この回のダイジェスト
2030~2034年度のSAF供給目標が方針化され、支援・認証・利用可視化の取組が進んだ。
この回で示されたこと
- 経済産業省は高度化法に基づき、2030~2034年度のSAF供給目標を「2019年度の国内ジェット燃料GHG排出量の5%相当以上」とする方針をまとめた。対象は年間10万kL以上のジェット燃料製造・供給事業者で、SAFはASTM D7566・D1655適合とする。2035年以降の目標や需要側の利用予見性を高める制度は今後の検討事項である。資料7
- 経済産業省は大規模SAF製造設備支援で4件を採択し、2024~2028年度に総額3,368億円を措置した。採択案件はコスモ石油のATJ年15万kL、ENEOSのHEFA約40万kL、出光興産のHEFA年25万kL、太陽石油のATJ年20万kLである。技術開発にはGI基金約511億円、SAF国内生産・販売量に応じた1L当たり30円の税額控除も措置済みである。資料7
- コスモ石油は堺製油所のHEFA設備を2024年12月に完工し、試運転中である。年間約3万kLを2025年春に本格生産し、2025年度からJAL、ANA、DHL Expressへの供給を予定する。原料の国産廃食用油100%利用を目指し、回収網の拡大を課題としている。資料3
- 環境省は家庭系廃食用油の分別収集拡大や事業系未回収廃油の実態把握・回収実証を進める。家庭系は年約10万トン発生し約3.6万トンを回収、事業系は年約40万トン発生し約37万トンが排水へ流出するとの推計を示した。令和7年度から市区町村の可燃物分別収集等に特別交付税措置を予定し、令和6年度補正予算では回収・再資源化の調査や実証等に20億円を計上した。資料5
- 農林水産省は、指宿市の荒廃農地で行った令和5年度のソルガム栽培実証について、4.4haで収量34~100t/haだったと報告した。大型機械に合う品種・栽培体系、糖度向上や蒸留コスト低減、食料との競合への配慮を課題とし、令和6年度以降に品種・作期等を検討する予定である。資料6
- 航空局は令和6年10月に「SAF利用可視化ガイドライン」を策定し、令和7年度に検証・改訂を進める方針を示した。認証タスクグループには19社、パイロット事業には11件が参加し、規格外ココナッツ由来SAFのデフォルト値はICAO文書に反映された。新千歳・旭川空港の供給実証では、マスバランス方式の認知不足や品質証明書への認識差を課題として確認した。資料8
前回からの変化
- 2030年の供給目標は前回の告示案から進み、2030~2034年度の目標として方針がまとめられた。SAFの規格はASTM D7566に加えてD1655も満たすものとされた。資料7
- コスモ石油の年約3万kLのHEFA計画は、前回の建設中・2024年度内生産開始予定から、2024年12月の装置完工・試運転中へ進み、2025年春の本格生産と2025年度供給を予定する段階となった。資料3
- 航空局の利用可視化は前回の算定・配分や二重計上防止の検討、東京都でのガイドライン案実証から、令和6年10月のガイドライン策定へ進んだ。実運用に向け、環境価値の起点、算定方法、証明書の記載事項・有効期限等は引き続き検討中である。資料8
この回の資料の要約から AI が作成したダイジェストです(作成)。「資料N」は根拠にした資料で、押すと下の一覧の N 番目の資料へ移動します。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
この回の資料と要約
- 1
[第6回 SAF 官民協議会 議事要旨]
- 第6回SAF官民協議会では、事業者・業界団体と関係省庁が製造、供給支援、資源確保、環境価値制度などの取組を説明した。協議会の決定事項は記載されていない。 - 廃食用油の回収見込みを具体化し、国内のSAF供給・需要の将来像を議論するよう求める意見が出た。 - オフテイカー確保に向けた需要側の規制措置が提起されたが、検討・決定の状況は記載されていない。 - 顧客へのコスト転嫁による競争力低下や需要減少への懸念から、過渡期の製造コスト低減支援を求める意見が出た。
- 2
持続可能な航空燃料(SAF) の導入促進に向けた官民協議会
- ユーグレナは実証段階を終え、マレーシアの商業プラントによるSAF・HVOの大規模供給準備へ移行している。 - 合弁会社への5%出資は2024年12月に完了し、15%への引き上げを目指す。製造能力は最大約72.5万KL/年で、最大10万KL/年を日本へ供給する計画である。 - 2024年に高脂質・高密度のユーグレナ培養に成功。2030年までのCORSIA適格燃料登録と大規模・低コスト培養技術の確立を目指す。 - 商業プラントは2028年下期までの運転開始予定であり、藻油原料の商業化は2030年代前半の目標である。
- 3
国産SAF製造の取組みについて
- コスモ石油は2030年に年間30万KLのSAF供給を目指し、廃食用油由来HEFA、バイオエタノール由来ATJ、輸入を組み合わせる計画である。 - HEFAは年間約3万KLの設備が2024年12月に完工して試運転中であり、2025年春の本格生産と、2025年度からJAL・ANA・DHL Expressへの供給を予定する。 - 原料調達から製造、需要家までのISCC認証を2024年11月に取得した一方、国産廃食用油100%の実現に向けた回収網拡大が最大の課題である。 - ATJは年間15万KL、2029年以降の運転開始を目指す計画であり、タイからの輸入も条件協議中である。
- 4
国産SAFの着実な社会実装に向けて
- 定期航空協会は、国産SAFの社会実装に向け、製造コスト低減への追加支援、環境価値の社会的負担、国際競争環境への政府の関与を要望している。これは協議会への提案であり、決定事項ではない。 - 本邦3社は2030年度に燃料の10%をSAFに置き換える目標を設定しているが、価格がジェット燃料の3~5倍の場合、3社合計の2031年3月期営業利益は約1,200億円から約マイナス500億円との試算である。 - SAFプログラムへの参加は東証プライム上場企業の1%未満であり、協会は公共調達や官需、航空会社へのインセンティブなど参加・利用を促す仕組みを求めている。 - 協会は、ICAO・COP等で政府が主導的に関与することと、利用側のSAF目標を数量からGHG削減率へ見直すことも提案している。
- 5
[SAFの国産製造体制の強化に向けた環境省の取組状況について]
- 環境省は、廃棄物由来SAFの国内供給に向け、原料回収・調達と燃料製造技術の実用化を支援する。国の計画・閣僚会議決定では、廃食用油の活用と安定供給体制の構築が掲げられている。 - 家庭系廃食用油は年約10万トン発生する一方、分別回収は549自治体(約3割)に限られる。令和7年度から分別収集費用への特別交付税措置を予定し、廃食用油は収集費用のみが対象である。 - 事業系廃食用油は年約40万トン発生し、約37万トンが排水へ流出するとの推計があり、回収実態の把握と技術・仕組みづくりが課題である。 - 木質チップ・古紙からのSAF原料製造や、ごみ由来エタノールの実証実績がある。未回収廃油の回収・燃料化も調査・実証中で、事業の評価・普及は今後の段階である。
- 6
第6回 持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会 農林水産省説明資料
- 農林水産省は「みどりの食料システム戦略」に沿い、資源作物の栽培実証と地域未利用バイオマスの回収・再利用モデルを支援している。これはSAF原料確保に向けた施策の位置づけであり、具体的な導入決定ではない。 - 指宿市のソルガム実証は令和5年度に4.4haで行われ、収量は34〜100t/haだったが、収穫体系、糖度約11%、蒸留コスト、燃料化技術が課題である。 - 廃食用油は事業系が年約40万t発生し9割以上回収される一方、家庭系は約10万tの発生に対し回収が4,000tにとどまり、回収促進が課題である。 - 農水省は省内回収や情報発信、体験学習を実施し、令和7年度予算に地域未利用資源の回収・再利用モデル支援を計上、同年度も体験学習を予定している。
- 7
経済産業省における SAF商用化に向けた取組
- SAF供給目標は、2030~2034年度に2019年度の国内ジェット燃料GHG排出量の5%相当以上とする方針である。年間10万kL以上の製造・供給事業者を対象とし、実績比率に応じて目標を配分する。 - 国内支援は、製造設備に総額3,368億円、SAF生産・販売に1L当たり30円の税額控除などで構成され、HEFA・ATJの大規模製造4事業が採択済みである。 - 米国は主に税制・クレジットによる支援、EUは混合義務や排出量取引を組み合わせており、海外では製造能力と原料確保の競争が進んでいる。 - 次世代燃料の環境価値認証・移転制度は検討段階であり、2025年3月頃に手法選択の方向性と実現課題を整理する予定である。
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[第6回 SAFの導入促進に向けた官民協議会 説明資料]
- 航空局は国産SAFのCORSIA登録・認証を支援し、令和6年度に19社・11件のパイロット事業、規格外ココナッツ由来SAFのICAO文書反映、ClassNKのスキームオーナー承認が進んだ。 - SAF利用可視化ガイドラインを令和6年10月に策定し、算定・二重計上防止・証明書等の課題を整理、令和7年度に検証・改訂する予定である。 - 北海道の供給実証ではマスバランス方式の認知や品質証明書への認識差が課題となり、輸送費を算出・試算した。地域での理解醸成と地産地消の課題抽出を継続する。 - 航空脱炭素化計画は3件認定済みで、ANA・JAL両グループはSAFを燃料使用量の10%以上とする目標等を掲げる。国際会合ではCORSIAや長期目標等の議論が続く予定である。
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持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会
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