第91回広域系統整備委員会の議論内容および評価
資料の概要
この資料は、第91回広域系統整備委員会での議論や評価の内容をまとめたものであり、特に中国九州間連系設備に関する費用便益評価が中心である。資料の作成日は2025年8月8日で、広域系統整備委員会事務局で作成された。
議論事項
以下の議論事項が提示されている。
- 中国九州間連系設備増強の効果についての費用便益評価結果の提示および議論
- 費用便益評価に基づく受益者及び費用負担割合の整理と議論
計画策定プロセス
計画策定のプロセスは以下のように整理されている。
- 本機関の発議
- 一送たる会員の提起
- 国の要請
- 進め方の決定・公表
- 基本要件・受益者の範囲決定
- 実施案等の募集の要否決定
- 公募要綱案の検討
- 公募要綱の提出
- 応募意思表の提出
- 応募資質の審査
- 実施案の提出
- 実施案・事業実施主体の決定
- 受益者・費用負担割合等の決定
- 広域系統整備計画の策定
- 公表
- 国への届出
中国九州間連系設備の工事概要
工事詳細
- 事業実施主体: 中国電力ネットワーク、九州電力送配電、電源開発送変電ネットワーク
- 対策工事概要: 中国九州間連系設備の増強
- 工事費と工期:
- 概算工事費:
- 提出された実施案:4,549億円
- 評価した実施案:4,412億円(Δ137億円)
- 基本要件:3,700〜4,100億円
- 概略工期:
- 実施案:13年6カ月
- 評価した実施案:11〜13年6カ月
- 基本要件:6〜9年
工事概要図
主要な設備配置は以下の通りである。
- 九州側開閉所
- 九州側交直変換所
- 本州側交直変換所
- 本州側開閉所
- 直流海底送電線
系統増強の効果の評価
費用と便益の評価方法
- 便益項目の例:
- 燃料費・CO2対策コスト低減
- アデカシー向上
- 送電ロス変化
便益評価結果の整理
- 評価期間: 2030年頃の運用開始を想定
- 評価内容: 系統増強による便益を運用に係る費用と比較して評価する
| 便益項目 | 便益の考え方 |
|---|
| 燃料費・CO2対策コスト低減 | 連系線を増強することで、広域的電力取引が拡大し、発電に係る燃料費やCO2コストが低減できる。 |
| アデカシー向上 | 広域的に供給力を活用することにより、供給信頼度が向上する。 |
| 送電ロス変化 | 系統構成電力潮流の変化により、送電ロスが変動する。 |
費用負担割合の考え方
費用負担の方法
広域系統整備計画における費用負担は以下の区分に基づいて整理されている。
| 区分 | 対象費用 | 負担方法 |
|---|
| I | 特定の者が利益を受ける整備または更新に係る費用 | 当該特定の者から回収 |
| II | 全国調整スキームの対象となる費用に再エネ寄与率を乗じた額 | 系統設置交付金により回収 |
| III | 全国調整スキームの対象となる費用からIIに掲げる費用を控除したもの | 広域系統整備交付金及び特定会社負担により回収 |
| IV | 事業実施主体が負担した費用からI、II、IIIに掲げる費用を控除したもの | 九州負担及び特定会社負担により回収 |
今後の対応
今後の対応についての具体的な内容やスケジュールは、委員会での議論を踏まえて正式に決定されることとなる。
今後のスケジュール
以下のスケジュールが示されている。
- 2025年
- 8月: 受益者及び費用負担割合案の提示
- 8月: 費用負担候補者に対する案の通知
- 8月~9月: 費用負担候補者からの意思の回答
- 9月: 本委員会への広域系統整備計画案の提示
- 10月目途: 広域系統整備計画の策定
再生可能エネルギー由来分について
費用便益評価の概要
再エネ寄与率は、費用便益評価(B/C)が下限となる前提に基づいて算定されており、再エネ由来分の割合は以下の通りである。
- 再エネ寄与率: 69.9%
- その他電源由来分: 30.1%
再エネ由来の効果
再エネ由来の効果は、再エネ発電設備に係る出力抑制を回避することによって得られるものであり、具体的には以下の内容が含まれる。
- 燃料・二酸化炭素の削減による便益
- 検討項目:
- 燃料費・CO2対策コストの低下
- アデカシー便益
- 停電コスト(下限)
- 評価期間: 22年
- 割引率: 4%
広域的取引拡大便益の内訳
広域的取引拡大便益は、以下の3つに大別される。
- 価格低下
- CO2削減
- 安定供給
費用負担
原則として全国負担となり、託送料金は各電源別による効果に基づいて負担される。
- 再エネ由来の効果: 69.9%
- その他電源由来の効果: 30.1%
中国九州間連系設備に関する費用負担割合
中国九州間連系設備に関わる費用概算は以下の通りである。
- 概算工事費: 約4,412億円
- 概算運転維持費: 約5,384億円
- 全国調整スキーム対象費: 約5,356億円
- 概算工事費: 4,020億円
- 概算運転維持費: 1,337億円
| 費用の内訳 | 金額 (億円) |
|---|
| 再エネ由来の効果 | 2,811 |
| その他電源由来の効果 | 1,208 |
| 概算運転維持費 | 5,384 |
注: 四捨五入により合計値が一致しない場合がある。