資料の目的・背景
本資料は、第30回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会において、2020年9月に行われた一般送配電事業者による現状のガバナー(GF)及び負荷周波数制御(LFC)の運用についての情報をまとめたものである。
主要な検討内容・論点
- 前回(8/7)の需給調整市場検討小委員会で示された調整力に係る課題と今後の進め方
- 一次調整力及び二次調整力①が、現行の調整力公募で確保されているGF及びLFCに相当すること
- GF・LFC制御が周波数調整において重要な役割を果たすこと
現状のGFおよびLFCの運用
GF運転の概要
- GF運転: 発電機のガバナが系統周波数の変化に追従して発電出力を調整すること。
- 発電機が周波数偏差を検出し、出力を増減させる。
GFの機能
- ガバナフリー運転機能: 発電機出力が系統周波数の変動に応じて変化。
- 周波数変動補償機能: 周波数が低下した際に必要な出力増加分を加算する機能。
- 即時応答性: 周波数の変化を検出し、速やかに出力変化を開始することが求められる。
LFCの概要
- LFC: 数分から十数分程度の短時間変動を対象とし、発電機に出力の上げ・下げ信号を送り、周波数を維持する役割を担う。
重要な数値・データ
需給調整市場における商品の要件
| 英呼称 | 一次調整力 | 二次調整力① | 二次調整力② | 三次調整力① | 三次調整力② |
|---|
| FCR | オフライン自動制御 | オンライン自動制御 | オンライン | オンライン | オンライン |
| S-FRR | オンライン | オンライン | オンライン | オンライン | オンライン |
| FRR | オンライン | オンライン | オンライン | オンライン | オンライン |
| RR | オンライン | 専用線オンライン簡易指令系 | 専用線または簡易指令システム | 商品ブロック時間3時間 | |
| RR-FIT | オンライン | 専用線または簡易指令システム | | | |
GF運転に必要な機能(中部の例)
| 機能仕様等 | 発電機定格出力 | GTおよびGTCC | その他の火力発電設備 |
|---|
| GF調定率 | 5パーセント以下 | 5パーセント以下 | 5パーセント以下 |
| LFC幅 | 5パーセント以上 | 5パーセント以上 | 5パーセント以上 |
| LFC変化速度 | 5パーセント/分以上 | 5パーセント/分以上 | 1パーセント/分以上 |
現状運用で求められていること
- GF運転の発電機は、系統周波数偏差を検出し、調定率に応じて出力を調整すること。
- LFC対象発電機は、連続的な需要変動に対して連続的に出力すること。
課題・リスク
- 周波数変動に対して即時応答しない場合、周波数が乱れるリスクがあるため、発動時間遅れに関する規律を設ける必要がある。
まとめ
本資料では、GFおよびLFCの運用に関する現在の状況と要件を詳細に整理し、発電機が調整力を供出する上での重要な要素を強調している。今後の電力需給調整市場において、これらの事項を考慮することが求められる。
現状のGF運転およびLFC制御に求めている要件のまとめ
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GF運転に関する要件:
- 発電機は系統周波数偏差を検出し、GF調定率に応じた出力を調整する必要がある。
- 周波数変動補償機能が必須であり、速やかに出力変化を開始することが要求される。
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LFCに関する要件:
- 発電機は連続的な需要変動に応じて出力を継続的に供給し、各社中給との共有が求められる。
- 調整力の発動に時間遅れが生じると周波数が乱れるおそれがあるため、即応できる性能が必要である。
今後は、周波数品質維持のための中間点や調整力発動時間遅れに関する規律設定の要否についての検討が重要である。