電力市場価格算定方法に関する審議会資料
資料の目的・背景
本資料は、2024年2月5日に資源エネルギー庁および電力広域的運営推進機関が作成したものであり、検証B試算結果を踏まえた市場価格算定方法についての議論を促進するために提供されている。特に以下の内容について検討を行う。
- 検証B(市場価格算定方法の影響の検証)
- 燃料費変更時の市場価格の傾向
- kWh価格とΔkW価格の算定方法
主要な検討内容
検討の経緯
-
第2回本検討会(2023年9月20日)
- 複数の価格算定方法について市場価格の比較分析を実施。
- 起動費や最低出力費用における回収漏れの補填(Uplift)の発生状況を検証することが決定された。
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第5回本検討会(2023年12月27日)
- 前提条件に基づいた試算結果を報告し、市場価格やUpliftの傾向についてさらなる検討を行うことが合意された。
今回の試算再評価
- 試算条件について
- 2022年9月のCIF価格(燃料費の高騰を考慮した)を基に市場価格やUpliftの傾向を分析する。
目次
- 燃料費変更時の試算結果と市場価格傾向
- 今後の価格検証におけるkWh価格の算定方法に関する考え方
- ΔkW価格を含めた今後の進め方
燃料費の影響
CIF価格の動向
以下の表は、2015年3月と2022年9月のCIF価格の比較を示す。
| 項目 | 2015年3月 | 2022年9月 |
|---|
| 石炭 | 10.3 | 53.1 |
| 原油 | 41.3 | 97.5 |
| LNG | 75.5 | 164.8 |
LNGの価格は、約2.2倍となり、燃料費の高騰が見られる。
価格算定結果と市場傾向
追加試算ケースの市場価格傾向
- 追加試算における市場価格傾向は、案B-1が最も高く、案Aと案B-2が同程度である。
- Upliftの割合は、基本試算ケースに比べて減少傾向にある。
| ケース | 市場価格平均値 | Uplift割合 |
|---|
| 追加試算ケース | 案B-1: 最高 | 0.03 (3.0%) |
| 案A: 中程度 | 0.02 (1.5%) |
| 案B-2: 最低 | 0.01 (0.9%) |
燃料費の差異
- 燃料費の差異により、LNGの発電量が増加し、石炭・石油の発電量は減少する結果となる可能性がある。
今後の進め方
kWh価格算定方法の絞り込み
- 案B-2: 同時最適のシャドウプライスが基本に採用され、この方式での検証が進められる。
- ΔkW算定方法の絞り込みが進んだ段階で、その他の案も評価する予定である。
検討が必要な論点
- Upliftにおける起動費の取漏れ判定期間の影響
- 需給調整市場における価格規律や市場支配力との関係
現行の需給調整市場について
調整力ΔkW市場の価格規律
- ΔkW価格 は、以下の式で算出される。
- ΔkW価格 ≤ 当該電源等の逸失利益(機会費用)+一定額等
逸失利益(機会費用)の定義
逸失利益には以下の二つのケースがある。
- 高い電源を起動する場合
- 低い電源の出力を下げる場合
一定額の設定
- 一定額は、当該電源等の固定費回収のための合理的な額であり、次のように定義される。
実務の進め方
- 事業者は事前に卸電力市場価格を予想し、その予想に基づいてΔkW価格を算定し、市場応札を行う。
需給調整市場の価格規律の見直し
- 調整力ΔkW市場において、「一定額等」の考え方が変更され、調達費用の大幅な上昇に対する対策が議論されている。
上限価格設定の提案
- 上限価格は、**「三次②加重平均単価+3σ相当(約50円/ΔkW・h)」**が妥当であるとされている。
ΔkW費用の構成要素
需給調整市場におけるΔkWの費用は以下の要素に分解される。
- 追加並列による発電量の差額
- 持ち下げでの逸失利益
- その他(一定額)
燃料費特性の作成方法
概要
燃料費特性の作成は市場価格に大きな影響を与える重要なプロセスである。
インプットデータ
- 過去のCIF価格と平均的な部分負荷効率
- 各ユニットの出力及び熱効率の平均化値
SCUC・SCEDロジックの概要
最適化ツール
- 全国9エリアでのシミュレーションを通じ、エリアプライスを算定するツールを構築する。
目的
- 市場価格の平均値や回収漏れ費用(Uplift)を評価する。
複数の価格算定方法
方法論
- kWhとΔkWの同時最適結果から市場価格を算定する複数の決定方法が示される。
- 案A: ΔkWなりかせればの限界費用等カーブの最高価格をkWh約定価格とする。
- 案B-1: 同時最適結果の限界費用等カーブの最高価格をkWh約定価格とする。
- 案B-2: 同時最適結果にシャドウプライスを適用する方法。
今後の検討課題
経済的影響
- 価格算定時における最低出力費用の扱いについての検討が必要である。
Upliftの取扱い
- 起動費や最低出力費用の回収漏れが市場価格に与える影響を評価する。
判定期間の選定
- 起動費等の取漏れ判定期間を検証することが求められる。
本資料を基に、今後は市場価格やUpliftの検討を進め、必要な修正や対策を検討することとする。特にkWh価格やΔkW価格の算定方法については、複数の選択肢を考慮しつつ、合理的かつ影響の少ない方法を選定する必要がある。