この回のダイジェスト
第2回はCCSコスト試算と、国内外の事業化計画・制度要望を示した。
この回で示されたこと
- 2030年新設設備の試算では、天然ガスCCS火力が13.3円/kWh、一般炭CCS火力が16.5円/kWhであり、水素・アンモニア発電より低コストとなった。液化アンモニアの直接利用は、転換利用や液化水素より低コストとの試算である。資料1
- 三菱商事、INPEX、ENEOSなどが海外CCS案件や国内圧入構想を提示した。INPEXは2030年頃に年間250万トン以上の圧入を目指し、ENEOSは最速2030年に西日本製油所から年360万トンの圧入開始を構想している。いずれも計画・目標段階である。資料2資料3資料5資料7
- 国内CCUSのモデル事業案として、油ガス田への貯留を中心に、2028年開始・年50万トン・約3年間で総量150万トンを想定する2案が示された。別途、調査井掘削を含む全国ハブ&クラスター案は、2022年度以降の適地調査、2025年度以降の実装を提案した。資料4資料6
- CCSの事業化には、適地調査費・資金調達、収益・費用負担の仕組み、閉鎖後の長期責任、CO₂輸送・貯留インフラ、法制度、社会受容性が課題として挙げられた。各社・業界団体は法整備、補助金、調査支援、責任分担などを政府に要望したが、決定済み施策ではない。資料2資料3資料4資料5資料6資料7資料8資料9資料10資料11資料13資料14資料15
- 電力・鉄鋼・化学・セメント・製紙の各業界は、CCSを含む脱炭素方針や技術開発・実証の段階を提示した。苫小牧実証や各社の研究・実証は進む一方、商用化に向けたコスト低減、インフラ整備、法制度、費用負担が論点として残る。資料10資料11資料12資料13資料14資料15
前回からの変化
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この回の資料と要約
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水素・アンモニア発電コストおよびCCS付き火力発電コスト試算
- 2030年新設設備を想定した試算では、天然ガス・一般炭のCCS付き火力はそれぞれ13.3円/kWh、16.5円/kWhで、水素・アンモニア発電より低コストである。 - 天然ガス由来燃料の水素・アンモニア発電では、液化水素利用が25.6円/kWh、液化アンモニアから水素への転換利用が21.4円/kWh、アンモニア直接利用が18.0円/kWhである。 - コスト差の主因は、化石燃料の輸送費が水素・アンモニアより低く、燃料転換時のエネルギー損失もないこと、またアンモニア直接利用では再水素化費が不要なことである。 - 数値は特定の技術・価格・割引率等に基づく試算であり、2030年の目標値や確定値ではない。
- 2
CCSに関する具体的計画
- 三菱商事は発表済みのCCS関連5案件と、企業との複数の事業化可能性調査を進めており、操業開始は主に2020年代後半を想定する検討段階である。 - 貯留適地調査の費用負担、開発資金の調達難、貯留コストの転嫁先不足が事業化の主要な障壁である。 - 閉鎖後の責任範囲、貯留適地での社会受容性、国際間CO₂輸送の取り決めにも制度上の不確実性がある。 - 政府に調査費支援・資金調達手段の確保、持続可能な貯留インセンティブの制度設計、閉鎖後義務等の整備での主導的対応を求めている。
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CCSに関する取り組みについて
- INPEXは、2030年頃にCO₂圧入量年間250万トン以上を目指し、国内実証、アブダビでの能力増強、豪州イクシスでのCCS導入を計画する。 - 計画実現の課題として、分離回収コスト、輸送・長期モニタリング技術、法制度と事業者責任の不明確さ、商業性・資金支援の不足を挙げる。 - 政府に、CCS関連法案の来年度中の策定、補助金制度、透明な鉱区設定・付与プロセス、国内外の適地調査支援を求める。
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国内CCUS事業のコンセプトについて
- 国内油ガス田を使うCCUSモデル事業を2020年代に国負担で立ち上げ、2030年代の本格展開につなげる構想である。実施決定ではなく、法改正や事業環境整備を前提とする提案である。 - 陸域貯留を可能にする法改正を2023年度中、適地調査を2025年度開始と想定し、国による調査井掘削を含む調査を求めている。 - A・B両エリア案は2028年圧入開始、年50万トン、約3年間で150万トンを想定する。Aは利活用先との連携型、Bは複数貯留地型で、船舶輸送による域外CO₂貯留も将来構想に含む。 - 政府に、収益・費用負担の仕組み、長期責任の国への移管、補助金・優遇税制などを要望している。
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ENEOSグループのCCSに対する考え方
- ENEOSグループは自社排出分の2040年度カーボンニュートラルに向け、最速2030年の国内CCS開始を目指す初期構想を示した。 - 構想上の圧入量は、西日本で2030年から年間360万トン、東日本で2040年から年間410万トンであり、貯留適地は今後の調査で確定する。 - 2030年開始には2026年度までの最終投資決定が必要との見立てで、調査井掘削・FEED開始を2024年とする工程を前提に、早期の調査着手を掲げる。 - 鉱業法等の制度整備、法的責任の整理、FID前後の公的費用負担を要望しているが、これらは事業者提案であり決定事項ではない。
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CCUSの社会実装を目指して:ハブ&クラスターモデル事業構築
- 日本CCS調査株式会社は、調査井で貯留適地を確認し、輸送から貯留・モニタリング・カーボンリサイクルまでを統合するハブ&クラスター型CCUSの社会実装案を提示した。事業化は未決定である。 - 費用案は適地調査50億円、社会実装490億円で、年間数十万~100万トン規模を想定する。FSは2023~2025年度、実装は2025年度以降の工程案である。 - 調査井は未掘削であり、1万トン級液化CO₂船、大型タンク・ポンプ、パイプライン、低コストの総合モニタリングなどに技術・法制度上の課題がある。 - 官民の役割分担や担い手への経済的枠組みを検討し、可能であれば設備設計着手前の2023年度中にCCS事業法を整備する必要があるとしている。
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CCS関連事業取組み、及び課題
- 三井物産は英国、豪州、米国の3つのCCS・CCUS関連案件を提示したが、豪州・米国案件は評価・投資対象選定中である。 - 英国Acorn CCSは2026~27年頃の運開を予定し、2030年までに年670万トンのCO₂圧入、最大年2,300万トンへの拡張を計画する。 - 豪州では自社権益のガス田と廃ガス田を活用した燃料アンモニア輸出を評価中、米国では産業由来CO₂の利用によるCarbon-Negative Oil事業をDenburyと検討中である。 - 排出権の国内利用制度、国際ルール整備、買い取り保証、国内インフラ整備、JOGMEC支援継続などを政府に要望している。
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第2回CCS長期ロードマップ検討会~伊藤忠商事の取組と提言~
- 伊藤忠商事はNEDOの2事業に参加し、CO₂回収・輸送・地下貯留をつなぐCCS事業モデルを検討・研究中である。 - 同社は、バリューチェーン単位の入札への政府補助と、民間の事業化調査への手厚い補助を提案・要望している。背景には、CO₂の社会的コストが未確定で、民間がCCSを商材化しにくい現状がある。 - 英国はCCUSクラスターを2020年代半ばまでに2か所、2030年までにさらに2か所展開する目標を掲げ、10億ポンドの基金を設けている。 - 英国では2021年10月に基金の出資対象を選定し、2022年初めのFID、2025年からの段階的稼働を予定していた。
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CCS事業推進のための重点要望事項
- 石油鉱業連盟が、CCS事業推進に向けた五つの重点要望を提示した。 - 制度面では、CCS適用法規の2023年度中の制定と、新たな補助金制度の創設を求める。 - 国内では貯留適地調査の推進と複数地域でのモデル事業実施を求める。 - 海外CCS事業への支援強化も要望しており、各項目は提案段階である。
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CCS導入に向けた電力業界の取組状況について
- 電気事業連合会は、火力が安定供給を支える役割を担うとの認識の下、CCSをCO₂大幅削減の技術選択肢の一つと位置付けるが、商用化は未確立である。 - 主な課題は、分離・回収の実現可能性とコスト、輸送・貯留インフラ、貯留関連法、社会受容性、および費用負担への理解である。 - 苫小牧の稼働中実証や大崎・舞鶴の技術実証、舞鶴から苫小牧への年1万トン規模の輸送実証計画が示されている。 - 商用化に向け、国主導の資金支援、インフラ整備と民間が負いにくい長期貯留リスクへの対応を求め、ロードマップはS+3E達成を前提に見直すとしている。
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CCS導入促進に向けた論点について
- 電源開発は石炭火力のCO₂回収に実用化の目処があるとする一方、貯留の不確実性、コスト低減、CCSチェーン構築を課題としている。 - GENESIS松島は環境配慮書段階で投資未決定であり、回収設備用地を確保し、資料記載では2024年着工・2026年度運転開始を予定する計画である。 - 試算ではCCS費用は約6,930~9,500円/トン、IGCC+CCSの発電コストは約1.6~1.8倍となる見通しで、費用は方式や輸送距離などに左右される。 - 提出者は、長期責任移管、法整備、貯留サイト選定、共用インフラ、投資支援などを政府に要望しているが、いずれも資料上の提案であり決定事項ではない。
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日本鉄鋼連盟長期温暖化対策ビジョン『ゼロカーボン・スチールへの挑戦』
- 日本鉄鋼連盟は2050年カーボンニュートラルに向け、従来の「3つのエコ」に加え、水素還元やCCS・CCUなど革新技術の開発を重視するビジョンを示した。導入時期は技術別の想定であり、達成済みの実績ではない。 - 世界の粗鋼生産量は2015年の16.2億tから2050年26.8億t、2100年37.9億tへ増える見通しで、スクラップ利用が増えても天然資源ルートの銑鉄生産が今世紀末まで必要とされる。 - 実現には大規模なクリーン水素供給、CCS、安価で安定したカーボンフリー電力、製銑・製鋼設備の転換が必要であり、数千億〜兆円規模の投資や既存設備の損失が課題である。 - 高コストの投資・運転費用を誰が負担するか、国内生産と設備投資を継続できる事業環境をどう整えるかが未解決の論点として示されている。
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化学業界からのCCS導入に向けた意見
- 化学業界は、原料・燃料転換などを進めても残るCO₂排出をCCSやクレジットで相殺する考えを示している。導入決定ではなく、業界の方針・提案である。 - 2020年度の排出量は5489万t、削減量は874万tで2030年度目標の129%に達したが、コロナ禍による生産減の影響があり、BAU比を含む全体目標は未達と整理されている。 - 導入課題は回収・輸送・貯留費用、太平洋側のプラントから日本海側候補地への長距離輸送、低コスト技術、安全性への社会理解、国内貯留地と制度整備である。 - 政府に費用負担・インフラ・安全性・容量配分等の方針を求め、2030年の転換実行から2050年のCCUS・水素等活用へ進むロードマップ案を示している。
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セメント産業における2050年カーボンニュートラルへの対応に向けたCCUSの活用方針について
- セメント産業のCO₂排出は約60%が石灰石の脱炭酸、約40%がエネルギー由来であり、協会は2050年CNにCCUSが不可欠との認識を示す。 - 業界はクリンカ比率低減や燃料転換などと並行してCCUSの技術開発を進めており、CNビジョンは資料時点で改定・公表予定の案である。 - 工場は全国30か所に広がり、山間部にも立地するため、CO₂出荷設備へのアクセスや一時貯留が実装上の課題として挙げられている。 - 協会は、回収CO₂の貯留・利用、輸送・仮集積設備、受入基準の提示、導入企業への競争力支援を政府に要望している。
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ご説明用資料(概要版)
- 日本製紙連合会は、黒液・木質バイオマス由来のCO₂回収をネガティブ・エミッションにつながる技術と位置づけている。 - 導入課題は、回収技術の省エネルギー化、分離から貯留までの総費用低減、工場と貯留適地の立地差である。 - 連合会は、調査環境の整備、費用低減、設備投資・運用費への経済支援を政府に要望している。 - 日本製紙のバイオマス発電施設でのCO₂回収調査は、NEDO事業に採択済みである。
要約は AI が作成したものです。正確な内容は配信元の資料 PDF をご確認ください。
CCS長期ロードマップ検討会
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