審議会資料の全体概要
1. 資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が提出した「収入の見通しに関する承認申請の審査」に関する内容であり、第29回料金制度専門会合において導入予定の新しい託送料金制度(レベニューキャップ制度)についての議論を行うためのものである。
2. 主要な検討内容・論点
2.1 新託送料金制度の導入
- 導入時期: 2023年4月より新たな託送料金制度を導入予定
- 目的: 再エネ主力電源化やレジリエンス強化等のために必要な投資の確保とコスト効率化を両立させること
2.2 収入の見通しの検証プロセス
- 2023年7月に各一般送配電事業者から提出された「収入の見通し」の算定に基づいて検証が行われた。
- 検証は2023年7月29日から11月28日までの間に14回の会合で実施され、約13,000時間のヒアリングが行われた。
2.3 承認申請の内容
- 各一般送配電事業者は2022年12月8日付けで「収入の見通し」に係る承認申請を行い、2022年12月9日に経済産業大臣から意見を求められた。
3. 検証結果と影響
3.1 収入見通しの改訂
- 各送配電事業者からの「収入の見通し」の提案は、現行原価比で**平均+6.5%であったが、厳正な検証の結果、約5,175億円(1,035億円/年)の減額査定が行われ、最終的には平均+4.2%**に圧縮された。
3.2 具体的な数値データ
以下の表に各送配電事業者の収入見通しを示す。
| 送配電事業者 | 現行原価/年 (億円) | 提出収入見通し/年 (億円) | 査定後収入見通し/年 (億円) |
|---|
| 北海道電力NW | 1,913 | 2,015 (+5.3%) | 1,987 (+3.9%) |
| 東京電力PG | 14,541 | 15,076 (+3.7%) | 14,677 (+0.9%) |
| 関西電力送配電 | 7,055 | 7,273 (+3.3%) | 7,143 (+1.2%) |
| 合計 | 44,835 | 47,743 (+6.5%) | 46,709 (+4.2%) |
4. 今後の予定
- 承認申請についての審査結果を次回会合で報告し、各一般送配電事業者に対する必要な対応を議論する。
- 経済産業大臣からの意見を反映し、値上げなどの最終的な結果と影響を評価し、適切な対応を検討する。
5. 重要な法令
- 改正電気事業法第十七条の二に基づき、一般送配電事業者は必要な収入の見通しを算定し、経済産業大臣の承認を受ける義務がある。
6. 調整力費用に関する審議会資料の概要
6.1 調整力費用の計上について
- 各電力会社は事前に定められた見積り方法に基づいて調整力費用を計上。
- 2017年度から2021年度までの実績値は託送収支計算書に基づき確認済み。
6.2 各電力会社の調整力費用実績
以下の表は、各社の調整力費用を示す。
| 会社名 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 5年計 | 5年平均 |
|---|
| 北海道電力NW | 2 | 1 | 0 | 21 | 10 | 35 | 7 |
| 東北電力NW | - | - | - | 4 | 61 | 57 | 11 |
| 東京電力PG | 280 | 411 | 464 | 646 | 1 | 1,800 | 360 |
| 中部電力PG | - | 0.9 | 3 | 64 | 360 | 292 | 58 |
| 北陸電力送配電 | - | - | - | 4 | 16 | 12 | 2 |
| 関西電力送配電 | 0 | 0 | 1 | 261 | 74 | 187 | 37 |
| 中国電力NW | 12 | 0.1 | 0.2 | 115 | 34 | 94 | 19 |
| 四国電力送配電 | 0.4 | 1 | 0 | 2 | 8 | 11 | 2 |
| 九州電力送配電 | 0 | 0 | 1 | 53 | 20 | 74 | 15 |
| 沖縄電力 | - | - | - | - | - | - | - |
6.3 レベニューキャップ制度の導入
- 2023年度からのレベニューキャップ制度では、調整力費用が制御不能費用として整理され、第一規制期間では過去実績に基づく見積もりが求められる。
7. 事業計画の修正
7.1 検証結果
- 各事業計画において、過去の料金制度専門委会での検証内容を踏まえ、必要な精査や修正が確認された。
7.2 目標計画
以下の表は、各地域における取り組みを示す。
| 地域 | 取組内容 |
|---|
| 北海道 | 無電柱化の推進、停電防止策の実施 |
| 東北 | 故障率低減に向けた対策 |
| 東京 | 設備保全計画の作成 |
| 中部 | 調整力の強化 |
| 関西 | 高経年化設備の改修 |
| 九州 | メンテナンス体制の強化 |
8. ステークホルダーとの意見交換
- ステークホルダーから寄せられた意見には、安定供給や再エネの拡大、サービスレベル向上等に関する要望が多く含まれ、これを事業計画内に明記することが求められている。
以上が資料の全体概要であり、今後の電力システムの運営や価格設定に向けた重要な検討が進められていることが確認できる。