電力システム改革に関する事務局提出資料の概要
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省による「第10回 制度設計専門会合」の事務局提出資料であり、電力システム改革における競争レビューの基本方針・実施細目について説明している。主な目的は、競争的な電力市場への移行を進め、安定的で低廉な電力供給を実現することである。
電力システム改革の目的
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社会的な目的:
- 従来の「安定的な電力供給」を、事業者や需要家の「選択」と「競争」を通じて実現すること
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競争環境の整備:
- 小売・発電・送配電の各分野において、競争が不十分となる要因を取り除く必要がある。
これまでの電気事業制度改革
- 戦後、日本において垂直一貫体制による地域独占と総括原価方式に基づく電気事業制度が確立されてきた。この制度により、大規模電源の確保と地域への供給保証が実現されている。
電力システム改革を貫く考え方
- 競争の不十分さや震災による政策課題に対応するため、国民に開かれた電力システムを目指す。
- 競争環境を整備することで、コストの低減や新サービスの提供が期待される。
競争環境の全体像
競争的市場構造の実現
- 小売市場における競争環境の醸成:
- 小売参入規制の撤廃
- 卸電力市場の活性化
- 旧一般電気事業者間の域外競争の促進
卸電力市場の活性化
| 項目 | 内容 |
|---|
| 供給体制 | 経済合理的な電力供給体制の実現 |
| 発電部門の競争促進 | 燃料調達・発電所建設などの効率を追求し、卸価格の低減を図る |
| 小売市場の競争メリット | 新サービスの提供や低廉な小売価格を実現 |
競争レビューの役割・意義
- 電力システム改革の目的に基づき、自由化後の市場における競争がどのように進展しているかを評価する。
- 必要な方策を検討し、今後の市場の方向性について予見可能性を提供する。
本日の議題
- 競争レビューの基本的な枠組み(基本方針・実施細目)の検討が必要。
- 検討項目:
- 競争評価の視点(評価対象の範囲・留意点)
- 市場画定(地理的市場・商品市場)
- 評価項目(市場構造・市場成果等)
結論
本資料は、電力システム改革における競争環境の整備を目指し、競争レビューの基本方針及び実施細目について説明している。競争の進展を評価し、今後の施策を検討する重要な役割を担っており、特に安定的かつ低廉な電力供給を実現するためには競争環境を整備することが必須である。
欧州における規制料金の撤廃の議論
欧州各国では電気及びガスの規制料金の撤廃に関する動きが進行中である。以下は各地域の状況を整理したものである。
各地域の状況
| 地域 | 状況 |
|---|
| ポルトガル | - IMFEC及びECBとの金融支援計画の中で電気規制料金の撤廃に合意 <br> - 2014年中期までに産業用需要向けの規制料金を撤廃予定 <br> - 2018年末までに家庭用需要向けの規制料金を撤廃予定 <br> - ガス料金についても年間消費量500m³未満の低圧需要家向けの規制料金を撤廃。2017年末までの移行期の最終段階にある。 |
| ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロバキア | - 電気の規制料金の撤廃に向けたロードマップを採択。 |
| スペイン | - 2003年7月から全面自由化を実施。 <br> - 2013年に法律第24号を制定し、最終保障供給を見直し。 <br> - 10kW以下の需要家に小規模需要家向け自主価格(PVPC)を採用し2014年1月1日から実施。 |
| デンマーク | - 39エリア中30エリアで2015年10月1日から新電気供給料金に移行。 <br> - 残りの9エリアは既存事業者との契約の期限切れに伴い、電気の規制料金が2017年5月に撤廃される。 |
| フランス | - 欧州委員会の圧力を受け2010年に電力市場新組織(NOME)法を制定。 <br> - NOME法により2016年1月以降、36kVA以上の契約に係る電気の規制料金が撤廃される。 <br> - 対象需要家の約3割がEDFを離脱。供給先未選択の需要家には暫定供給が実施され、競争入札にてデフォルト供給事業者を決定予定。 <br> - ガスについては主要導管ネットワークに接続された非家庭向けガスの規制料金を2014年6月18日に撤廃、さらに2014年12月31日及び2015年12月31日に産業需要向けの規制料金を段階的に撤廃。 |
参考資料
本情報は、ACER/CEERの「Annual Report on the Results of Monitoring the Internal Electricity and Natural Gas Markets in 2014」等より作成された。