第35回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会資料
資料の概要
この資料は、第35回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会が2021年6月14日に発表したものであり、その目的は一次調整力と二次調整力に関連する事前審査やアセスメントに関する技術要件の設定を議論することである。
目次
- 一次調整力に関する技術要件
- 一次調整力の役割
- 技術要件の設定値
- アセスメント I と II の考慮事項
- 実績データの取り扱い
- 基準の設定に関する概要
- 一次における基準設定
- DSR等に関する基準値
- アセスメントⅡの実施方法(平常時)
- ペナルティの考え方(平常時)
- 二次①に関する技術要件
- アセスメントⅠの実施の必要性
- アセスメントⅡの基本的な考え方
- 実績データの取り扱い
- DSRが専用線を用いて参入する場合の課題と対応方針
- 次のステップ
- まとめ
一次調整力に関する技術要件
一次調整力の役割
- 極短周期成分の変動に対応する。
- 異常時に周波数低下を抑制する機能を担う。
技術要件の設定値
| 項目 | 設定値 | 現行の既存電源における設定値の90%tile値 | 海外における設定値 |
|---|
| 計測間隔 | 0.1秒以下 | 0.1秒 | 0.03秒(米)0.1秒(英)以下 |
| 計測誤差 | ±0.02Hz以下 | | ±0.01Hz以下(英独仏) |
| 不感帯 | ±0.01Hz以下 | 0.01Hz | ±0.01Hz以下(独仏) 0.036Hz以下(米) |
| 調定率 | 5%以下 | 5% | 5%以下(英独米) |
| 遅れ時間 | 2秒以内 | 1.2秒 | 2秒以内(英独) |
アセスメント I と II の考慮事項
- アセスメント I: 発電機等がΔkWの供出が可能であるか確認する。
- アセスメント II: 自端での周波数計測に基づき、調定率に合致した出力変化量を評価する。
実績データの取り扱い
- 一次調整力は、秒単位の周波数変動に対応する商品であり、評価間隔は1秒と設定する提案がされている。
- 評価データの取り扱いには、事業者が任意に指定する期間を基本とし、エリア間での整合性を保つことが望ましい。
基準の設定に関する概要
一次における基準設定(平常時)
- アセスメントⅡでは、リソースの出力変化量を評価するために基準となる計画値が求められる。
- 発電機等の発電計画が基準となるが、1秒単位の発電計画策定には事業者への負担が大きいため、1分単位の計画値を提出し、一般送配電事業者がそれを1秒単位に補間することも許容される。
DSR等に関する基準値
- 基準値の算出方法は「直前計測型」と「事前予測型」の二つが考えられている。
| 項目 | 直前計測型 | 事前予測型 |
|---|
| 考え方 | 実需要の直前値を基準 | 予測値を基準 |
| メリット | 調整力を正確に得やすい | 需給変動を先に考慮 |
| デメリット | 需要変動時の調整困難 | 予測が外れると動機が失われる |
アセスメントⅡの実施方法(平常時)
評価内容は以下の通り。
| 項目 | 実施内容 |
|---|
| 評価対象 | 出力変化量 |
| 評価間隔 | 1秒 |
| 許容範囲 | 評価点における出力変化量による |
| 評価頻度 | 一般送配電事業者が任意に指定する期間を割り当て |
ペナルティの考え方(平常時)
- 周波数調整の重要性から、ペナルティ強度を他の商品より高く設定する考え方がある。
- アセスメントⅡで不適合判定となった場合、金銭的ペナルティをΔkW落札価格の1.5倍とすることが提案されている。
二次①に関する技術要件
アセスメントⅠの実施の必要性
需給調整市場において、供出可能な状態に発電機等を維持するリクワイアメントが求められている。二次①においても同様の方法でアセスメントⅠを実施することが提案されている。
アセスメントⅡの基本的な考え方
アセスメントⅡでは、リソースの出力が事業者が提出する計画値に基づく出力変化量を追従しているか評価する。
実績データの取り扱い
- 二次①では、アセスメントⅡにおいて秒単位のデータ評価を行うことが望ましい。
- データ伝送遅れを考慮し、一般送配電事業者の取引規程で詳細を取り決める。
DSRが専用線を用いて参入する場合の課題と対応方針
概要
DSR(需要家側応答)の専用線を通じた新たな参入形態について、いくつかの課題が考えられており、これに対する対応方針も示されている。
専用線による参入
- 中給システムの改修は、事業者からの申込み状況に応じて実施予定である。
- 各社中給システムの仕様が異なるため、一般送電事業者との協議を経て、順次対応が可能となる見込みである。
課題と対応方針
| 課題 | 対応方針 |
|---|
| 現状の専用線では、三次②の30分間隔45分前指令の発信が不可能 | DSRの専用線による参入可出力変化量指令に限る |
| 専用線の指令方法は実出力値による指令を前提としている | 実出力値指令については中給抜本改修に合わせて検討 |
| 余力活用のため、前日メール等で余力を連絡することが可能 | |
次のステップ
今後の議論の方向性として、次の内容が簡潔にまとめられている。
- 一次の事前審査・アセスメント等の具体的方法
- 二次①の事前審査・アセスメント等の具体的方法
- 二次②の事前審査・アセスメント等の具体的方法
- その他の整理事項
- まとめ
まとめ
この資料では、一次及び二次に関する調整力の技術要件の設定値やアセスメント方法、実績データの取り扱いなどが詳細に整理されている。これらの情報を基に、今後の議論を進めていくことが期待される。