需給調整市場の運用状況報告
本資料は、経済産業省が提出した「需給調整市場の運用等について」の報告であり、2025年5月23日に開催された第9回制度設計・監視専門委会合に基づく。主に需給調整市場の動向及び監視状況に関する情報が提供されている。
需給調整市場の動き
1. 運用状況(5月中旬まで)
需給調整市場の運用状況に関する最新情報は、前日取引や週間取引のデータに基づいて報告されている。
2. 前日取引(三次調整力2)の概況(4月1日〜5月10日)
- 4月の平均約定単価は、北海道エリアが他エリアに比べて高価格で推移した。
- 最高約定単価は以下の通り:
平均約定単価・最高約定単価(4月・5月)
| 指標 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 平均約定単価1 (4月) | 2.91 | 0.86 | 1.89 | 0.68 | 0.43 | 0.58 | 0.44 | 0.38 | 0.36 |
| 平均約定単価1 (5月2日) | 0.48 | 0.44 | 1.06 | 0.88 | 0.35 | 1.15 | 0.50 | 0.36 | 0.96 |
| 最高約定単価 (4月) | 79.91 | 195 | 97 | 200 | 4.02 | 200 | 33.25 | 7.19 | 60 |
| 最高約定単価 (5月2日) | 3.52 | 4.84 | 97 | 200 | 3.66 | 200 | 39.87 | 3.71 | 197 |
| 最低約定単価 (4月) | 0.33 | 0.33 | 0.33 | 0.33 | 0.35 | 0.33 | 0.33 | 0.33 | 0.33 |
| 最低約定単価 (5月2日) | 0.35 | 0.35 | 0.33 | 0.35 | 0.35 | 0.35 | 0.35 | 0.35 | 0.35 |
3. 想定費用と約定量
2024年度の想定費用及び約定量は以下の通りである。
想定費用(億円)
| 月 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 4月 | 13.97 | 3.59 | 69.55 | 15.11 | 0.41 | 15.72 | 9.67 | 0.65 | 6.82 |
| 5月 | 3.37 | 12.36 | 47.83 | 25.75 | 1.07 | 7.18 | 7.19 | 0.82 | 6.93 |
約定量(ΔMW)
| 月 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 4月 | 42,878 | 23,978 | 141,996 | 35,679 | 7,075 | 58,490 | 15,313 | 23,132 | 132,074 |
| 5月 | 4,973 | 23,952 | 80,658 | 38,045 | 6,444 | 30,119 | 17,281 | 19,484 | 89,885 |
調達の現状
- 一次調整力の調達率は、北海道エリアを除き達成されていない状況であり、今後、調達率の改善に向けた取り組みが求められる。
監視状況の報告
2025年4月以降、需給調整市場での入札価格に計上する起動費等の運用見直しが行われており、不適切な起動費計上に関する事案が判明した。今後の運用見直しが検討されている。
監視事例報告
事案1:起動費等の誤計上
-
背景: 2025年3月の需給調整市場ガイドライン改定により、起動費等の事後精算が行われることが決定した。
-
問題の発生: ある事業者が入札価格に誤って起動費を複数回計上しており、過回収が発生した。
-
対応措置: 起動費の計上方法の見直しおよび過回収分の適切な精算を求める。
事案2:限界費用の誤解
- 問題の発生: ある事業者が限界費用を発電単価として誤解し、単一の出力帯で不適切な登録が行われた。
- 対応措置: 限界費用の考え方を再説明し、見直しを求める。
起動費事後精算案
| 項目 | 内容 |
|---|
| 精算範囲 | 起動費及び最低出力までの発電量と卸電力市場価格との差額を対象。ただし、一定の条件下で費用を事後精算。 |
| 計上方法 | 起動費は1回分までとし、入札ブロックごとに按分計上。 |
| 精算方法 | 事後精算額は需給調整市場システムの不落ブロックの起動費を積算した額を基本とする。 |
| 卸電力市場との差額 | 取り漏れが生じた発電量についてはスポット市場価格を用いて事後精算。 |
電圧調整機能の調達
- 経緯: 北海道エリアにおいて、電圧調整機能を持つ発電源が重要視され、公募及び随意契約が承認された。
- 期待: 電圧調整機能の運用において、従来の制度設計に則った契約が継続されるべきである。
まとめ
本資料は、需給調整市場の運用とその監視に関する重要情報を提供している。需給調整市場の改善と持続可能な運用を目指し、引き続き動向を注視していく必要がある。