第27回料金審査専門会合 資料概要
本資料は、経済産業省による第27回料金審査専門会合に提出されたもので、原価算定期間終了後の事後評価について記載されている。本資料の主な対象は、みなし小売電気事業者9社であり、関西電力は除外されている。以下に本資料の内容構成を示す。
目次
- 審査基準に基づく評価
- 料金変更認可申請命令に係る審査基準
- 審査基準の適用結果
- 原価算定期間終了後の追加検証
- 経営効率化の取組状況
- 料金原価と実績費用の比較
- 総評
1. 審査基準に基づく評価
1.1 料金変更認可申請命令に係る審査基準
- 規制部門の電気事業利益率に基づく評価
- 累積超過利潤または自由化部門の収支による基準が適用される
評価手順
- ステップ1: 規制部門の電気事業利益率の評価
- 過去3年度の利益率が過去10年の平均値を上回るか確認
- ステップ2: 累積超過利潤又は自由化部門の収支の確認
- 超過利潤が事業報酬を上回るか、自由化部門が連続赤字かを確認
1.2 評価結果
- 原価算定期間終了後に料金改定を行っていない対象者はおらず、変更認可申請命令の発動対象はなかった。
評価結果(単位:億円)
| ステップ | 規制部門の電気事業利益率による基準/事業者 |
|---|
| 北海道 | |
| 東北 | |
| 東京EP | |
| 中部 | |
| 北陸 | |
| 中国 | |
| 四国 | |
| 九州 | |
| 沖縄 | |
| 10社合計 | |
2. 原価算定期間終了後の追加検証
2.1 概観
- 各電力会社について料金原価と実績費用の比較が行われている。
- 特に東京電力EPは競争が厳しく、実績が料金原価を大幅に下回っている。
2.2 電力会社ごとの評価
| 費目 | 中部電力 原価 | 中部電力 実績 | 差異 | 東京電力EP 原価 | 東京電力EP 実績 | 差異 | 四国電力 原価 | 四国電力 実績 | 差異 |
|---|
| 販売電力量 | 1,262 | 1,224 | 38 | 2,773 | 2,417 | 356 | 275 | 256 | 19 |
| 為替レート | 99 | 113 | 14 | 78.5 | 108.4 | 29.9 | 80 | 108 | 28 |
| 原油価格 | 105.5 | 62.2 | 43.3 | 117.1 | 47.5 | 69.6 | 114 | 48 | 67 |
| 経営効率化額 | 1,915 | 2,354 | 439 | 3,626 | 7,673 | 4,047 | 412 | 478 | 66 |
2.3 具体的な費用構成
- 人件費: 各社とも実績が料金原価を上回る状況
- 燃料費: 原油価格の下落により大きく減少
- 修繕費: 一時的な要因による増加が発生
2.4 規制部門と自由化部門の利益率及び乖離要因
- 各社の電気事業利益率は、規制部門が自由化部門を下回っており、四国電力は規制部門がマイナスとなっている。
3. 経営効率化の取組状況
3.1 経営効率化の実績
- 全体の経営効率化の実績は、料金改定時の計画値との比較において、439億円の深掘りとなった。
- 計画値: 1,915億円
- 実績値: 2,354億円
3.2 主な取り組み内容
- 定期点検工事期間の短縮や計画外補修の停止により、火力発電所の稼働率が向上した。
- 燃料費の管理に取り組み経営効率化を達成。しかし、人件費については、電力の安全・安定供給に必要な人材確保や従業員のモチベーション維持が影響したため、目標額の達成には至らなかった。
3.3 経営効率化目標の達成状況(3か年度平均)
| 区分 | 主な削減内容 | 計画 (億円) | 実績 (億円) | 差異 (億円) |
|---|
| 燃料費購入電力料 | 熱効率向上、安価な燃料調達、卸電力取引所の活用 | 765 | 1,186 | 421 |
| 設備投資関連費用 | 競争発注拡大、新技術採用 | 99 | 138 | 39 |
| 修繕費 | 効率的運用、外部取引先との競争的発注 | 357 | 358 | 1 |
| 人件費 | 役員報酬削減、厚生費の削減 | 462 | 415 | 47 |
| その他 | 競争発注拡大、内容規模の見直し | 231 | 256 | 25 |
| 合計 | | 1,915 | 2,354 | 439 |
4. 料金原価と実績費用の比較
4.1 増加要因の確認
- 以下の4つの費目について実績が料金原価を上回っている。
実績が不合理な理由に基づいて料金原価を上回っているものは認められなかった。
4.2 規制部門と自由化部門の利益率および乖離要因
- 平成26〜28年度の規制部門の利益率は3.5%、自由化部門の利益率は**6.7%**であった。
主な乖離要因
- 販売電力量が微減したことが影響し、燃料価格の下落と為替レートの円安化が相対的に自由化部門に影響。
- 託送料金審査における費用整理方法の見直しによる影響。
- 小売全面自由化後のスイッチングに伴う影響。
- 規制部門の料金改定時の遅れによる収支悪化。
5. 総評
- 本資料は、電力会社の料金原価と実績費用に関する厳密な評価結果を示しており、各社の経営状況や効率化の取組み状況を明らかにするものである。今後の料金改定や経営政策に重要な影響を与える情報が含まれている。
- 事業者について料金原価の値下げ認可申請の必要がないことが確認された。ただし、今後の原子力発電所の再稼働後にはコスト低減効果について適切な検討が求められる。各社は今後も経営効率化に取り組む必要がある。