インバランス料金制度に関する報告書
資料の概要
本資料は、経済産業省が提出した「インバランス料金の状況等について」の報告であり、2022年4月から開始された新インバランス料金制度に関する議論を含むものである。報告は、第73回制度設計専門会合において議論されたものであり、主にインバランス料金の状況や運用変更に関する検討内容がまとめられている。
本日の議論内容
- 導入から2ヶ月経過: 新インバランス料金制度の運用が開始されてから、大きなトラブルは発生していないが、想定外の事案が発生し、追加で整理が必要な項目がいくつか存在している。
- 報告の目的: 今回の報告では、インバランス料金の状況や運用変更に関する検討内容について議論が行われる。
主要な検討項目
- インバランス料金の状況
- インバランス料金制度の運用変更等の検討
- 広域需給調整システムへの調整力の登録
- 電源Iの広域運用
インバランス料金の状況
概況
2022年4月1日から5月15日までのインバランス料金について以下の情報が報告された。
- 地域別傾向: 東日本(北海道、東北、東京)、西日本(中部〜九州)、沖縄で異なる傾向が見られた。
- 補正インバランス料金: 東日本で2コマ、西日本で0コマと少数にとどまっているが、全体的に高水準で推移。
- 再エネ出力抑制に関する適用状況: 再エネ出力抑制が行われていない時間帯でも0円が適用されたケースがあった。
インバランス料金のデータテーブル
| 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
|---|
| 最高価格 | 54.3円 | 54.3円 | 54.3円 | 48.1円 | 48.1円 | 48.2円 | 48.2円 | 48.2円 | 43.5円 | 77.0円 |
| 最低価格 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 7.0円 |
| 補正インバランス料金適用コマ数 | 2コマ | 2コマ | 2コマ | 0コマ | 0コマ | 0コマ | 0コマ | 0コマ | 0コマ | 20コマ |
| 再エネ出力抑制0円適用コマ数 | 199コマ | 235コマ | 195コマ | 279コマ | 292コマ | 293コマ | 296コマ | 295コマ | 313コマ | 0コマ |
誤公表の事案
- ヒューマンエラーによる誤った価格情報の公表があったが、現時点では精算に影響は発生していない。
- 訂正データの迅速な対応が行われていることも報告された。
誤公表の事例テーブル
| No | エリア | 事案 | 原因 | インバランス料金への影響 |
|---|
| 1 | 東京 | 補正料金算定インデックスの誤算定 | 供給力計上方法の誤り | 4月4日の1525コマの補正インバランス料金 |
| 2 | 沖縄 | 調整力の限界的kWh価格の誤算定 | 本来単一の調整電源に対する価格抽出の誤り | 4月6日から4月13日のインバランス料金 |
| 3 | 関西 | インバランス量の誤計上 | テレメータ送信元変更に伴う誤計測 | 4月1日から4月27日のインバランス料金 |
| 4 | 九州 | インバランス量の誤計上 | 調整力登録の誤り | 5月2日のインバランス料金 |
今後の対応策と運用変更
- 調整力登録の重要性: KJCにおける調整力の登録が需給運用効率を高め、インバランス料金の適正化に寄与するため、一般送配電事業者に幅広く登録を行うことを求める提案がされた。
- 未登録時の対応: KJCに調整力が未登録の場合、理由の報告を求めるなどのロジックの追加が検討されている。
電源Iの広域調達に関する変更点
本資料には、電源Iの広域調達に関する変更点とその影響も含まれている。
主要な変更内容
2021年度向けと2022年度向けの広域調達の違い
| 年度 | Aエリアでの連系線確保容量の設定 | Bエリアでの応札について |
|---|
| 2021年度向け | 事前に上限値を設定 | 領域外からの応札は、事前に設定した範囲で落札される |
| 2022年度向け | 事前に上限値を設定しない | 供給信頼度評価を実施し、結果に基づいて落札を行う |
インバランス料金への影響
電源Iの広域運用により、以下のようなインバランス料金に関する課題が生じる。
- 広域ブロックの変化: 電源Iの発動指令と実需給時点で広域ブロックが異なると、インバランス料金が実態を反映しなくなる可能性がある。
- 補正料金算定インデックスの上昇: 電源Iの発動により、需給ひっ迫していない広域ブロックで発動する場合、当該ブロックの供給力が計上され、補正インバランス料金が低下する。
電源I発動指令時の広域ブロック見込み
| 広域ブロックA | 広域予備率 | 電源Iの発動指令時の地域状況 |
|---|
| 北海道 | 10%以上 | 需給ひっ迫 |
| 中部 | 5% | 需給がひっ迫していない |
| 九州 | 11%以上 | 需給ひっ迫 |
提案された対応策
- インバランス料金計上方法の見直し: 電源Iの広域運用におけるインバランス料金の計上方法について、システム改修を行うべきであると提案されている。
- KJCに関連する運用の見直し: 調整力の登録に関する運用を見直し、未登録の場合のインバランス料金算定方法を変更することが提案されている。
まとめ
- 新インバランス料金制度の運用が順調に進んでいるが、一部の問題が依然として存在していることが確認された。
- 電源Iの広域調達方法の変更により、インバランス料金に影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 今後はシステムの改修や運用方法の見直しが求められており、適切な対応が必要である。