調整力の細分化及び広域調達に関する技術的検討資料
資料の目的・背景
本資料は、調整力の細分化及び広域調達に関する技術的検討の一環として、三次調整力①のアセスメントⅡにおけるGF機能の影響を除外する方法について議論する目的で作成されている。この資料は、2020年7月28日の第29回作業会での議論を基にして、調整力市場の運用における新たな手法を提案するものである。
主要な検討内容
本資料で議論されている内容は以下の通りである:
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三次①の応動実績
- 第17回需給調整市場検討小委員会において、三次①を落札したリソースが複数の指令信号を同時に受信した場合、応動実績を指令信号ごとに切り分けて評価する手法が未確立であるため、現段階ではアセスメントⅡの対象外とする提案がされた。
- 将来的な課題として、この応動実績を評価する手法の検討が課題として挙げられている。
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短期的対応
- 三次①を落札したリソースがGF機能を使用し、LFC機能を不使用にする場合について、GF機能の影響を取り除いた上でのアセスメントⅡの実施方法を早急に検討することが決定された。
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今後の方針
- GF機能の影響を除外した三次①のアセスメントⅡに関する手法を検討し、その内容について議論する要望がある。
複数指令信号受信時のアセスメント
同一リソースが複数の指令信号(GF、LFC、EDC)を受けた場合のアセスメントⅡについての検討も行われている。
- 現状の制約として、指令信号ごとのアセスメントを行う手法が確立されていないため、一時的に、複数の指令信号を受けた場合の応動実績はアセスメントⅡの対象外となる。
- 海外では応動実績を指令信号ごとに評価する手法が存在するため、今後その方法を検討し、確立された場合にはアセスメントⅡを実施する提案もされている。
課題の整理
需給調整市場のプロセスおよび課題は以下のように整理される:
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事前審査
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取引
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アセスメント
委員からの意見
第16回需給調整市場検討小委員会での委員およびオブザーバーからの意見は以下の通りである。
- 将来的には三次①と三次②の切り分けも検討すべきとの意見。
- 商品ごとのリクワイアメントに対するアセスメントは一対一で紐づくものであり、長期的にはその切り分けの検討が必要であるとの意見があった。
アセスメントⅡの実施結果
EDC(Electro-Dynamic Control)指令値の変更を考慮に入れた移動平均を用いてGF機能の影響を除いたアセスメントⅡの効果が検証された。
- EDC指令値が変動した際に、その応動が許容範囲を逸脱しないことが確認されたため、EDC指令値の変更を考慮した移動平均を用いてGF影響を除くアセスメントⅡを採用することが提案されている。
除外事例
- 大規模電源脱落による周波数の大きな低下など、GF機能によるリソースの応動が極短周期とは異なる場合は、本手法の対象外とする可能性がある。
実施イメージ
移動平均算出の方法は以下のルールに基づいて提案されている。
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EDC指令値が同一の場合
- 計測点の前後5分の範囲において、10分移動平均を用いる。
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EDC指令値が異なる場合
重要な数値・データ
以下に、EDC指令値の変更を考慮した実際の移動平均算出結果の一例を示す。
| 時間帯 | 指令値 (MW) | 発電機出力 (MW) | 許容範囲 |
|---|
| 14:30~15:00 | 360 | 300 | 許容範囲内 |
| 360 | 240 | 逸脱 |
今後の予定・課題
- アセスメントⅡの手法の確立に向けた検討を進めることが必要である。
- GF機能を使用した応動実績に対する10分移動平均の算出および、EDC指令値の変更を考慮した算出方法の設定について一般送配電事業者に申し伝えることが求められている。
- LFC機能を使用した場合のアセスメント方法についても引き続き検討を進めることが示されている。
まとめ
本資料では、三次調整力①のアセスメントⅡに関する現状と今後の検討事項について整理した。特に、GF機能の影響を除外する方法の早急な検討が求められており、需給調整市場における公平性と信頼性を確保する方策を模索する必要がある。