需給調整市場検討に関する資料
本資料は、第51回需給調整市場検討小委員会及び第67回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会における制度的措置に関する詳細な検討内容をまとめたものである。特に、需給調整市場における応札不足対策としての制度的供出義務化に関する議論が中心となっている。
目的・背景
- 需給調整市場の活性化を目指し、調整力調達費用を低減する制度的措置の検討を行う。
- 特定の事業者に調整力MW市場への供出を求める仕組みを構築することが重要である。
主要な検討内容・論点
制度的措置に関する基本的考え方
- 制度的措置は需給調整市場の活性化を図るものであり、事業者への配慮を重視した設計を行う必要がある。
アンケート調査の目的
- 2024年9月17日から25日の間に実施したアンケートにより、全取引会員75会員のうち39会員から具体的な意見を収集した。
検討の進め方
- 制度的措置の対象や具体的行動、開始時期について事業者からの意見を基にして議論を進める必要がある。
検討課題のまとめ
以下の表は、需給調整市場における検討課題とその方向性を示す。
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 2024年度の応札不足への対応 | アンケートによって浮き彫りとなった応札障壁について技術的検討を実施 | - | - |
| 複数ユニットの持ち下げ供出への対応 | アセスメント緩和により一次二次の応札を促す方向 | - | - |
| 制度的措置に関する基本的な考え方 | 新規制度的措置の対象を求める具体的な行動 | - | 前日商品に関して制度的措置の導入を検討 |
重要な数値・データ
- アンケートを通じて、供出が難しいリソースの理由や具体的な情報が得られた。一部リソースにおいては供出が難しい容量が1,000MW以上に達することが確認された。
課題・リスク
- 制度的措置の導入が事業者に与える負担や公平性、収益の確保について議論が必要である。
- 入札制約や供出リスクについての事業者からのフィードバックが今後の設計において考慮される。
今後の予定
- 制度的措置の具体的な実施に向けて、事業者からの意見をもとにさらなる検討を進める。
- 市場の活性化に向けた誘導的措置の実施時期を関係各所と連携しながら進める。
リソースの契約形態に関する検討
概要
リソースの契約形態について、以下の三パターンの取り扱いを検討する。
- 需給調整市場契約を締結しているリソース
- 余力活用契約のみを締結しているリソース
- 需給調整市場・余力活用の両方と契約のないリソース
各パターンの特性
-
パターン1:
-
パターン2:
- 需給調整市場契約未締結の理由として、他パターンへの該当や特別な事情が考えられる。
-
パターン3:
- 調整機能を持たず、大規模な対処コストが発生する可能性が高い。
パターンの発電容量情報
- 各パターンに関する発電容量や考慮要素を確認し、制度的措置の必要性を議論する。
余力活用契約の実態
アンケート結果
- 調査対象となった18リソースから回答を得ており、定格容量合計は約7,500MWである。
需給調整市場契約未締結の理由
| 電源種 | 理由 | 参考定格容量合計概算[MW] |
|---|
| 火力 | 相対契約上余力が見込めないため | 5,750 |
| 自社バランスでの活用前提で余力が見込めないため | 570 |
| 揚水発電 | 水系運用制約を考慮し卸市場にのみ応札前提があるため | 250 |
| 水力一般 | 自社バランスでの活用前提で余力が見込めないため | 350 |
| 水資源の有効活用の観点から停止しているため | 30 |
| 河川制約により急激な調整が不可のため | 3 |
余力活用契約の応札行動
検討内容
需給調整市場契約未締結の理由について実態に基づいた議論が必要であり、応札インセンティブの強化が求められる。
ご意見の整理
- 需給調整市場契約締結には応札準備コストが影響し、事業者のインセンティブを促す可能性が指摘される。
- 制度的措置導入に伴う市場参入の障壁について慎重な検討が求められる。
課題
合理的な理由なく需給調整市場契約を締結しない場合の対処方法についても議論の対象となる。
2024年度の電源種別ごとの設備量と構成比
計画の概要
- 2024年度の調整力確保に関する計画で、設備量と構成比が示されている。
- 2023年度比で総設備量が23%増加している。
2024年度の設備量(千kW)
| 電源種別 | 設備量 | 構成比 |
|---|
| 蓄電池 | 119 | 0.1% |
| ネガワット | 148 | 0.2% |
| 一般水力 | 2,093 | 2.4% |
| 石炭 | 23,403 | 26.3% |
| 石油等 | 3,675 | 4.1% |
| LNG | 39,093 | 44.0% |
| 揚水 | 20,298 | 22.9% |
| その他 | 0 | 0% |
2023年度の設備量(千kW)
| 電源種別 | 設備量 | 構成比 |
|---|
| 石炭 | 16,113 | 22.3% |
| 石油等 | 4,413 | 6.1% |
| LNG | 28,162 | 39.0% |
| 揚水 | 21,903 | 30.3% |
| 一般水力 | 1,584 | 2.2% |
| 蓄電池 | 26 | 0.1% |
| ネガワット | 0 | 0% |
アンケート結果に基づくペナルティリスク緩和策
概要
- 閾値Xの設定に関する意見収集が行われ、主に応札が難しいリソースについての調査が実施された。
アンケート結果
| 電源種 | 閾値5%では供出が難しい理由 | 閾値Xの希望[%] | 参考定格容量[MW] |
|---|
| 火力 | ガスタービン機出力の気温変動を考慮する必要があるため | 0%閾値なし | 明記なし |
| 揚水発電 | 不感帯を考慮する必要があるため | 0%閾値なし | 3,250 |
これらの結果は、各資源のペナルティリスクを軽減するための方策の検討に向けた重要な基礎資料となる。
まとめ
本資料では、需給調整市場における各種制度的措置やリソース契約形態、2024年度の電源種別ごとの整備方針についての検討内容がまとめられている。引き続き専門的な議論と、関係者との情報交換を進める必要がある。