卸電力市場モニタリング報告 (2015年4月~9月期)
この報告書は、第4回制度設計専門会合における卸電力市場の活性化に向けた自主的取組や競争状態のモニタリング結果についてまとめたものである。対象期間は2015年4月から9月であり、報告は平成28年1月22日に提出された。
モニタリング報告の経緯
- 制度設計ワーキンググループにおいては、5回のモニタリング報告が実施されている。以下はその内容:
- 第1回モニタリング:2013年8月
- 第2回モニタリング:2013年12月
- 第3回モニタリング:2014年6月
- 第4回モニタリング:2014年10月
- 第5回モニタリング:2015年6月
- 今回のモニタリングは対象期間2015年4月から9月期で実施された。
卸電力市場のモニタリング結果
取引形態
卸電力市場には以下の取引形態が存在する:
一般電気事業者の自主的取組
- 余剰電力の取引所への売電
- 売買両建て入札の実施
- 卸電気事業者の電源の切出し
主要指標
2015年4月〜9月期の市場指標
| 指標 | 2015年4月 | 2015年9月 | 前年同期 2014年4月 | 前年度比 |
|---|
| 卸電力取引所 約定量 | 76億kWh | 63億kWh | 124億kWh | 1.2倍 |
| 平均約定価格 (システムプライス) | 10.9円/kWh | 15.5円/kWh | 14.7円/kWh | - |
| 時間前市場 約定量 | 6.6億kWh | 4.7億kWh | 8.6億kWh | 1.4倍 |
スポット市場の入札状況
- 入札量合計(当期間)
- 売入札量:471億kWh(前年対比1.1倍)
- 買入札量:170億kWh(前年対比1.2倍)
スポット市場の分析
売入札・買入札量の詳細
-
売入札量:
- 一般電気事業者:412億kWh(全体の約87.5%)
- 新電力その他の事業者:59億kWh(前年比1.4倍)
-
買入札量:
- 一般電気事業者:104億kWh
- 新電力その他の事業者:67億kWh(前年比1.7倍)
市場価格と分断状況
システムプライス
- 平均システムプライスは約10.87円(最高価格44.92円、最低価格3.82円)。
- 時間帯別の価格差:
- 昼間平均価格:12.14円
- 夜間平均価格:9.09円
市場分断の発生状況
- 東西市場間の分断が継続的に発生中であり、特に2015年4月から5月中旬および9月に高い発生率を記録。
- 東西市場間値差は11円を超える場合もあった。
時間前市場の動向
入札量
- 売入札量:115億kWh
- 買入札量:53.7億kWh(前年比1.1倍)
売約定量の詳細
- 一般電気事業者:5.7億kWh(前年対比1.4倍)
- 新電力その他の事業者:0.9億kWh(前年対比1.9倍)
先渡市場取引の状況
入札量と約定量
- 先渡市場取引における売入札量は極めて少なく、買入札量との比較で低迷している。
先渡市場取引・先渡定型取引の活用方針
- 前回のモニタリング報告(2014年9月~2015年3月)と同様、原則として先渡定型取引を積極的に利用する事業者は存在しない。
- 活用方針の特徴:
- 多数の事業者が先渡市場取引を利用し、高頻度で取引が行われているが、選択肢は限られている。
「受渡し日により近い日に入札する方がリスクを低減できるため、取引終了日が受渡日近くの先渡市場取引を主に活用」
入札価格・入札量の決定要因
入札価格
- 入札価格はリスクを考慮し、限界費用ベースで算定されている。
入札量
- 入札量は各社の判断に基づき、需給状況を見ながら設定されている。
先物取引と先渡取引の比較
| 番号 | 項目 | 一般的な先物取引 | JEPXの先渡取引 | 一般的な先渡取引 |
|---|
| 1 | 取引場所 | 取引所 | 取引所 | 相対 |
| 2 | 契約内容 | 標準化 | 先渡市場取引・先渡定型取引 | 個別調整 |
| 3 | 価格公開 | 有り | 無し | 無し |
| 4 | 信用リスク | 無し | 有り | 有り |
| 5 | 転売/反対売買 | 比較的容易 | 比較的困難 | 比較的困難 |
| 6 | 決済時期 | 随時 | 受渡時が基本 | 受渡時 |
| 7 | 決済方式 | 金銭決済/現物決済 | 金銭決済/現物決済 | 現物決済 |
まとめ
この文書は、2015年4月から9月の卸電力市場の詳細なモニタリング報告をまとめており、今後の市場動向に応じた政策提言なども視野に入れた内容となっている。