2023年の規制料金審査では、容量市場の費用・収益を当初申請に織り込まなかった事業者があった。資料は、電気事業会計規則で容量拠出金・容量確保契約金額が明示されたことを受け、料金審査要領に審査方法を追加する案を示す。購入側では、他社購入電源費の効率化努力に加え、容量拠出金の算定方法と非化石証書の購入量・価格を確認する。販売側では、他社販売電源料の効率化努力と容量確保契約金額の算定を確認する。いずれも現時点の改正案であり、法令面の確認後に文言が変わる可能性がある。
事業報酬はレートベースに報酬率を乗じ、送配電事業者分を控除して算定する。論点ごとの方向性は次のとおりである。
| 論点 | 資料が示す方向性・状態 |
|---|---|
| 自己資本比率 | 30:70の加重割合を維持する案。直近資本構成の採用は、試算報酬率が1.3%となることや長期事業との整合性を理由に採らない方向である。 |
| 自己資本報酬率 | β値は各社の申請日前月末から直近10年、公社債利回り・全産業自己資本利益率は直近7年とする案。 |
| 他人資本報酬率 | 現行算定規則との不整合を解消し、発電事業を承継した一定の事業者(JERAを含む想定)の負債利子率も算定対象とする規則改正案。 |
| レートベースの対象 | 発電事業者である特別関係事業者の資産について、有価証券報告書等に基づくレートベース相当額にグループ持分比率を乗じて算入する審査要領案。別途、託送料金の認可申請中の約款に基づく送配電事業報酬の控除を可能にする規則改正案も示す。 |
30:70の維持案は、1995年に適正自己資本比率を30%とした議論を踏まえる。2022年度の大手電力10社の自己資本比率は連結平均17.3%である一方、他の公益事業は連結で約29~43%であった。申請時点の資本構成を使う試算では、β値の低下も影響し報酬率が1.3%となった。資料は、短期指標の変動で申請時期により報酬率が大きく変わる制度を避ける観点から、現行割合の維持を提案する。各ルール改正は提案段階である。
現行方式は発行済株式数と一株当たり配当額等から配当所要利益を算出し、法人税等を計算する。資料は、自己資本報酬との整合性と実際の納税実績の双方を考慮し、次の二つの額のうち小さい方を採用する案を示す。
この方式を料金算定規則に反映することが提案されている。配当性向を使う案なども比較されたが、業種選定や電気事業の実態との乖離が課題として挙げられた。
現行要領は、消費者物価・雇用者所得等の変動見込み(エスカレーション)の原価算入を原則認めない。資料は、物価上昇が続く現状では実態と料金原価が乖離する可能性がある一方、事業者の恣意的な予測に基づく算入も避ける必要があると整理する。そのため、過去の一連の傾向として変動が確認でき、合理的・客観的に評価して適切に原価へ反映できる場合は算入し、審査で方法の適切性を確認する案を示す。過去の傾向がデフレであれば、その傾向も原価に反映する留意点がある。
資料全体は、2023年に7社の料金改定申請を審査・認可した経験を踏まえた審査ルールの見直し検討である。本会合では示された案を議論する段階であり、最終改正の決定や適用時期は本文に記載されていない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電気の規制料金の審査を踏まえた検討について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_electricity.html)をもとに当社作成
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