この回で示されたこと
- 2026年度以降、154kV栃那線の運用容量を熱容量限度982MWから電圧安定性の限度690MWに変更することが決定された。2026年GWの想定潮流は902MWであり、超過時はノンファーム電源を先に制御し、不足時は大容量ファーム電源を給電指令で抑制する。資料3
- 那珂変電所系統では、2025年GWにフリッカの問い合わせが約270件あり、PCSの設定変更が未完了の所有者約7,000件に早期変更を依頼中である。2026年GWに向け、期間中の解列要請や、応じない場合の契約解除等を検討し、再現シミュレーションを進める。資料3
- 需要者の受電点力率を進み・遅れ双方で適正化するため、進み力率でも最大割引となる現行の力率割引制度の見直しが提案された。進み力率の計測に対応するスマートメーターの開発・設置や関連システム改修も必要事項として示されたが、制度変更は未決定である。資料2
- イベリア半島の2025年4月の停電では、電圧上昇と電源等の連鎖停止が第一要因として示された一方、根本原因は未確定である。電圧調整・同期安定性に必要な能力の事前評価と確保、再エネ等の能力を活用するグリッドコード、PMU等による計測活用が示された。資料4
- 系統アクセスでは、接続検討が必要な新設発電等設備を対象に、設置検討地全体の登記簿等の確認結果や地権者との対応状況を記した書類を求める案が示された。2026年1月以降の受付案件への適用案であり、契約申込み時に土地の使用権原を証する書類を求める案も継続検討である。資料5
- 大規模需要の申込規律は未決定であり、DC集積型GX戦略地域を自治体応募による「有望地域」「GX戦略地域」の二段階で選ぶ案や、地内系統の計画的整備に公的機関が一定程度関与する枠組みが示された。資料6
前回からの変化
- 系統用蓄電池等の接続検討に関する土地調査書類案が具体化し、土地全体の調査・確認状況を求めること、使用権原の確保自体は接続検討の要件としないこと、2026年1月以降の受付案件を適用対象とする案が示された。資料5
- 接続契約を確保したまま土地を確保しない事例への対応として、契約申込み時に土地の使用権原を証する書類を求め、確認できない場合は申込みを取り下げ扱いとする案が示された。対象電源や適用時期は未決定である。資料5
- 大規模需要について、供給承諾協議が停滞した37件中27件の回答で計画未確定8件、土地未取得7件などの理由が示され、工事費負担金の入金時期の追加調査結果も提示された。また、DC集積型GX戦略地域の二段階選定案が示された。資料6
今後の予定・残った論点
- 2026年GWに向け、PCS設定変更や解列要請、栃那線の運用容量変更などの対策を進める。那珂変電所系統では再現シミュレーションと対策効果の評価を続ける。資料1資料3
- 力率割引制度の見直しを速やかに検討し、進み力率を計測するスマートメーターや関連システムの対応を検討する。制度以外の電圧維持策も幅広く検討する。資料2
- イベリア半島停電のENTSO-E最終報告書は2026年第1四半期に公表予定であり、根本原因の分析と勧告は今後明らかになる。資料4
- 系統アクセスの土地使用権原要件や情報公開、保証金・容量解放ルールの強化を引き続き検討する。大規模需要の申込規律、上位系統費用の負担、GX戦略地域選定後の接続手続も今後の論点である。資料5資料6
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この回の資料と要約
- 1
電圧起因による系統の安定運用への影響について
- 電圧品質は、法令に基づく2023年度の低圧測定では約6,600箇所に逸脱がなかった一方、基幹系統の電圧上昇、ローカル系統の安定性低下、電圧フリッカが報告されている。 - 主因として、需要家の余剰SC、太陽光の遅れ力率運転、PCSの単独運転検出機能による無効電力注入が挙げられ、設備・運用対策や設定変更協力が進められている。 - 資料は次期軽負荷期に向け、既設太陽光PCSの設定変更再周知、需要家への過剰SC開放依頼、運用容量見直しと出力制御の両立を提案している。
- 2
適正な系統電圧維持に向けた取り組みについて
- 基幹系統の電圧は高く、一時的にJEC最高許容電圧を超過または接近しており、高圧系統からの無効電力流入が主な要因の一つと推察されている。 - 送電線運用停止、発電者の電圧調整、需要者の余剰SC適正化が進められているが、効果は限定的で、運用容量低下や調整時間の制約もある。 - 中部電力パワーグリッドは、進み力率でも最大割引となる現行の力率割引制度を見直し、需要者の受電点力率を適正範囲に保つ仕組みを提案している。 - 制度見直しは未決定であり、速やかな検討開始に加え、スマートメーター開発・設置とシステム改修が必要とされている。
- 3
ローカル系統の太陽光発電出力制御等による電圧対策(ゴールデンウィーク等の低需要期)
- 東京電力PGは2026年度GW以降、栃那線の運用容量を熱容量限度982MWから電圧安定性限度690MWへ変更することを決定した。想定潮流902MWが上回る見通しのため、まずノンファーム電源を制御し、不足時はファーム電源にも給電指令で抑制する。 - 那珂変電所系統では太陽光PCSの単独運転検出機能等を起因とする電圧フリッカが発生し、2025年GWに約270件の問い合わせがあった。未設定の所有者約7,000件へ設定変更を依頼し、フリッカ想定期間の解列も要請する。 - 送り出し電圧・系統構成の見直しは栃那線で内容決定済み、フリッカ対策は再現シミュレーション中である。既設太陽光の力率変更は電圧状況を確認して判断し、新設高圧太陽光への力率100%適用は2025年11月以降の申込み案件から始める。 - 2026年GWまでの対策を進め、以降の設備対策は費用対便益を踏まえて検討する。フリッカは対策後も再発頻度が増える可能性が示されている。
- 4
イベリア半島における大規模停電の要因と示唆
- 2025年4月28日、需要約31GWのスペイン・ポルトガル全域で停電し、電圧上昇に伴う電源等の連鎖停止が第一の要因と整理されている。根本原因の分析は未確定である。 - 低需要・同期電源の少なさ・再エネの限定的な電圧調整能力に、系統動揺への対応や下位系統の潮流・無効電力変化などが重なった。個々の電源脱落原因には未解明の点が残る。 - 資料は、電圧調整・同期安定性の能力確保、再エネ等を含む調整ルールの整備、系統連系設備の挙動把握を示唆する。日本での小規模電源等の把握は必要性の確認が必要とされる。 - ENTSO-Eの最終報告書は2026年第1四半期に公表予定であり、根本原因の分析と勧告は今後示される。
- 5
発電等設備における系統アクセス手続きの規律強化について
- 系統用蓄電池の接続検討は2024年度に9,544件、全設備では14,276件となり、手続き長期化への対応として規律強化を検討する資料である。 - 接続検討時は全新設発電等設備を対象に土地調査結果等を求め、2026年1月以降の受付案件から適用する案である。使用権原の確保自体は接続検討の要件としない。 - 契約申込み時は土地の使用権原を示す書類を要件とし、確認できなければ取り下げ扱いとする案だが、対象や時期は未決定である。 - 蓄電池向けの系統情報公開拡充と、保証金・容量解放ルールの強化も検討課題として示された。
- 6
局地的な大規模需要に対する規律確保について
- データセンター等の大規模需要で、計画・用地が未確定な申込みが協議停滞や系統容量の長期予約を招いており、供給条件が整ってからの申込みを促す対策が検討案として示された。 - 調査対象では協議停滞の理由に計画未確定や土地未取得があり、工事費負担金の入金は約4割が3か月以内、約2割が半年以上であったが、長期間を一律に遅延とはみなせない。 - DC集積型GX戦略地域は、有望地域の選定後に自治体がインフラ協議と事業計画精査を行う二段階選定案であり、有望地域自治体による契約申込みと、非選定時の取下げが提案されている。 - 申込規律、費用負担、戦略地域選定後の接続手続、地内系統の整備枠組みはいずれも未決定であり、今後検討される。
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