東京エリアにおける揚水発電運用状況及び需給ひっ迫時の対応
資料の目的・背景
本資料は、2022年6月27日から7月1日までの需給ひっ迫時における東京エリアの揚水発電の運用状況を整理し、分析したものである。これは、第75回制度設計専門会合での議論を受けて、詳細な運用状況を確認するために作成された。
需給ひっ迫状況
- 期間: 2022年6月27日〜7月1日
- 特徴:
- 6月27日に梅雨明けし、記録的な猛暑により需給がひっ迫した。
- 東日本大震災以降、6月の最大需要を毎日上回った。
需要及び気温データ
| 日付 | 時刻 | 需要 (万kW) | 最高気温 (℃) | 平均気温 (℃) |
|---|
| 2022年6月30日 | 14:15 | 5,487 | 36.4 | 30.8 |
| 2022年6月29日 | 13:14 | 5,296 | 35.4 | 29.4 |
| 2022年6月27日 | 13:14 | 5,254 | 35.7 | 29.5 |
| 2022年6月28日 | 14:15 | 5,238 | 35.1 | 29.2 |
| 2018年6月29日 | 14:15 | 4,727 | 32.9 | 28.3 |
揚水発電の運用状況
運用状況
- 6月29日には揚水ポンプアップ運転の機会が多く、蓄水量を高めることができた。
- 朝方、需給ひっ迫を想定し、揚水ポンプアップを最大限実施した。
供給力の対策
- 追加供給力対策: 約200万kWの供給力を追加確保。具体的施策は以下の通りである。
- 電源Ⅰ、電源Ⅱの増出力運転
- 自家発焚き増し
- 需給ひっ迫融通
- 供給電圧調整
| 日付 | 追加供給力確保量 (万kW) | 電源Ⅰ 発動 | 電源Ⅱ 増出力運転 | 自家発要請 | 需給融通 |
|---|
| 6月26日 | | | | 11:00 | |
| 6月27日 | 217 | [協力なし] | 9:30 | 8:00 | 10:30 |
| 6月28日 | 150 | 15:00 | 前日より計上 | 前日より計上 | 15:00 |
| 6月29日 | 201 | 15:00 | 前日より計上 | 前日より計上 | 2:00 |
| 6月30日 | 158 | 15:00 | 前日より計上 | 前日より計上 | 9:00、16:30 |
| 7月1日 | 166 | 15:00 | 前日より計上 | 前日より計上 | 9:00 |
課題・リスク
- 高需要が続くと、揚水発電の運用が増加し、貯水量の枯渇リスクがある。
- 特に、夏季の連続した猛暑による需給ひっ迫時には、火力発電による供給力の確保が重要である。
今後の予定
- 今後、補正料金算定インデックスを2024年度から広域予備料と一体化することを目指している。
参考文献
資料は東京電力パワーグリッド株式会社が作成したものであり、公式な発表内容である。
資料の分析
この資料は、電力需給に関するデータ分析及び対応策についての内容をまとめている。以下の主要な考察が含まれている。
1. 需要想定および太陽光出力想定の推移
- 需要想定:
- 最大需要の推移は次の通りである:
- 5,527万kW → 5,392万kW → 5,390万kW(減少傾向)
- 太陽光出力想定:
- 日量は次のように推移している:
- 1億27万kWh → 1億386万kWh → 1億827万kWh(増加傾向)
2. 追加供給力対策の発動判断
- 需給ひっ迫対応:
- 融通指示は、連系線の空きを市場で活用し、実需給に近い段階で実施される。
| 指示時刻 | 融通時間 | 最大電力(万kW) | 電力量(万kWh) |
|---|
| 0:25 | 2:00 〜 6:00 | 60 | 240 |
| 4:33 | 6:00 〜 8:00 | 60 | 120 |
| 6:39 | 8:00 〜 10:00 | 60 | 120 |
| 7:30 | 8:00 〜 12:00 | 55 | 216 |
| 8:32 | 10:00 〜 18:00 | 60 | 480 |
| 11:04 | 12:00 〜 14:00 | 55.9 | 95.9 |
| 13:23 | 14:00 〜 18:00 | 73.9 | 166.7 |
| 17:17 | 18:00 〜 24:00 | 87.7 | 418.3 |
3. 実需給の状況
- 他エリアからの融通は、実需給を考慮した上で、余剰容量を活用することが基本である。
4. 今後の検討課題
- 需給ひっ迫時における以下の課題を検討していく方針である。
- 揚発の供給力計上方法の見直し
- 残余需要見通しの精度向上
- 追加供給力対策の発動判断
- 電源IIIの扱いの整理
5. 重要な要点のまとめ
- 需給ひっ迫時の融通指示には細かな条件が設けられており、今後の運用に向けた課題が整理されている。引き続き、関係者と連携を図りながら、需給の安定に向けた対策を検討していくことが重要である。