資料の総括説明
資料の目的・背景
本資料は、2021年度におけるガス導管事業者の託送収支の事後評価をまとめたものである。特に、電力・ガス取引監視委員会における意思決定の過程を示しており、法令に基づく事後評価(ストック管理・フロー管理)や今後のスケジュール、過去年度の料金改定の情報について記載されている。
主要な検討内容・論点
1. 対象事業者
- 託送供給約款を定めているガス導管事業者及び料金の届け出を行っている全147社が対象。
2. 評価内容
- 料金制度専門会合において、以下の項目について分析・評価を実施。
- 法令に基づく事後評価(ストック管理・フロー管理)
- 追加的な分析・評価
3. 事後評価の進め方
- ストック管理とフロー管理の基準を用いて以下を確認。
- ストック管理: 超過利益累積額が一定水準を超過しているか確認。
- フロー管理: 異なる事業者間での単価乖離率が-5%を超過しているか確認。
成果・決定事項
2021年度託送収支の事後評価(2022年11月1日決定)
- 超過利潤累積額が一定水準を超過した事業者が確認され、料金改定届出の予定が確認された。
| 指標 | 内容 |
|---|
| 一定水準額超過企業数 | 8社 |
| 乖離率が−5%超過企業数 | 6社 |
| 料金値下げ届出を実施予定企業数 | 4社(うち2社が条件付きで変更命令対象) |
今後のスケジュール
- 各事業者について、次回の電力・ガス取引監視等委員会で報告され、今後の意見に基づいて計画が策定される予定である。
課題・リスク
- 一部事業者が変化する市場環境により、料金の値下げ届出を怠った場合、変更命令が発動されるリスクが存在する。
山口合同ガスに関する分析
会社概要
以下に山口合同ガスの基本情報を示す。
| 一導特導 | 会計年度 | 創立 | 本店所在地 | 資本金 | 従業員数 | 供給区域 | メーター取付数需要家数 | 新規参入 |
|---|
| 一導 | 1-12 | 1915/2 | 山口県 下関市 | 48,750万 | 437人 | 山口県内 8市 | 175,271個 | 無 |
参照: 会社HP、2021年度ガス事業便覧及び資源エネルギー庁「登録ガス小売事業者」
乖離率計算書
山口合同ガスにおける乖離率計算は以下の通りである。
| 項目 | 値 |
|---|
| 想定原価千円 ① | 20,860,073 |
| 想定需要量千m³ ② | 835,873 |
| 想定単価円/m³ ③ | 24.96 |
| 実績費用千円 ④ | 22,190,161 |
| 実績需要量千m³ ⑤ | 936,932 |
| 実績単価円/m³ ⑥ | 23.68 |
| 乖離率 ⑥③1,100 | -5.13 |
乖離率の組成要因
山口合同ガスは、現行の託送供給約款料金の水準維持の妥当性について以下のように説明している。
- 大口需要家A社の一時的事情により2021年度の需要量が大幅に増加したことが乖離率の超過要因とされる。
- 2021年8月のトラブルにより託送供給が必要となり、その結果実績需要量が増加した。
- 一過性の需要量を計上しない場合の乖離率は-3.37%とされ、料金維持が妥当と評価される。
乖離原因の詳細(単位:千m³)
| 年度 | 想定需要量 | 実績需要量 | A社の実績需要量 | A社の一時的な増量分 |
|---|
| 2019 | 279,151 | 303,469 | 13,725 | |
| 2020 | 278,014 | 292,291 | 18,874 | |
| 2021 | 278,707 | 341,173 | 43,323 | +16,788 |
法令に基づく事後評価の結果報告
料金制度専門会合は、2021年度終了時点での超過利潤が変更命令基準を超過した事業者に対し、値下げの届出を求める意向を示している。
- 具体的に値下げ対象となる企業は4社(仙南ガス、ENEOSエルエヌジーサービス、犬山瓦斯、中部電力ミライズ)である。
- 一方で、現行の託送供給約款料金の維持が妥当であると評価された3社(広島ガス、福山ガス、山口合同ガス)は変更命令の対象外とされる。
資料の全体的なまとめ
本資料により、ガス事業法に基づいたガス導管事業者の託送収支の評価及び料金制度の維持管理が重要であることが示された。次回の報告を含む今後の対応が、健全なガス産業の確立に寄与することが期待される。