概要
この資料は、経済産業省が作成したものであり、第11回送配電網の維持・運用費用の負担の在り方に関する検討を行う分科会の内容が含まれている。自家用発電設備の取扱いや再生可能エネルギーに関する検討状況が主なテーマである。
目次
- 自家用発電設備の取扱い
- 再生可能エネルギーに関する検討状況
- 本日の議論のポイント
- 系統設備関連費用の負担について
- 小規模電源の特例
- アンシラリーサービスに関する負担の在り方
- 再生可能エネルギーに対する発電側基本料金の適用の在り方
- 発電側基本料金の目的
- 固定買取制度(FIT)との関係
- 住宅用太陽光発電の取り扱い
- 発電側基本料金導入時の検討事項
- 系統コストの負担見直し
- 一般負担の上限額の現状
- 今後の進め方
- 課題認識
1. 自家用発電設備の取扱い
- 自家用発電設備が同一地点において発電と需要の両方が存在する場合について議論が行われる。
- 自家発保有者は、系統から小売供給を受けているため、託送料料金を負担している。このため、小売側の契約で負担していない部分のみ発電者としての負担を求める考え方が基本となる。
2. 再生可能エネルギーに関する検討状況
- 再生可能エネルギーの導入促進と系統整備の効率性を両立させる必要が強調されている。
- 再生可能エネルギー電源について、発電側基本料金の適用についての検討が求められている。
3. 本日の議論のポイント
- 前回のWGで議論された内容を踏まえ、制度設計の方向性を議論する。
- 主に次の論点が指摘されている:
- 系統設備関連費用の負担の在り方
- アンシラリーサービスの負担の在り方
4. 系統設備関連費用の負担について
- 系統設備関連費用に関する制度設計の選択肢として次の2案が提起されている:
| 案番号 | 内容 |
|---|
| 案1 | 需要側のkWを上回る発電側のkW分について費用負担 |
| 案2 | 需要側kW・発電側のkWそれぞれについて費用負担 |
- 制度設計の考え方:
- 受益と負担のバランスを考慮し、系統利用者による効率的利用を促進することが目的である。
5. 小規模電源の特例
- 住宅用太陽光発電など小規模電源については、系統の維持・運用にかかる追加費用を大きく増やさないため、逆潮が10kW未満の場合は発電側基本料金を求めない方針が示されている。
6. アンシラリーサービスに関する負担の在り方
- 中長期課題としてアンシラリーサービスにかかる発電側の負担について引き続き検討する必要があり、現状の運用を維持することが提案されている。
- 各発電機の特性に応じて、受益の有無により負担の在り方を整理することが求められている。
7. 再生可能エネルギーに対する発電側基本料金の適用の在り方
発電側基本料金の目的
- 発電側基本料金は、発電・ネットワークコスト全体の削減・最適化を促すことを目的としている。
- これにより、再生可能エネルギーの導入を最大限に進め、国民の負担を抑制することが期待される。
- 系統設備コストの一部を最大kWに応じて発電側に課金することが原則である。
固定買取制度(FIT)との関係
- FIT電源は固定価格で買い取られるため、追加コストを転嫁できない。
- 発電側基本料金を導入する際には、以下の調整措置が求められることが指摘されている:
- FIT認定を受けて既に調達価格が確定しているもの
- FIT認定を受けた場合の調達価格が決まるもの
- これらの条件に応じた調整措置については、調達価格等算定委員会での議論が推奨されている。
住宅用太陽光発電の取り扱い
- 住宅用太陽光発電設備について、一般家庭が設置するものであるため、発電側基本料金の対象外とすることが適当であるとされている。
8. 発電側基本料金導入時の検討事項
系統コストの負担見直し
- 発電側基本料金を導入する場合、系統接続の初期負担とその後の負担について見直す必要がある。
- 発電側基本料金により、系統コストの一部をkW一律で負担する場合、初期費用の一般負担上限もkW一律で設定し、負担を平準化することが適当である。
一般負担の上限額の現状
以下の表は、各電源種別における一般負担の上限額を示している。
| 電源種別 | 一般負担の上限額 (税抜き) |
|---|
| バイオマス専焼 | 4.9万円/kW |
| 地熱 | 4.7万円/kW |
| バイオマス石炭混焼、LNG混焼 | 4.1万円/kW |
| 原子力 | 4.1万円/kW |
| 石炭火力、LNG火力 | 4.1万円/kW |
| 小水力 | 3.6万円/kW |
| 廃棄物バイオマス専焼を除く | 3.3万円/kW |
| 一般水力 | 3.0万円/kW |
| バイオマス石油混焼 | 2.3万円/kW |
| 石油火力 | 2.3万円/kW |
| 洋上風力 | 2.3万円/kW |
| 陸上風力 | 2.0万円/kW |
| 太陽光 | 1.5万円/kW |
今後の進め方
- 一般負担上限は、4.1万円/kWを基本として検討することが提案されている。
- 費用負担についての詳細は、今後の議論を通じて広域機関で決定される見込みである。
9. 課題認識
- 発電事業者のインセンティブや選択肢の拡大が必要であり、コストと信頼性のトレードオフを考慮した対策が求められている。
- 現行のFIT制度には、立地による買取価格の差がないため、系統の効率的な利用を促す仕組みが必要であると認識されている。
このように、本資料では自家用発電設備の取扱いと再生可能エネルギーの導入促進についての制度設計の方向性が議論されている。特に系統設備関連費用の負担、小規模電源の特例、アンシラリーサービスの負担について、今後の検討と議論が必要であることが強調されている。