定められた、二重計上の禁止や虚偽表示の禁止は今後も維持されるべきである。
論点②:電気に付随する価値の整理
| 価値 | 考え方 | 具体例 |
|---|
| 環境価値 | 非化石証書による価値の訴求 | 排出係数ゼロメニューの提供 |
| 産地価値 | 特定地域での発電による価値 | ○○県産の電気表示 |
| 特定電源価値 | 具体的な電源からの電気 | 水力電気メニュー表示 |
論点③:電気に付随する価値と電力取引の関係
- 環境価値は電気と切り離して取引可能であるが、他の価値については現時点で独立した取引の必要はないとされている。
論点④:非化石価値を有しない電気の表示の在り方
- FIT電気は非化石価値を保有しないため、表示においては注記の内容を修正する案が提案された。
| 改正前 | 改正後① | 改正後② |
|---|
| FIT電気費用負担についての記載 | 価値がないことを明記 | 非化石価値を訴求する条件を記載 |
論点⑤:特定の電源・産地としての価値が維持される条件
- 間接オークションの導入により特定の電源・産地の価値が維持される条件について検討が必要である。
決定事項・制度変更
- 新たな指針に基づく対応が求められ、特定の電源・産地の価値維持に関する具体的な条件が整理される。
その他重要事項
- 需要家への誤認を避けるため、電源構成表示のルールの整備が必要であり、事業者は具体的な電源構成の情報提供を求められる。
中小売電気事業者における注記記載ルール
論点⑦:注記を記載する場合のルール
- 小売電気事業者は、需要家の誤認を防止するためにどのような注記を行うかが重要である。
- 注記の記載に関しては、正確性の確保と需要家の分かりやすさの観点から、以下のような記載例が提案されている。
注記例
-
特定電源メニューを控除しない場合
- 当社の電源構成
- (平成◯年4月1日〜平成◯年3月31日の発電・調達電力量(kWh)実績値)
- 水力(3万kW以上)
- 石炭火力
- LNG火力
- 原子力
- FIT電気(風力)(※1)
- 太陽光
- 卸電力取引所(※2)
- その他
- 当社は水力電源を20%以上とするメニューを一部のお客様に対して販売しており、上記の割合は全販売電力量に含まれる。
-
特定電源メニューを控除する場合
- 当社の電源を特定しない電力メニューの電源構成
- (平成◯年4月1日〜平成◯年3月31日の発電・調達電力量(kWh)実績値)
- 水力(3万kW以上)
- 石炭火力
- LNG火力
- 原子力
- FIT電気(風力)(※1)
- 太陽光
- 卸電力取引所(※2)
- その他
- 当社は水力電源を20%以上とするメニューを一部のお客様に対して販売しており、それ以外の電源については上述のように記載する。
注意事項
- 注記を記載しない場合には問題が生じるが、注記の内容については消費者の誤認を招かない範囲での変更が許容される。
- 特定電源メニューを保有していない場合、特定電源に関する注記や控除は不要である。
論点⑧:電気の属性を特定した表示
背景
- 一部の小売電気事業者は、需要家に対して特定の電源構成や産地を宣伝する際、供給条件が契約内容に反映されていない事例が見られる。
- 電源構成や産地による差別化を促進し、需要家の選択を可能にするため、以下の改正案が提案されている。
改正案
- 需要家に供給する電気について、その属性を特定した表示を行った場合、供給される電気が表示内容を満たさない場合は、需要家の誤認を招く行為と位置付けることが検討されている。
- 一方、一般的な電源構成を表示する行為は、誤認を招く行為には該当しない。
具体例
- 提案された表現には以下のようなものがある:
- 「お客様に対し、水力○%以上の電気をお届けします」との記載。
- 「水力100%メニュー」「FIT電気○%以上の電力メニュー」といった販売表現。