「適正なガス取引についての指針」の改正案に関する説明
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が提出した「適正なガス取引についての指針」の改正案をまとめており、ガス卸売市場の活性化及びガス供給の競争促進を目的としている。また、特にパンケーキ問題の解消を背景に、卸供給料金やガス取引の適正化に向けた考え方を整理している。
改正案の全体像
改正案は、これまでの第10回から第12回における審議を踏まえて、以下のように改正する予定である。
改正後の目次
- 第一部:適正なガス取引についての指針の必要性と構成
- 第二部:適正なガス取引についての指針
- I. 小売分野における適正なガス取引の在り方
- II. 卸売分野における適正なガス取引の在り方
- III. 製造分野における適正なガス取引の在り方
- IV. 託送供給分野における適正なガス取引の在り方
改正前の目次
- 第一部:適正なガス取引についての指針の必要性と構成
- 第二部:適正なガス取引についての指針
- I. 小売自由化分野(大口供給、特定ガス大口供給)における適正なガス取引の在り方
- II. 託送供給分野における適正なガス取引の在り方
- III. 卸売分野における適正なガス取引の在り方
- IV. 小売規制分野(選択約款)における適正なガス取引の在り方
- V. LNG基地の第三者利用に関する適正なガス取引の在り方
第一部:適正なガス取引の必要性と構成
1. 本指針の必要性
- 平成29年4月の小売全面自由化に伴い、本指針の改正が必要であることが述べられている。
2. 本指針の構成
- ガス事業法に基づく禁止行為や措置について明示し、経済産業省や電力・ガス取引監視等委員会による可能性のある対応についても示している。
第二部:小売分野における適正なガス取引
小売供給についての改正案
1. 考え方(要旨)
- 旧一般ガス事業者の多様な規模や競争関係を考慮し、各事業者は適切な対応が必要である。
- 経過措置料金を課される事業者も自由料金メニューを提供でき、需要家の選択肢を増やすことで競争を促進する。
2. 望ましい行為(新設)
- 託送供給料金相当支払金額を請求書等に明示すること。
- スイッチングの適切な実施環境を確保すること。
3. 問題となる行為(新設)
- 不当に高い解約補償料の徴収。
- 需要家への誤解を招く情報提供。
その他の重要事項
- 不当な解約制限や消費機器のリース・メンテナンス契約に関する問題など、競争を阻害する行為の日常的な監視が必要であるとされている。
- 改正案においては、これらの行為についての具体的な規定を設け、公正かつ有効な競争を確保することが重要視されている。
II. 卸売分野 改正案の概要
1. 考え方(要旨)
- 競争促進の必要性: 一部の大手事業者を除き、多くのガス小売事業者は必要なガスを確保することが難しいため、ガス卸売市場の活性化が不可欠である。
- パンケーキ問題対応: 卸供給料金は、事業者間精算に基づき引き下げることが適切である。
2. 公正かつ有効な競争の観点からの行為
望ましい行為
- 卸売事業者は、新規参入者を含むガス小売事業者に対し、必要なガスの卸供給を積極的に行うことが望ましい。
III. 製造分野 - LNG基地の第三者利用 - 改正案の概要
1. 考え方(要旨)
- 受託製造義務: 法定LNG基地を運営する事業者は受託製造約款に基づく義務があるが、その義務がない基地についても、第三者からの利用申出に適切に応じることが望ましい。
2. 公正かつ有効な競争の観点から望ましい行為
望ましい行為
- LNGタンクの共有や熱量調整設備の連携を通じて、積極的な第三者利用を行うこと。
問題となる行為
- 不当な拒否: 正当な理由なくガス受託製造を拒むことや、情報を目的外で利用すること、差別的取扱いが問題となる。
IV. 託送供給分野における改正案の概要
1. 公正かつ有効な競争の確保
- すべてのガス小売事業者に対し、ネットワークが開放されることが不可欠である。
- 託送供給料金と導管ネットワーク運用について、以下の条件が求められる:
- 透明性: 料金や運用条件の明示
- 公平性: 全ての事業者に等しく適用されること
- 迅速性: 必要な対応が迅速に行われること
- 合理性: 料金や運用が合理的な理由に基づくこと
2. 託送供給料金の取り決め
- ガス事業法により、託送供給料金に関しては、以下の規定がある:
- 一般ガス導管事業者は、託送供給約款の定めを経済産業大臣の認可を受けなければならない(同法第48条第1項)。
- 特定ガス導管事業者は、託送供給約款の届出が求められる(同法第76条第1項)。
3. 情報の目的外利用や差別的取扱いは禁止
- ガス導管事業者は、正当な理由なく託送供給を拒否してはならない(同法第47条第1項、75条)。
- 不当な差別的取扱いについての具体的な規定が必要である。
V. 今後の予定
- 本指針の改正については、今後も継続的に議論・検討される予定であり、業界の動向や競争状況の変化に応じた適切な対応が求められる。
以上が、経済産業省の提出資料に基づく「適正なガス取引についての指針」の改正案に関する説明である。