この回のダイジェスト
水素需要の想定幅と全国需要ケース案が示されたが、幅の採用案は未決定である。
この回で示されたこと
- 出力制御された再エネ電力を全量水素製造に使う極端な前提では、追加電力需要は2040年度に20~61TWh、2050年度に33~98TWhと試算された。系統制約・経済性・技術進歩は考慮されていない。資料1
- 系統電力による国内水電解の将来想定幅として、2040年に0~70億kWh(最大約12万トン)、2050年に0~100億kWh(最大約17万トン)が示された。確定した導入量ではなく、電中研の出力制御分の試算は参考扱いである。資料2
- 技術検討会社のシナリオ試算では、国内水電解は2040年0.08~0.12Mt、2050年0.07~0.17Mt、輸入水素はそれぞれ1.1~1.2Mt、18.7~18.8Mtである。輸入優位を想定するが、価格・設備・系統条件に依存する試算である。資料4
- 全国電力需要のモデルケース案として、送電端電力量は2040年に9,000億・11,000億kWh、2050年に9,500億・10,500億・11,500億・12,500億kWhの選択肢が提示された。自家消費控除前の値であり、確定案ではない。資料5
- 需要幅は蓋然性を重視する「コア」と不確実性を含む「リスク」の2種類とする考え方に概ね賛同があった。定量面では案B・Cをベースとする提案が示された一方、案A~Cの採用は決まっていない。資料5
- 技術検討会社3社による全需要要素の検討は水素製造を含めて完了した。需要要素を7グループに整理し、ケースごとの前提・世界観や要素間の相関、余剰電力と水素製造など供給・需要の関係を説明・反映するよう意見が出た。資料5
前回からの変化
今後の予定・残った論点
- コア/リスク幅は案B・Cをベースにモデルケースを設定し、各ケースの前提や特徴も説明する方向が提案された。
- 需要幅の最終案とモデルケースは未確定であり、関係者が用途に応じて選択・調整できる形を目指す。
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この回の資料と要約
- 1
2050年度までの全国の長期電力需要想定-追加的要素(余剰対策)の試算結果-
- 再エネ余剰電力を全量水素製造に使う前提で、2050年度の追加需要を試算した資料である。 - 2050年度の需要は出力制御率5%・10%・15%に応じて33・65・98TWh、2040年度は20・41・61TWhである。 - 試算の基礎は再エネ約400GW・発電量約650TWhの「受容性重視シナリオ」である。 - 最大限の再エネ導入と余剰全量の水素利用を置いた極端な試算であり、系統制約や経済性等は考慮していない。
- 2
技術検討会社の将来想定を踏まえた方向性について(水素製造)
- 国内の系統電力を使う水電解水素の想定幅は、2040年0~70億kWh(最大約12万トン)、2050年0~100億kWh(最大約17万トン)であり、確定値ではない。 - 国内再エネの価格差から輸入水素が経済性で優位とされる一方、輸入拠点から遠い内陸部では国内オンサイト製造の可能性がある。 - 余剰電力による製造は、産業用途での安定供給と設備稼働率・採算性が課題であり、DRや蓄電池等との整合も検討会で指摘された。 - 水素社会推進法は制定済みで、認定計画への価格差・拠点整備支援や規制特例を定め、具体的な普及支援が進む見通しである。
- 3
2050年に向けた日本の電力需要の見通し (2024年度更新版)
- RITEのモデル試算では、2019年比の最終電力需要は2040年にほぼ横ばい、2050年に30~200 TWh/年増となる。これは確定予測ではなく、前提条件下の結果である。 - 脱炭素化による電化が需要を押し上げる一方、炭素価格に伴う省エネが増加を抑える。2050年の電化率は民生で約80%、産業で37~45%、道路交通で約23%と試算される。 - 分析は世界1.5℃目標、日本・G7の2050年90%削減を前提とし、需要中位・高位・低位の3ケースを設定した。供給側の不確実性は今回の試算に含まれない。 - モデルは費用最小化に基づき、国内固有の制約や急激な技術転換を十分に表さない場合がある。結果は前提に左右され、供給力の充足は別途検討が必要である。
- 4
将来の電力需給シナリオに関する技術検討
- 2050年カーボンニュートラルを前提とする試算では、水素需要の大半を輸入で賄い、国内水電解製造は限定的となる。これはシナリオ試算であり、導入決定ではない。 - 輸入水素は2040年1.1~1.2 Mt、2050年約18.7~18.8 Mt、国内製造はそれぞれ0.08~0.12 Mt、0.07~0.17 Mtと推計された。 - 水素製造の電力需要は2040年4.8~6.6 TWh、2050年3.9~9.6 TWhである。 - 2050年総電力需要は1,090 TWh(1,084~1,093 TWh)で、前年度試算より微減し、資料は民生部門の電化差異を主因としている。
- 5
需要想定に関する検討状況の報告
- 2040年・2050年の全国電力需要について、技術検討会社3社の想定を基に、用途に応じて選択・調整できるモデルケースを設ける案が示されたが、まだ確定していない。 - 提案ケースは2040年に9,000億・11,000億kWh、2050年に9,500億・10,500億・11,500億・12,500億kWhで、需要地併設型PVの自家消費控除前の送電端値である。 - 想定幅は蓋然性重視のコアと不確実性を含むリスクに分け、案A~Cを比較した。案Aは幅が広く過大との懸念、案Bは幅の狭さ、案A・Cは説明性などを評価する意見があり、採用案は未決である。 - 今後は案B・Cを基礎に複数ケースを設定し、前提・世界観の説明や供給と需要の関係も検討する方向が提案された。
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将来の電力需給シナリオに関する検討会
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