容量市場の在り方に関する資料の説明
1. はじめに
容量市場の創設背景には、以下の状況が存在する。
- 自然変動電源の導入:風力・太陽光発電の導入が進展するが、火力発電の稼働率は低下すると予想される。
- 供給力の不確実性:中小規模の小売電気事業者からの中長期供給計画には、「調達先未定」とする計画が見受けられる。
このため、経済産業大臣に対し、実効性ある供給力確保の在り方について意見が提出されている。
2. 容量市場の目的
容量市場は、中長期的な供給力を確保するための効率的手段として以下の目的が整理されている。
- 卸市場価格のスパイクを抑制
- 卸市場価格の高止まりを防止
- 再エネ導入拡大時の調整力を確保
3. 勉強会の概要
平成29年3月から、容量市場に関する勉強会が開催され、以下の議題について議論が行われた。
| 開催日 | 議題 |
|---|
| 平成29年3月30日 | 勉強会の設立、容量市場の概要論点抽出 |
| 平成29年5月30日 | 容量市場の運用の流れと議論の進め方 |
| 平成29年6月22日 | 容量市場の地理的範囲と価格形成の在り方 |
| 平成29年7月14日 | 新設電源と既設電源の扱いについて |
この勉強会を通じて、制度設計についての基本的な見直しが行われた後に、詳細な検討が始まっている。
4. 中長期的な供給力確保の課題
容量市場に関連する中長期的な供給力確保の課題としては以下が挙げられる。
- 供給力不足の懸念:発電事業者が投資回収見通しを立てられない場合、新設や入れ替えが行われず、需給逼迫のリスクが増大する。
- 市場価格の影響:
- 需給ひっ迫時に卸市場で価格スパイクが頻発する可能性がある。
- 既存発電所の廃止による供給力減少。
5. 容量市場の設計要素
容量市場の設計には以下の要素が重要である。
- リクワイアメント(要件):参加電源に対する供給能力の基準を設定し、評価及びペナルティと連動させる。
- 市場管理者の役割:市場管理者が確保すべき供給力を一括調達する仕組みが求められる。
6. 勉強会における検討状況
6.1 発電側の検討結果
容量市場の地理的範囲に関する発電側の検討結果として、以下の選択肢が示された。
| 考え得る選択肢 | 評価 |
|---|
| 全国単一規模でのオークション (OP.1-1) | 経済的供給力確保に望ましい。 |
| OP.1-2 (値差が発生しない) | 経済性が損なわれる可能性がある。 |
| OP.2 (連系線の運用制約を考慮しない) | 特定地域に供給力が偏在するリスクがある。 |
| OP.3 (エリア外からの供給力を認めない) | 経済性が損なわれる可能性がある。 |
| OP.4 (エリア外からの供給力を認める) | 経済性を確保できる可能性があるがリスク管理が必要。 |
6.2 小売側の検討結果
小売側に関する選択肢としては、以下が考慮されている。
| 考え得る選択肢 | 評価 |
|---|
| OP.1-1-a (エリア毎にオークション約定額を課す) | 支払額と負担の差異を整理する必要がある。 |
| OP.1-1-b (全国で集計し配分) | 小売側の負担を抑制する効果が期待される。 |
6.3 剰余金の扱い
剰余金の扱いに関する課題として以下が挙げられる。
- 誰が管理するのか、精算の方法。
- 課税の是非についての考慮。
精算イメージの例
| エリア | 内容 |
|---|
| エリア1 | 発電事業者受取り:$7,500 |
| エリア2 | 発電事業者受取り:$5,000 |
| 小売支払い合計 | $15,000 |
6.4 容量市場の運営に関する検討結果
容量市場の設計や契約期間について、以下のような検討結果が出されている。
- 容量確保期間:
- メインオークションは中長期的に確保。
- 追加オークションを実施し、需要の変動に応じた対応を行う。
容量オークションのスケジュール
| オークション | 実施時期 | 支払い額 |
|---|
| メインオークション | 例:4年前 | ○円 |
| 追加オークション | 例:1年前 | △円 |
6.5 経過措置の考え方
容量市場導入時に既存の電源に対して、経過措置が必要との意見が挙がっている。
経過措置の選択肢
- 選択①: 特段の対応なし
- 選択②: 経過措置が必要
6.6 今後の開催予定
今後の検討会議の日程は以下の通り予定されている。
| 回数 | 日付 | 時間 |
|---|
| 第2回 | 9月27日(木) | 16:00〜18:00 |
| 第3回 | 10月18日(水) | 9:00〜11:00 |
| 第4回 | 11月13日(月) | 13:00〜15:00 |
7. 検討会の主要論点
審議会資料における主要な論点及び当検討会の課題は以下の通りである。
| 論点 | 当検討会の課題 | (参考) 国のTFにおいて想定される検討事項 |
|---|
| 論点 31 発電事業者広域機関間広域機関小売電気事業者間の精算プロセス方法 | 精算プロセスの詳細検討 | |
| 論点 32 公正公平な競争環境の実現と柔軟性の確保 | 経過措置の扱いを整理し具体的な考え方を検討 | 経過措置の扱いに関する検討 |
| 入札価格の適切性の確保 | | 適切性評価の要否について整理 |
| 他の市場との関係 | | 各市場との関係について全体像を整理 |
| 電事法との関係 | 業務プロセスを広域機関で検討し結果を基に政省令等へ対応 | |
| エネルギー政策との整合性確認 | | エネルギー基本計画との関係について整理 |
結論
容量市場は、中長期的な供給力確保を目指し、安定供給を実現するための制度設計や市場との整合性が重要である。引き続き発電側と小売側の視点を考慮しつつ、具体的な議論が必要とされている。