東京ガス株式会社 託送料金に関する資料
目的・背景
本資料は、東京ガス株式会社が託送料金の配賦及びレートメークに関する内容をまとめたものであり、料金地区の設定、費用の算定方法、料金表作成の詳細が記載されている。
目次
- 費用の配賦とレートメーク
- ご指摘事項への回答
- 託送料金の特徴
- 基本料金設定の考え方
- コージェネレーション割引に関する考え方
- 割引料金の概要
- 国の政策とコージェネレーションの推進
- まとめ
1. 費用の配賦とレートメーク
料金地区の設定
東京ガスの託送料金は、以下の3つの料金地区に分かれている。
| 託送料金地区 | ガスの熱量 1m³あたり | 備考 |
|---|
| 東京地区等 | 45 MJ | |
| 群馬地区他 | 45 MJ | 東京地区等および四街道12A地区の導管ネットワークとは連結されておらず、ガスを卸供給により受入れているため、異なる地区として設定。 |
| 四街道12A地区 | 38.51166 MJ | 東京地区等および群馬地区の導管ネットワークと連結されておらず、ガスの熱量が異なるため異なる地区として設定。 |
費用の配賦(東京地区等)
託送料金原価は以下の手順で算定される。
- 営業費や事業報酬から託送料金原価を算定
- 託送料金原価を機能別原価に分類
- 需要負荷に応じて部門別に原価を配分
- 事業者間精算に係る原価を控除
結果として、託送料金原価は2,959億円/年となる。
小売託送料金原価の主要項目
| 項目 | 金額 (億円/年) |
|---|
| 比較査定対象NW費用 | 1,057 |
| 修繕費 | 321 |
| 租税課金 | 267 |
| 固定資産除却費 | 186 |
| 減価償却費 | 919 |
| 需給調整費 | 30 |
| その他必要経費(概要) | 記載参照 |
料金表の作成(収支相償)
- 小売託送料金表に小売託送需要量を乗じて計算した「料金収入」が、託送料金原価と一致するように設定される。
各地区の料金収入額(平成29-31年平均)
| 地区名 | 料金収入額 (億円) |
|---|
| 東京地区等 | 2,959 |
| 群馬地区他 | 73 |
| 四街道12A地区 | 5.5 |
2. ご指摘事項への回答
基本料金設定の考え方
- 一般ガス供給約款料金について、少量需要家を保護する観点から、基本料金を**690円/月(税抜)**に設定してきた経緯が述べられている。また、全面自由化における選択の自由を全ての需要家にもたらす重要性が強調されている。
需要の分布と託送料金比率
- 需要の分布に基づき、少量需要帯の託送料金比率を低く設定することが説明されている。
3. 託送料金の特徴
標準料金第1種の特徴
- 定額基本料金と従量料金から成る「複数二部料金」として設定。
- 一般ガス供給約款料金と整合性を持たせている。
各料金表(東京地区等・税抜)
| 料金表 | 適用月使用量 (m³) | 定額基本料金 (円/月) | 従量料金 (円/m³) |
|---|
| A | 0 - 20 | 103.50 | 57.20 |
| B | 21 - 80 | 144.10 | 55.17 |
| C | 81 - 320 | 952.10 | 45.07 |
| D | 201 - 350 | 1,462.10 | 42.52 |
| E | 501 - 800 | 4,862.10 | 35.72 |
| F | 801以上 | 9,622.10 | 29.77 |
標準料金第2種
- 中規模から大口需要向けに設定され、使用量や契約最大流量に応じて料金が異なる。
4. 基本料金設定の考え方
基本料金制度の背景
- 昭和63年: 複数二部料金制度に変更。
- 都市熱エネルギー部会の中間報告を受け、A料金の基本料金を690円に据え置くことが決定された。
- 背景には、全体の値下げ改定の中で少量需給家の負担が増えることへの配慮がある。
料金改定の考慮点
- 需要群ごとに公平に原価を負担させるべきであるが、現行料金との継続性も考慮する必要がある。
- 少量需要群に対しては、急激な負担増にならないよう適切な配慮が必要となる。
今後の基本料金引き上げについて
- 各論点を考慮した結果、今回の料金改定において基本料金の引き上げは困難と判断された。
5. コージェネレーション割引に関する考え方
コージェネレーション割引の導入経緯
- 選択的托送料金を導入し、国の政策を踏まえた料金メニューが導管の効率的な利用に寄与することを期待。
- 多くの事業者が「コージェネレーションシステム」向けの選択的托送料金を申請。
コージェネレーション割引の背景
- コージェネレーションシステムは、省エネ・省CO₂が期待されるエネルギーシステムである。
- 需要の拡大が見込まれることから、以下の好循環を創出することが目指されている。
- コージェネレーションの需要拡大
- 機器の普及促進
- 導管ネットワークの効率的な利用によるコスト低減
- 低廉なガス料金の実現、需要家の増加
6. 割引料金の概要
割引対象と上限
- 標準料金第1種に対象となる需要向け:
- 小型CGS-P割引(3kW未満)
- コージェネレーションシステム専用割引(3kW以上)
- 割引額・上限設定が異なる。
割引対象一覧
| 割引対象 | 割引額 | 割引上限額 |
|---|
| 小型CGS-P割引(3kW未満) | 3.5円/m3 | 700円/月 |
| CGS専用割引(3kW以上、専用メーター) | 6.5円/m3 | 16,000円/月 |
| CGS専用割引(3kW以上、一般メーター) | 2.0円/m3 | 300,000円/月 |
割引単価の設定について
- 割引対象となる需要と対象外の需要の原価を算定し、差額の範囲内で割引額を設定。
- 割引額は合理的な水準であると考えられている。
| 左列 | 割引対象外需要 | 割引対象需要 | 差 | 割引単価 |
|---|
| 小型CGS-P割引 | 27.74 | 23.90 | 3.84 | 3.50 |
| CGS専用割引第1種向け | 14.12 | 7.22 | 6.91 | 6.50 |
| CGS専用割引第2種向け | 6.83 | 4.66 | 2.17 | 2.00 |
7. 国の政策とコージェネレーションの推進
エネルギー基本計画
- 2014年: コージェネレーションシステムの導入促進を目指す。
長期エネルギー需給見通し
- 2030年の目標: コージェネレーションシステムの導入量を1,190億kWh(電源構成比11%)とすること。
その他の政策
- 燃料電池の普及促進や低廉かつ安定的な供給を実現するためのガスシステム構築に向けた改革が進められている。
8. まとめ
本資料は、基本料金問題やコージェネレーション割引に関する経緯とその現状、並びに国の政策によるコージェネレーションシステムの導入促進についての理解を促すものである。今後の料金改定には慎重な検討が求められる。