この回のダイジェスト
第2回はDACCS・BECCSの技術動向と事業化提案を示し、具体的な支援方針は未決定である。
この回で示されたこと
- DACCSはTRL 6、BECCSはTRL 7と整理され、2050年の除去ポテンシャル中央値はそれぞれ2.9、5.0 Gt-CO₂/年、除去コスト中央値は154、149ドル/t-CO₂と示された。両技術ともエネルギー、国内CCS貯留場所などが実装上の課題である。資料1
- 技術比較では、共通条件でのコスト・除去ポテンシャルの幅や感度分析、時系列見通し、実装障壁の把握が論点となった。DACCS・BECCSの研究開発、実証、測定ルール、標準戦略、支援策などは企業ヒアリングを踏まえて検討する段階であり、優先順位や具体策は未決定である。資料2
- COCN DAC研究会は、国内クレジット市場の早期整備、DACCSを含むNETsへの技術支援、国内産業基盤の構築を提案した。また、温室栽培や炭酸飲料など環境価値を価格に反映できる用途から始め、回収コスト低下後に大規模市場へ広げる案を示した。資料3
- 川崎重工は日量5kg規模のDAC実証を2022年に完了し、1,000時間超の連続回収とほぼ100%のCO₂純度を報告した。海外では2030年までの事業化を目指し、地下貯留と排出権販売を想定したFSを実施中である。資料5
- 米国ではBIL法に基づき、DACハブ4か所に総額35億ドルを割り当て、年間100万トン超・100ドル/t未満を目標に候補事業を公募している。DAC由来CO₂の鉱物化建材、合成燃料・繊維なども需要先として示されたが、採算性や供給量は確定していない。資料4
前回からの変化
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この回の資料と要約
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ネガティブエミッション技術について(DACCS/BECCS)
- NETsは大気中CO₂を除去・固定化する技術群であり、自然プロセスを使う技術では環境影響の科学的評価、DACCS・BECCSではコスト低減が課題である。 - DACCSは除去効果を検証しやすい一方、希薄なCO₂回収に要するエネルギーが大きい。資料の2050年中央値は除去コスト154ドル/t-CO₂、除去ポテンシャル2.9 Gt-CO₂/年である。 - BECCSはバイオマス由来CO₂の回収・貯留を通じて除去を目指す。国内木質バイオマスの100 MW規模試算は約200ドル/t-CO₂で、原料調達・貯留可能量・効率低下が制約となる。 - DACCSの2030年約70 Mt、BECCSの約40 MtはCCUを含む公表計画上の見通しであり、達成実績ではない。
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国内/海外における各技術の現状分析・検討の状況について
- 資料はNETsの比較を踏まえ、DACCS・BECCSの研究開発、社会実装、支援策を議論する段階であり、技術の優先順位や具体策は未決定である。 - DACCSはTRL 6、BECCSはTRL 7とされる一方、両者とも国内CCS適地が限られ、DACCSは安価な再エネ電力、BECCSはバイオマス資源の確保が課題である。 - 除去ポテンシャルやコストには不確実性があり、共通条件での比較、幅や感度分析、時系列の除去量見通しが必要との意見が示された。 - 市場形成ではコベネフィット評価、除去固有のプレミアム、効果測定・認証のルール、国際連携、官民の役割分担が検討事項である。
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DAC(Direct Air Capture)研究会からのご説明
- COCN DAC研究会は、DACの普及に向け、国内クレジット市場、技術支援、国内産業基盤、CCUS事業環境の整備を政策提案として示した。政府の決定事項ではない。 - ICAOは国際航空の2050年ネットゼロ目標と、2024~2035年の基準排出量を2019年比85%とする基準を決定した。資料はクレジット需要の増加と国内市場の未整備を指摘する。 - DAC起源CO₂は既存の安価なCO₂とコスト競争しにくいため、まず競合の少ないニッチ市場を狙い、コスト低下後に大規模市場へ展開するシナリオを示す。 - DACがネガティブ・エミッションとなるには貯留が必要であり、貯留先の確保と国内CCUS・輸送環境の整備が事業化の条件である。
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DACを活用したビジネスモデル
- DAC事業は、CO₂貯蔵・固着・利用先と組み合わせ、税控除やCDRクレジット、低炭素製品需要を収益基盤とする構想であるが、採算性は確定していない。 - 米国DOEはBIL法の35億ドルで地域DACハブ4か所を支援する公募を実施中で、目標は年間100万CO₂トン超、1トン当たり100ドル未満である。 - DAC由来CO₂の用途として、CDR価値を持つ低炭素コンクリートと、欧州の制度・需要を背景とする合成燃料や合成繊維を示している。 - 合成燃料は航空で2030年、自動車で2035年からの導入見通しが示され、e-methaneは日本を中心に導入が進むとの予測である。
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ネガティブエミッション実現に向けた川崎重工の取り組み
- 川崎重工は、カーボンフリー水素と大気回収CO₂による合成燃料にDACを位置づけ、固体吸収材を用いた低温回収技術を開発している。 - 日量5kg規模の実証を2022年に完了し、1,000時間超の連続回収とほぼ100%のCO₂純度を報告した;再生可能電力との組合せではLCA上ネガティブエミッションを確認したとしている。 - 2030年までに海外でDAC回収CO₂の地下貯留事業化を目指し、実証に向けたFSを実施中である;事業化は目標段階である。 - 排出削減目標は国内グループのScope 1・2が2030年Net Zero、対象会社のScope 3が2040年Zero-Carbon Ready、連結グループ全体が2050年Net Zeroである。
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ネガティブエミッション市場創出に向けた検討会
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