次世代型太陽電池に関する動向
本資料は、経済産業省が「次世代型太陽電池」に関する動向を記述しており、以下の内容を中心に検討を行っている。
- 官民連携による太陽電池産業の競争力強化
- 国内外の施策や技術進捗
- 新たな政策方向性の提案
目次
- 関連施策について
- 戦略の進捗と世界の動向
- 新たな施策の方向性
主要な検討内容・論点
太陽電池産業における官民協力
- 数量: 世界に引けを取らない「規模」と「スピード」で量産技術の確立及び生産体制整備を行う
- 戦略の策定: 「次世代型太陽電池戦略」を2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」に盛り込む
生産体制整備
- GXサプライチェーン構築支援: 2030年までの早期GW級の生産体制構築を目指す
- 市場立ち上げ: 一部事業者は2025年度から事業化を開始
- 施工方法確立: 様々な設置形態に関する実証を行い、ガイドライン初版を発行済み
需要創出
- 2040年目標: 約20GWの導入を目指す
- 重点分野: 施工の横展開や自家消費率向上に向け、2025年度から導入補助を実施
- 初期需要牽引: 政府機関、地方自治体、環境価値を重視する民間企業が連携
量産技術の確立
- コスト目標:
- 2025年: 20円/kWh
- 2030年: 14円/kWh
- 2040年: 10円~14円/kWh以下
- タンデム型の開発加速: 既存シリコン太陽電池の需要を見据えて進める
産業競争力強化
- 生産体制の強化: 国内での強靭な生産体制の構築
- 知的財産の管理: 特許と製造プロセスの最適化
- フィルム型の競争力: 製造からリサイクルまでのライフサイクル全体での付加価値を向上
海外展開
- 国際標準の策定: 米・独・伊・豪などとの連携が見込まれる
- 信頼性評価: 次世代型太陽電池における信頼性評価の国際的な標準化を進める
スケジュール・今後の予定
以下のスケジュールに基づいた施策を推進する。
| 時期 | 内容 |
|---|
| 短期(2025年~) | 量産技術の確立、生産体制整備、要員創出 |
| 中期(2030年~) | 約1GW/年〜数GW/年の導入拡大 |
| 長期(2040年~) | 自立化水準を10円/kWh以下に抑える |
重要な数値・データ
- 生産コスト目標:
- 2025年: 20円/kWh
- 2030年: 14円/kWh
- 自立化目標: 2040年には10円/kWh以下
課題・リスク
- 海外市場との競争における規模とスピードの確保
- 国内外の施策や技術開発における柔軟な政策見直しの必要性
今後、関連省庁連携の下、地域との共生を考慮した施策の実行が求められる。
具体的な取り組み
生産体制整備について
2030年を見据えた取り組み
- GW級の生産体制構築:
- GXサプライチェーン構築支援事業により、フィルム型ペロブスカイト太陽電池やレーザー加工装置の支援を行う。
- タンデム型の量産体制構築公募を実施する。
積水化学工業の新会社設立
- 積水ソーラー フィルム:
- 新会社を2025年1月に設立予定。
- 5年間で約3150億円を投資し、GW級のライン構築を目指す。
- 2025年度から事業化を開始し、2027年度に100MWの供給体制を稼働予定。
需要の創出
- ペロブスカイト太陽電池の導入支援
- 導入支援開始日: 2025年9月4日
- 採択済み自治体: 福岡県、福岡市、滋賀県、さいたま市、NEXCO西日本
- 官民協議会に参加する自治体(全182自治体)や民間企業の具体的導入が進行中。
各自治体の導入目標
| 自治体 | 2035年目標 | 2040年目標 | 特徴 |
|---|
| 大阪府 | 530MW | - | 税制優遇措置実施 |
| 福岡市 | - | - | みずほPayPayドーム設置計画 |
| さいたま市 | - | - | タンデム型実証開始 |
| 東京都 | 約1GW | 約2GW | 民間事業者への導入支援 |
| 愛知県 | 1.2GW(2024年) | - | ペロブスカイト推進協議会設立 |
将来の期待
- 2040年には、東京都で約2GWの導入目標に向けたロードマップを策定中。
- その他の大都市圏での導入目標形成が期待され、地方自治体における積極的な需要創出が進行中。
生産に関する基盤の構築
リサイクル・標準化
- リサイクル技術の開発: 2025年度からNEDO事業で評価・検証を予定。
- 標準化活動: 新しい国際規格の開発を2026年度内に行う計画。
設計・施工ガイドライン
- ガイドライン: 安全性を考慮したガイドラインを2026年3月に初版公表予定。
- 施工例に基づき、随時更新される。
このように、次世代型太陽電池の生産体制整備や需要創出に向けた具体的な施策が進行中であり、各自治体や関連事業者との連携が進められている状況である。