2021年度向け調整力公募に関する課題整理
本資料は、2021年度向け調整力公募に関する課題整理を目的としており、電力広域的運営推進機構 (OCCTO) が作成したものである。資料は、調整力及び需給バランスに関する委員会での審議結果を基にした内容が含まれている。
主要な検討内容・論点
1. 調整力公募のスケジュール
2021年度向け調整力公募は以下のスケジュールで進行する。
- 2020年度第1Q: 必要量・要件等の検討
- 2020年度第2Q: 公募準備
- 2020年度第3Q: 公募
- 2020年度第4Q: 契約手続き
例年の公募スケジュールを参考に、一般送配電事業者のスケジュールに合わせて審議を行う予定である。
2. 調整力の区分
調整力の公募において、電源は以下のように区分されている。
- 電源 I: 一般送配電事業者の専用電源で常時確保する電源
- 電源 II: 小売電気事業者の供給力と相乗りする電源
- 電源 III: 三次調整力に関連する電源
電源 II は必要量の上限なしで募集するため、当機関は主に電源 Iの必要量に関する検討を行う。
3. 調整力の効率的な運用
2021年度には、需給調整市場が開設される予定である。この市場では、以下の特徴がある。
- 三次調整力は広域調達・広域運用を実施
- それ以外の調整力は公募を通じて確保し運用する
特に高需要時には、電源 II 余力への依存が難しいため、電源 I の確保が重要となる。
4. 供給計画と需給バランス
2020年度供給計画においては、以下の点が確認されている。
- すべてのエリアで予備率が8%以上確保されているが、一部エリアでは供給力に裕度がない懸念がある。
| エリア | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
|---|
| 北海道 | 31.0% | 46.1% | 54.6% | 27.2% | 24.2% | 41.4% | 19.4% | 23.4% | 21.5% | 17.6% | 18.8% | 14.6% |
| 東北 | 21.8% | 26.5% | 17.6% | 9.5% | 9.7% | 16.1% | 19.4% | 12.1% | 11.3% | 12.9% | 15.3% | 14.6% |
| 東京 | 20.6% | 26.5% | 17.6% | 9.5% | 9.7% | 16.1% | 19.4% | 12.1% | 11.3% | 10.8% | 8.0% | 10.5% |
| 中部 | 24.3% | 26.5% | 22.6% | 9.9% | 10.3% | 16.1% | 19.9% | 16.0% | 11.3% | 10.8% | 8.6% | 14.7% |
| 九州 | 42.0% | 29.3% | 22.6% | 14.8% | 20.7% | 34.0% | 30.0% | 19.0% | 11.3% | 10.8% | 9.7% | 17.2% |
5. 必要量の確保に向けた考え方
2021年度の電源 I、電源 I’ の必要量については、2020年度と大きく変更する点はないとされているが、以下の点が指摘されている。
- 偶発的需給変動対応分の必要供給予備力として、各エリアの H3需要の**7%**を電源 I として確保する必要がある。
上記の必要量は、供給力が確保されない場合の特別調達電源としての仕組みの整理も必要である。
今後のスケジュール
- 調整力に関連する議論は引き続き進められ、次回委員会で必要な内容を整理する予定である。
- 2024年度には容量市場が開設され、その基準に従った供給力確保が求められる。
まとめ
本資料は、2021年度向け調整力公募における課題整理の結果を示しており、調整力の効率的な運用や供給計画の見直し、必要量の確保に関する重要な論点が取り上げられている。
北陸の再エネ予測誤差について
誤差が大きく変わっていない理由
-
北陸の特徴:
- 前々日・前日予測誤差が大きくなるコマ数(大外しコマ)が少ない。
- GC時点の予測値に変わっても予測誤差の2σ値が小さくなる効果は限定的である。
-
他エリアとの比較:
- 北陸以外のエリアでは大外しコマが多く、GC時点の予測値に変わることで大外しコマが減るため2σ値が大幅に小さくなる。
ケース2及びケース4の再エネ予測誤差
誤差が大きく変わっていない理由
-
時間帯の傾向:
- ピーク2点コマの選定時間帯は、おおよそ16時〜20時。
- 再エネ予測誤差が2σ値を超える大外しとなるコマの分布は、主に7時〜16時に集中。
-
予測タイミングの影響:
- 予測タイミングを前々日・前日からGC時点に変更した結果、2σを超える大外しが減少したが、ケース2・ケース4の対象コマには影響が小さく、したがって大きな変化は見られなかった。
実需給断面で必要となる調整力の観点からの電源I必要量
調整力必要量の算出
-
H3需要時の調整力:
- 実需給段面で必要な量から、再エネ予測誤差分が控除され、必要量が減少している(H3需要の7%を超える値も確認されている)。
-
現状と分析:
- 実運用では上げ調整力の不足は見られず、小売電気事業者と一般送配電事業者間で電源IIを共用することでH3需要の超過分も十分に活用されている。
結論
- 実需給断面において、一般送配電事業者が確実に活用できる電源Iを現状のH3需要の7%から増やす必要はないとの見解が示された。
調整力調達に関する方針
三次調整力の確保
-
実施方法:
- FIT特例制度における予測誤差に対応するため、2020年度までは電源I・電源IIで調整力を確保。
- 前日以降の電源II余力が不足する場合は「電源II事前予約」を実施。
-
2021年度以降:
- 三次調整力の確保により「電源IIの事前予約」の仕組みは不要になる見込みである。
事前予約量の算出方法
- 算出式:
- 事前予約量 = 上げ調整力必要量 - 電源I・電源II確保量 のように算定される。
- 上げ調整力必要量には、各コマのエリア需要予測の7%や太陽光下振れリスクを考慮。
電源I必要量の総括
-
調整力の確保:
- 昨年度同様の基準で、需要変動への対応分を電源I必要量として確保することが求められている。
-
必要な調整力:
- H3需要の7%を超える必要供給量に関しては適切に管理されているとの見解が示されている。
-
事前予約動向:
- 電源IIの事前予約が不要との見解に基づき、調整力の確保方針が見直されている。
供給力の計算における計画外停止率の考慮
計画外停止率の採用
- 電源 I' 必要量の算定において、計画外停止等の影響を考慮するため、火力電源の計画外停止率**2.6%**を採用することが提案されている。
電源 I' 必要量算定の式
-
電源 I' 必要量は以下の式によって算定される。
電源 I' = (厳気象H1需要 × 103%) - (平年H3需要 × 101% + 電源 I 必要量)
夏季と冬季の供給力差の考慮
計画停止量の差
- 小売電気事業者が確保する供給力において、夏季と冬季での計画停止量の差や、電源特性による供給力差を考慮することが求められている。
供給力確保見込みの変動
- 小売電気事業者の供給力確保見込みが、季節的要因や電源補修などにより変動する可能性があるため、需給バランスを保つための評価が重要である。
稀頻度リスク対応の考慮
必要な供給力の確保
- 厳気象下での供給力低下のリスクに備えるため、H3需要の**1%**を稀頻度リスク対応として確保することが提案されている。
電源 I' 必要量の算定方法
必要量の計算式
電源 I' = 厳気象H1需要 × (1 - 需要減少率) × 103%
- {(最大3日平均電力 × 101% + 電源 I 必要量) × (1 - 計画外停止率) - 稀頻度リスク分}
補足データ
供給力差分の表
| 地域 | 夏季冬季 |
|---|
| 北海道 | 98 |
| 東北 | 75 |
| 東京 | 381 |
| 中部 | 14 |
| 北陸 | 5 |
| 関西 | 82 |
| 中国 | 100 |
| 四国 | 5 |
| 九州 | 74 |
| 沖縄 | 28 |
不等時性を考慮したブロック分けのための供給力に関する考え方
供給力移動の条件
- 供給力を他エリアに移動するには以下の条件が必要である:
- 連系線に空容量があること。
- 自エリアで必要な予備力を確保した上で、他エリアに移動できる余力があること。
供給力の過不足計算
- 関連する電源の公募調達を通じて、各エリアで需要減少率を考慮した需要に対し、3%の予備力を確保することを前提に、エリアの供給力の過不足を計算する。
スケジュールと今後の予定
- 各エリアの供給力と需給バランス評価は定期的に行われ、必要に応じて見直しが行われる。